『確率の哲学』(書籍)
著者
金子 裕介
一ノ瀬 正樹(監修)
構成の特徴
章 > 講 > 節の順に大きいが、それぞれが一貫して連続して採番してる。つまり、連番で unique になってる。
付録ごとに対応する節がある。(多対一)
紹介記事
第1章
第2講
行為
これの選択肢
事象
利害
利得の評価
関連領域
↑それぞれの用語に対応付けがある
terms一般用語 | 意志決定理論 | ゲーム理論 |
事象 occurance | 生起事象 condition | 結果 outcome* |
行為、行為選択肢 option | 行為 act | 戦略 strategy |
主体 subject、行為者 agent | | player |
第2章「意思決定理論」
始祖
発展
最大期待効用原理
意思決定理論の構成
期待値計算
選択肢の評価
最大期待効用原理
選択肢の採択
疑義
賭けの構造
賭けで選択するのは(行為)選択肢であって、そこから連なる事象ではない
かさねて、事象を直に選んで賭けることはできない。
第3章
12
13
なぜ客観説が成立する?
∵機構 (propensity) があるから by
ポパーref. 付録6 (pp. 148–151)
14
ref. 付録7
平均しか分からない。個別の運動は不明。
平均と確率の違い
平均は過去と既知
確率は未来と未知
第4章
主観説
こっちを扱う
科学において有用性が実証されてる
ラムジーの主観説
数学的なモデルがあろうとも確率は主観的
行為・事象・確率の3つ組のうち、行為と事象から確率を見定める。
これも方程式かな
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第5章
意思決定理論の想定外
行為によって確率が変わり得るシチュエーション
正統派設定に反する
ギャンブルを念頭に置いてたため
第6章
事象のアスペクト変化の問題を解消できる
最初から条件付き確率を使えと思ってしまう
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微妙な解釈の問題があるらしいが、無視する
第7章
意思決定理論(ギャンブル理論)の限界
因果関係を捉えられない
人は全部が全部を確率的に思考してるワケでは ない ため。
ここで帰納論理
因果の類型
原因→結果
手段→目的
これは目的手段思考とは言わない
teleological thinking
目的に想定されない帰結が色々あり得るので
§119 まとめ、リスト35
確率論思考への 4 step
問題の場面
状況設定に相当
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目的と手段
因果論思考
事象の列挙
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確率論思考
第8章
「帰納論理」
ここからが実質的な第二部
参考までに
因果: F(c)
c cause F
ref. fig. 7.2 (§118, p. 62)
多項関係を一項術語で表現できてる。
singular prediction =
個別予測個別予測の形式を条件付き確率の形式に書き換える。
枚挙された経験を連言∧する。
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論理の つながり だけで、因果は ない。
確率論思考が 因果論思考に
カルナップによる定式化
行為のタイプ化
e.g. F_1(c_1) \land F_2(c_2)…
ref. formula 39.1
第9章
第41講「抽象」
Fの定義域
類似性で類例を集める
= 原因抽出作業
ここから推論する
↑個別予測
推論対象は最後の末端事象だけ
未来事象
cf. 世界分岐の起点
過去経験: 複数
過去→未来
(singular) predictive inference
第10章「コルモゴロフの公理系」
ここから本格入門
第43講
確率を考慮する。
e.g. F(c)
測度論は さしあたり 不要。
ここではメタ言語での定式化を採用する。
確率論理学はメタ言語で議論するから意味論だと言う。
1 とか減算とかの
数学的対象を扱ってるので、意味論で良いだろう。
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実際 \modelsとかを使ってる。
メタ言語なので、メタ変項を使って論証する。
普通に分数で定義する。
既存の定理を移行していく。
一般化された形式を紹介している。
派生として、網羅的で
排反な事象の族についてのモノがある。
予測確率 P(H \mid E∧B)
事例
ヒンティカの帰納論理
逆に個別予測にはベイズの定理が不適
帰納論理の言語
記号は2種類で有限個
57
70
「Q述語」と言いつつ、Q論理式が適切。
a state of affairs
これを生成する組み合わせを考える
以降、
Q式ないし
Q文と呼ぶ。
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state-description(状態記述)
構成された主観的な世界の記述
第15章「個別予測」
実際に計算する
ramifying world = 分岐世界
個別予測の式
再掲。定式化は式39.2を参照。
これまでの経験がペアの連言の連言で表わされてる。
末尾に原因を連言で追加する。
帰結の条件付き確率を計算する。
増分の1は分岐世界に対応する。
式変形
ペアの連言はQ式に対応する。
⇒ 分数形
分子は可能世界の状態記述の確率
= P(St)
クワインの方法で式変形
帰結の部分式に⊤を置く。すると排中律のトートロジーに置換できる。
↔ 状態記述のペアの∨
式 \frac{P(St)}{P(St)+P(St')}
分岐世界との対応
最後の分岐がそのまま分母の∨に現れてる。
排反なので(homomorphismで出して)和でかける。
odds o=\frac{P(St)}{P(St')}
この2つが全事象になる様に条件づけないといけなさそう。
最後の節より、無視できる。 (sec. 239, p. 135)
最下部を参照。
第16章「統計的世界観」
可能世界(状態記述)の確率
これを計算したい。
統計的視点
事例(Q式の個体定項)を区別する必要は ない。
cf. §135
only it matters.
カルナップのパロディーだと言う説がある。
可能世界の同型
エビデンスは ある状態記述の部分式に なってる。
構造記述
2↑k个のQ式とn个の個体定項との組み合わせを考えてる。あるいは、nで順序付けられたn-
重対だと思うので、 n→2↑k。つまり、
(2^k)^n=2^{kn}通りを考える。
つまり同値類だ。
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結局、
多重集合なので数え上げは
重複組合せになる。
L(k, n) ⇒ H(2^k,n) = \binom{2^k+n-1}{n}あとのshortcut式にも繋がるが、ここは約分できそうだ。
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実際の計算例
shortcut(ja: 簡便計算法)
⇖実際の利用には煩雑なため。
(主観的)世界観が まるごと省略された。
対応
過去経験 → 標本
正当化
ref. 付録17 (pp. 174–178)、付録18
式56 (p. 787) の系: 式70 (p. 790)
確率: p=\frac{s_Q+1}{s_\text{all}+2^k}
s_\text{all} = 事例の総数
独立事象の場合: p=\frac{1}{2^k}
「経験から学ばない」ケースに相当する。
あるいは、経験データがなく、Qが1度しかない場合。
計算例
信念の更新。確率の変動。
無関係な行動のタイプの事例は、主観確率に影響しない。たとえ否定形でも。
付図8
ref. (§122, 付録13.4; 20, p.169)
3種の言語の翻訳
日常言語 → 出来事論理 → 帰納論理
指標詞 → (出来事文→証拠定項) → 個体定項
引用:
(第40講, §136 注, p. 71)
(第55講, §191, p. 107)
relic
ja: 遺物
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帰納論理は基本的には死んだ体系である。 (付録15, §130; 7, p. 173)
疑問
同型によって個体定項を無視して良い理由
付録1.3
5: equally possible
付録16
両立不能や排反は、(大ステップ)意味論で処理したい。
矛盾する部分項があった時点で短絡できるため。
付録18 (§236, pp. 178–181)
論理要因と経験要因
直挿法は(経験された)相対頻度を 予測に じかに つかう。
式: p=\frac{s_Q+w}{s+2^k}
別の立場もある: rule of succession
λ-体系に一般化された。
比較的簡単になったが、関連が見えなくなった。
帰納論理の個別予測の確率計算の別表記を考察する。
odds表記を検討する。
odds o = \frac{P(St)}{P(St')} = {P(Q|E)}:{P(Q'|E)} = \frac{s_Q+w}{s+2^k}:\frac{s_{Q'}+w}{s+2^k} = \frac{w+s_Q}{w+s_{Q'}} 最終的に分母は相殺するので無視して良い。
つまり、初期のオッズは w:w = 1:1 = 1 から始める。
俺俺shortcut
まずは五分五分(一対一, 1:1)から始めて、正負の1事例ごとに odds の 勝:負
をそれぞれカウントアップ (+1) すれば良い。
論理要因×1 → 経験要因×n
繰り返しオッズを更新する。
確率が欲しければ、オッズから計算すれば良い。