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『モナドロジー』の41


久住哲
完全性(perfection)
『モナドロジー』の49『モナドロジー』の50では「作用」が「完全性」と関係づけられる
あるものが他のものに作用する場合、前者は後者よりも完全だと言われる。
AがBに作用する場合、Bに起こることの理由をAでアプリオリに説明できる。
具体例不明
神の創造と関連すれば
無関心は無知から生じるとあり、知は完全なものに関心を持つとされるので、神の意志は世界を完全なものにしたいと望む。
作用する側に完全性が欠けていることに応じて、完全にしようという気も起こらなくなるが、神は絶対的に完全性を備えているので、あらゆることについて最大限に配慮するようになる……という理屈がある。
ここで言われている制限・無制限については『モナドロジー』の30にも言及がある
実在性」という言葉の意味が分からなければ、ここらへんで言われていることの意味が分からない。
〈Realität〉の解釈あたりにヒントあり
デカルトの『省察』第3省察にはこの「実在性」という言葉が頻繁に出てくる
ちくま学芸文庫『省察』(1641年)の「諸根拠」p136に「観念の表象的実在性」についての解説がある
そこでは「表象的完全性」あるいは「表象的技巧」と言い換えることができると言われている
「表象的実在性」については『省察』本文の訳注138にも解説がある
訳注143(p187)には「形相的実在性」の簡単な解説がある
『エチカ』第2部定義6では、実在性と完全性とが同一だと言われている。
ライプニッツはスピノザを知っている。スピノザよりも約15年後に生まれた。
『省察』第3省察で言われていること
原因は結果以上に実在性を持つ
これがけっこう意味わからない。
実体を示す観念は、偶有性を示す観念よりも、多くの表象的実在性を持っている
遡ると、プラトンの相という発想に行き着くだろう。
『メノン』p16における「強さ」や「健康」など。
メノンについての様々な情報を知っている人と、メノン本人を知っている人とを比べてみると、メノン本人を知っている人のほうが、メノンについて色々と話すことができる。
わからないから、「実在性」を「語れること」で置き換えるによって理解可能になろうとしてみる。