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コンセプトをどこまで踏襲するべきか

GTD を取り入れるにあたって、GTDのコンセプトをどこまで取り入れるかという問題があります。
無論、すべて取り入れて運用するのがベストですが、「いきなり最初から全部やる」は正直厳しいと思います。

私がおすすめしたいのは、段階的に少しずつ取り入れていくことです。
これは最低限やりたいです。とにかく GTD は、頭の中にあるアレコレを外に出さないと始まりません。
2: 役割を持った「箱」を多数用意し、連携させる
次にやりたいのが、この 2 です。
というのも、洗い出しただけでは扱いづらいからです。
アナログな紙にせよデジタルなテキストにせよ何百という項目が並ぶことも珍しくありません
特定の役割を持った「箱」を用意し、分類・整理していくことで、ずいぶんとわかりやすくなります。
ただ、この「箱」が曲者で、GTD では何個も「」が登場します。
もちろん最初からすべての「箱」を勉強して取り入れるのはしんどいので、少しずつで良いでしょう。
本書でも第8章 GTD Tutorialで、少しずつ取り入れていきますので、適宜ご活用ください。
1 により外に出したものを、2 により箱に分類できるようになったら、続いて取り入れたいのが 3 です。
1 にせよ、2 にせよ、一度やったら終わりではありません。
生きている限り家事が続くのと同じように、これら 1 や 2 もまた GTD を続ける限り続きます。
ここで問題となるのが、1 の「外に出す」や 2 の「箱に入れて整理する」をいつやるか(実行頻度)です。
人間は忘れる生き物ですし、怠ける生き物でもあるので、実行頻度を定めておかないと、すぐにサボってしまいます。
これを防ぐのが 3 のレビューです。
GTD では「いいからとにかく定期的に振り返るんだよ」とレビューをゴリ押しします。
日次(毎日)、週次(週に一度)、月次(月に一度)などがあります。
うっとうしく感じられるしれませんが、GTD を続けるためには欠かせない重要概念です。
このレビューを続けられるかどうかが、GTDを続けられるかどうかの分かれ目になると言っても過言ではありません。
軸(理想と目標と制約)に沿って行動する


1 の「外に出す」、2 の「箱に入れる」、3 の「レビューする」だけあれば、GTD は一応回ります。

しかし、そもそもの問いとして「なぜ GTD を取り入れるのか」「何のために GTD をしているのか」という理由とも向き合わねばなりません。意味もなく「なんとなく」で GTD に取り組んでも、大した価値は生まれないからです。無論、向き合わなくても構いません(あなたの抱える事柄が整理されてストレスが減るだけでも十分恩恵はあります)が、せっかく GTD をしているなら、もっと有意義にしたいわけです。

そこで取り入れたいのが 4 です。

理想を定め、現実的な目標に分割し、自分が抱える制約も洗い出して、日々見返すのです。GTD では主に 3 のレビュー中に、この 4 も見返します。

私たちは 4 があるからこそ、

「そういえば私は目標 A を目指しているんだった」
「そうだよな、私は理想 B を目指してるんだから、これはやめなきゃいけないよな」

といった軌道修正ができます。日常を無駄に費やすこともなく、怠惰に過ごすこともなく、4 に向かって歩んでいけるのです。4 は、言うならば人生の羅針盤と言えます。

GTD では、この羅針盤をつくって運用するプロセスも組み込んでいるのですね。

5: 軸(価値観)に沿って行動する

4 の「軸(理想と目標と制約)」を取り入れたら、ついでに 5 の「軸(価値観)」も取り入れたいです。

というのも、私たちは誰もが何かしらの価値観を持っているはずで、日々これに従って生きた方がストレスもなく幸せだからです。

ただ、4 と比べると、5 は自覚するのが難しいので、優先順位は低め(4 を取り入れた後に取り入れる)で良いでしょう。無論、「私は既に自分の価値観がわかっている」という方は、4 と一緒に取り組んでも構いません。