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メサイアコンプレックスの二つの原因
参考の著者の加藤諦三曰く、自殺するほどの劣等感を持ちながら、「世界の悩んでいる人を救いたい」などと言うメサイアコンプレックスには二つの原因がある。
一つは、優越への願望が強いということ。「世界を救いたい」と言うほどに、人に優越したい。
だから、優越できない自分に深刻な劣等感を持つ。

もう一つは、アイデンティティが確立していないこと
自分は隣人一人救えないから、とても人類を救うことなどできないと思っているのが、心理的に健康な人であるが、メサイアコンプレックスの人は、劣等感を持っている「この自分」がない。
「この自分」には現実感がない。
つまり、メサイアコンプレックスを持つ人は、自分が何者であるかが理解できていない。
彼らは、青年期の課題であるアイデンティティーの確立がなされていないのである。自他の間の自我の境界がない。

同じことが、「モラトリアム人間」にも当てはまる
大人になりたがらない若者たちのこと。
彼らも、いくつになっても自己限定することができない。
自分は一商社マンだ、自分は一新聞記者だなど、自分を限定していけないでいつも夢みたいなことを言っている人がいる。
就職をしないで大きなことばかり言っている人もいれば、就職しても、それが自分の本来の職業だと自分を限定していけない人もいる。
いつになってもそれは仮の職業である。