>のちに脳神経科医になるサックス先生は子供のころ、化学に夢中だった。
>いつも指先を粉塵で黒くして、金属をはじめとする物質の化学的なふるまいの面白さを説き語ってやまないおじ、「タングステンおじさん」がいたからだ……サックス先生が暖かな家族に囲まれて科学への憧れを育んだ楽園の日々が、ノスタルジー豊かに綴られる。同時に化学の発展史が一風変わった切り口から紹介される、出色の自伝的エッセイ、待望の文庫化。