半導体
定義と基本的な性質
半導体とは?
半導体は、電気を流す「金属」と、流さない「ゴム」のちょうど中間くらいの性質を持つ材料。
普通の状態では電気をあまり流さないけど、特別な工夫をすると電気を流すようになる。
どんな材料がある?
半導体の代表は「シリコン(ケイ素)」や「ゲルマニウム」。
これらはスマホやパソコンなどの電子機器の中に入っている重要な材料。
電子が動いて電気が流れるためには、「電子がいる場所」と「電子が動ける場所」が重要。
電子が詰まっている場所を「価電子帯」。
電子が自由に動ける場所を「伝導帯」。
この2つの間に電子が存在できない「隙間」があり、これをバンドギャップと呼ぶ。
半導体の特別な特徴
金属ではバンドギャップがほぼゼロだから電子が自由に動けて電気を流せる。
温度が上がると電子の移動が原子の振動によって抑制されるから、金属では温度が高くなると電気抵抗が上がる
絶縁体ではバンドギャップが広すぎて電子が動けない。
半導体はバンドギャップがちょうど中間くらいなので、少しのエネルギーを与えると電子が動き出す。
導電性の変化(温度、光、不純物の影響)
温度の影響
温度が上がると、電子がバンドギャップを超えて「伝導帯」に移動するようになる。
これによって電気が流れやすくなる。
温度が低いと電子が動けないので電気が流れにくい。
光の影響
光を当てると、そのエネルギーで電子がバンドギャップを超えることができる。
これが太陽電池などに使われている。
不純物の影響(ドーピング)
不純物(ドーパント)を混ぜることで、電子や電子が足りない部分(正孔)が増える。
例えば、シリコンにリン(電子を1つ多く持つ)を加えると電子が増え、電気が流れやすくなる(n型半導体)。
シリコンにホウ素(電子が1つ少ない)を加えると正孔が増えて電気が流れるようになる(p型半導体)。
数式で表すと:
電子が伝導帯に移動する条件:
E_{\text{光}} \geq E_{\text{g}}
ここで、 E_{\text{光}} は光のエネルギー、 E_{\text{g}} はバンドギャップのエネルギー。
温度が上がるとキャリア数 n が増える:
n \propto e^{\frac{E_{\text{g}}}{kT}}
ここで、 k はボルツマン定数、 T は絶対温度。