オプティミスト度テスト
A1=0みたいなのを48個手入力すると計算できる
PmB=0 PmG=0 PvB=0 PvG=0 PsB=0 PsG=0 B=0 G=0
1あなたが責任者だったプロジェクトが大成功を収める | PsG |
A: 私がみんなの仕事ぶりをよく監督したからだ。 | 1 |
B: みんなが一生懸命やってくれたからだ。 | 0 |
A1=0 (PsG+=A1 G+=A1)
2配偶者(ボーイフレンド/ガールフレンド)と仲直りする | PmG |
A: 私が折れたからだ。 | 0 |
B: たいていいつも私が折れてあげている。 | 1 |
A2=1 (PmG+=A2 G+=A2)
3車で友人の家へ行くとき、道を間違えてしまう | PsB |
A: 私が曲がるところを間違えたからだ | 1 |
B: 友人が道順をちゃんと教えてくれなかったからだ。 | 0 |
A3=1 (PsB+=A3 B+=A3)
4配偶者(ボーイフレンド/ガールフレンド)が思いがけず贈り物をくれる | PsG |
A: あの人は給料が上がったばかりだからだ。 | 0 |
B: 私が前の晩、高級レストランで夕食をおごったからだ。 | 1 |
A4=1 (PsG+=A4 G+=A4)
5配偶者(ボーイフレンド/ガールフレンド)の誕生日を忘れてしまう | PmB |
A: 私は誕生日を覚えているのが苦手だ。 | 1 |
B: ほかのことでいろいろ忙しかったせいだ。 | 0 |
A5=0 (PmB+=A5 B+=A5)
6ひそかにあなたにあこがれている人から花をもらう | PvG |
A: あの人は私に魅力を感じているのだ。 | 0 |
B: 私は誰にでも好かれる。 | 1 |
A6=0 (PvG+=A6 G+=A6)
7地域の公職に立候補し、当選する | PvG |
A: 一生懸命選挙運動をしたからだ。 | 0 |
B: 私はなんでも一生懸命やる。 | 1 |
A7=0 (PvG+=A7 G+=A7)
8大事な約束を忘れてしまう | PvB |
A: 私はときどき物忘れをする。 | 1 |
B: 私はときどき予定帳をチェックするのを忘れる。 | 0 |
A8=0 (PvB+=A8 B+=A8)
9地域の公職に立候補し、敗れる | PsB |
A: 私の選挙運動が不十分だった。 | 1 |
B: 勝った候補はもっと顔が広かった。 | 0 |
A9=1 (PsB+=A9 B+=A9)
10主催した夕食会が成功する | PmG |
A: 私はあの晩特に上手に接待できた。 | 0 |
B: 私は接待がうまい | 1 |
A10=1 (PmG+=A10 G+=A10)
11あなたが警察を呼んだので、犯罪を未然に防げた | PsG |
A: 変な音がしたので気がついた。 | 0 |
B: あの日は気が張っていたので、なんでもよく気がついた。 | 1 |
A11=0 (PsG+=A11 G+=A11)
12この一年間非常に健康に過ごせた | PsG |
A: 回りにほとんど病気の人がいなかったので、感染しなかった。 | 0 |
B: 食事と休養に十分気をつけたからだ。 | 1 |
A12=1 (PsG+=A12 G+=A12)
13返却期限までに本を返さなかったので、図書館に10ドル払わなければならなくなる | PmB |
A: 私は読んでいる本に夢中になると期限を忘れることが多い。 | 1 |
B: レポートを書くのに夢中だったので、本を返すのを忘れてしまった。 | 0 |
A13=1 (PmB+=A13 B+=A13)
14株で大もうけする | PmG |
A: 私の仲買人が新しい株を試してみる気になったからだ。 | 0 |
B: 私の仲買人は投資の腕がいいからだ。 | 1 |
A14=1 (PmG+=A10 G+=A14)
15スポーツ大会で優勝する | PmG |
A: あのときは負ける気がしなかった。 | 0 |
B: 私はいつも一生懸命練習するからだ。 | 1 |
A10=1 (PmG+=A10 G+=A10)
16大事な試験で落第してしまう | PvB |
A: 私はテストを受けたほかの人たちほど頭が良くなかった。 | 1 |
B: 試験勉強が十分でなかった。 | 0 |
A16=0 (PvB+=A16 B+=A16)
17友人のために特別にごちそうをこしらえたのに、ほとんど食べてくれなかった | PvB |
A: 私は料理が下手だからだ。 | 1 |
B: 時間がなくて急いで料理したからだ。 | 0 |
A17=0 (PvB+=A17 B+=A17)
18長い間練習してきたのに、競技会で負けてしまう | PvB |
A: 私にはスポーツの才能がない。 | 1 |
B: 私はこの種目は得意ではないのだ。 | 0 |
A18=0 (PvB+=A18 B+=A18)
19夜遅く、暗い道で車がガス欠になる | PsB |
A: 私はタンクにどれだけガソリンが残っているかチェックしなかった。 | 1 |
B: ガソリンの表示盤の目盛りが狂っていたのだ。 | 0 |
A19=1 (PsB+=A19 B+=A19)
20友達に我慢がならなくなる | PmB |
A: あいつはいつもしつこいから嫌だ。 | 1 |
B: あいつは虫の居所が悪かったんだろう。 | 0 |
A20=1 (PmB+=A20 B+=A20)
21所得税の申告書を期限内に提出しなかったので罰せられる | PmB |
A: 私はいつも税金の申告書を後回しにしてしまう。 | 1 |
B: 今年は申告書の記入が遅れてしまった。 | 0 |
A21=1 (PmB+=A21 B+=A21)
22ある人をデートに誘ったが断られてしまう | PvB |
A: あの日は何もかもうまくいかなかった。 | 1 |
B: デートに誘ったとき、気後れしてうまく言えなかったからだ。 | 0 |
A22=0 (PvB+=A22 B+=A22)
23ゲームショーのホストが観衆の中からあなたを選んでショーに出してくれる | PsG |
A: 私が目につきやすい席に座っていたからだ。 | 0 |
B: 私がいちばん熱心そうに見えたからだ。 | 1 |
A23=0 (PsG+=A23 G+=A23)
24パーティーでたびたびダンスに誘われる | PmG |
A: 私はいつもパーティーでは人気がある。 | 1 |
B: 私はあの晩は最高にのっていた。 | 0 |
A24=1 (PmG+=A24 G+=A24)
25配偶者(ボーイフレンド/ガールフレンド)に贈り物を買うが、気に入ってもらえない | PsB |
A: 私が心を込めて選ばなかったからだ。 | 1 |
B: あの人は好みがうるさい。 | 0 |
A25=0 (PsB+=A25 B+=A25)
26就職面接が非常にうまくいく | PmG |
A: 面接の間、とても自分に自信が持てたからだ。 | 0 |
B: 私はいつも面接ではうまくいく。 | 1 |
A26=1 (PmG+=A26 G+=A26)
27あなたのジョークにみんなが笑ってくれる | PsG |
A: ジョークがおもしろかったからだ。 | 0 |
B: 私が完璧なタイミングで言ったからだ。 | 1 |
A27=0 (PsG+=A27 G+=A27)
28十分な時間も与えられずに完成させろと言われたプロジェクトを、なんとかやりとげる | PvG |
A: 私は自分の仕事がよくできる。 | 0 |
B: 私は有能な人間だ。 | 1 |
A28=1 (PvG+=A28 G+=A28)
29このごろ体調が良くない | PmB |
A: くつろぐ暇が全然ないからだ。 | 1 |
B: 今週は特に忙しかったからだ。 | 0 |
A29=0(PmB+=A29 B+=A29)
30ダンスに誘って断られる | PsB |
A: 私がダンスが下手だからだ。 | 1 |
B: あの人はダンスが嫌いなのだ。 | 0 |
A30=0 (PsB+=A30 B+=A30)
31窒息死しそうな人を救助する | PvG |
A: 私は窒息を防ぐ方法を知っている。 | 0 |
B: 私は緊急時の対処を知っている。 | 1 |
A31=1 (PvG+=A31 G+=A31)
32恋人に少し冷却期間をおこうと言われる | PvB |
A: 私がわがまますぎたからだ。 | 1 |
B: あの人ともっと一緒にいる時間を作らなかったからだ。 | 0 |
A32=0 (PvB+=A32 B+=A32)
33友達があなたを傷つけるようなことを言う | PmB |
A: あの人はいつも他人のことを考えずに思いついたままをしゃべる。 | 1 |
B: 友達は虫の居所が悪くて、私に当たったのだ。 | 0 |
A33=1 (PmB+=A33 B+=A33)
34雇い主があなたにアドバイスを求めてくる | PvG |
A: 私は質問された分野の専門家だからだ。 | 0 |
B: 私は役に立つアドバイスをするからだ。 | 1 |
A34=1 (PvG+=A34 G+=A34)
35友達があなたに苦しいところを助けてもらったことを感謝する | PvG |
A: 困っているときに助けてあげることができるのはうれしい。 | 0 |
B: 私はいつも他人を助けてあげる。 | 1 |
A35=0 (PvG+=A35 G+=A35)
36パーティーで楽しい時を過ごす | PsG |
A: みんなが親しい雰囲気だったからだ。 | 0 |
B: 私が親しい雰囲気を作ったからだ。 | 1 |
A36=1 (PsG+=A36 G+=A36)
37医者に健康状態は良好であると言われる | PvG |
A: 私はたびたび運動するよう心がけている。 | 0 |
B: 私はいつも健康に気をつけている。 | 1 |
A37=1 (PvG+=A37 G+=A37)
38配偶者(ボーイフレンド/ガールフレンド)があなたをロマンチックな週末旅行に連れていってくれる | PmG |
A: あの人は何日間か仕事や家から離れたかったのだろう。 | 0 |
B: あの人は新しい場所を開拓するのが好きだ | 1 |
A38=1 (PmG+=A38 G+=A38)
39医者に砂糖の摂りすぎだと言われる | PsB |
A: 私は食べ物にあまり関心を払わない。 | 1 |
B: 砂糖を避けることはできない。なんにでも入っているのだから。 | 0 |
A39=0 (PsB+=A39 B+=A39)
40重要なプロジェクトの責任者になってくれるように言われる | PmG |
A: 私は同様のプロジェクトを成功させたばかりだからだ。 | 0 |
B: 私は監督として優秀だからだ。 | 1 |
A40=1 (PmG+=A40 G+=A40)
41あなたと配偶者(ボーイフレンド/ガールフレンド)はこのごろけんかが多い | PsB |
A: 私がこのごろ不機嫌でストレスを感じているせいだ。 | 1 |
B: あの人がこのごろ冷たいからだ。 | 0 |
A41=0 (PsB+=A41 B+=A41)
42スキーで何度も転ぶ | PmB |
A: スキーは難しい。 | 1 |
B: 斜面が凍っていたからだ。 | 0 |
A42=0 (PmB+=A42 B+=A42)
43あなたは権威ある賞をもらう | PvG |
A: 私が重要な問題を解決したからだ。 | 0 |
B: 私が従業員のなかでいちばん優秀だったからだ。 | 1 |
A43=0 (PvG+=A43 G+=A43)
44持ち株が最安値を記録する | PvB |
A: 私が景気の動向をよく知らなかったからだ。 | 1 |
B: 私が良い株を選ばなかったからだ。 | 0 |
A44=0 (PvB+=A44 B+=A44)
45宝くじが当たる | PsG |
A: 運が良かっただけだ。 | 0 |
B: 私がいい番号を選んだからだ。 | 1 |
A45=0 (PsG+=A45 G+=A45)
46休暇中に太ってしまって、やせられない | PmB |
A: ダイエットは結局はうまくいかないものだ。 | 1 |
B: 私がやってみたダイエットはうまくいかなかった。 | 0 |
A46=0 (PmB+=A46 B+=A46)
47入院中だが、ほとんど誰も見舞いに来てくれない | PsB |
A: 私は病気になると気分がいらいらしてしまう。 | 1 |
B: 友達はみな気が利かない。 | 0 |
A47=0 (PsB+=A7 B+=A47)
48店であなたのクレジットカードは使えないと言われる | PvB |
A: 私はもっと残高があったように思い違いをすることがあるからだ。 | 1 |
B: 私はクレジットカードの請求を払い忘れることがあるからだ。 | 0 |
A48=1 (PvB+=A48 B+=A48)
> B合計(B) G合計(G ) G-B=(G-B)
説明スタイルには永続性、普遍性、個人度の三つの重要な面がある。
永続性:すぐにあきらめる人は、自分に起こった不幸は永続的であり、悪いことは続くもので、いつまでも自分の人生に影響を与えるだろうと考えている。無力にならない人々は、不幸の原因は一時的なものだと信じている。
--永続的(悲観的) | 一時的(楽観的) |
「私はもう立ち直れない」 | 「私は疲れている」 |
「ダイエットは決してうまくいかない」 | 「ダイエットは外食するとうまくいかない」 |
「君はいつもがみがみ言う」 | 「君は私が部屋を片付けないとがみがみ言う」 |
「上司は嫌なやつだ」 | 「上司は虫の居所が悪い」 |
「君は口をきいてくれない」 | 「君は最近口をきいてくれない」 |
悪いことを〝いつも〟とか〝決して〟という言葉で考えて、いつまでも続くと思っている人は永続的、悲観的な説明スタイルの人だ。〝ときどき〟とか〝最近〟という言葉で考えて、状況を限定し、悪いことは一過性の状態であると思っている人は楽観的説明スタイルの人だ。
ここで先ほどのテストを開いてほしい。PmB(Permanent Bad/永続的な悪い出来事)の印がついている八つの項目 5, 13, 20, 21, 29, 33, 42, 46 を見てみよう。
これらの項目は、悪い出来事の原因がどれくらい永続的だと考えているかを試すもので、下に0のついているものは楽観的、1のついているものは悲観的な考えだ。例えば、配偶者の誕生日を忘れた説明として「ほかのことでいろいろ忙しかったせいだ」(質問5)ではなく「私は誕生日を覚えているのが苦手なのだ」を選んだとすれば、より永続的で悲観的なスタイルであることになる。
PmBの質問の下の数を合計し、前述の得点表のPmBの欄に書き込む。
PmB = PmB
合計が0か1であれば、あなたはこの面では非常に楽観的、
2か3はやや楽観的、
4は普通、
5か6はかなり悲観的、
7か8なら、この本の第三部の助けを借りたほうがいい。
これが、永続性がなぜそれほど重要なのか、また無力のままでいる人もいるのになぜすぐに回復する人もいるのかという、ジョン・ティーズデールの反論に対する答えである。
失敗は少なくとも一時的にはすべての人を無力にする。傷つくけれど痛みは消える。たちどころに消える人もいる。これらは0か1の得点をした人々だ。痛みが長く続く人もいる。はらわたが煮えくりかえり、いらいらし、恨みとなって固まる。7か8を取った人々だ。こういう人たちは小さな挫折のあとでも何日も何カ月も無力なままでいる。大きな敗北のあとでは決して立ち直れないかもしれない。
良い出来事に関する楽観的な説明スタイルは、悪い出来事に関する楽観的説明スタイルと正反対だ。良い出来事には永続的な理由があると考える人は、一時的な理由があると考える人よりも楽観的である。
--一時的(悲観的) | 永続的(楽観的) |
「今日はついている」 | 「私はいつもついている」 |
「私は努力する」 | 「私は才能がある」 |
「競争相手は疲れたんだ」 | 「競争相手は能力がない」 |
楽観的な人々は良い出来事を特性、能力、〝いつも〟、というような永続的な理由で説明する。ペシミストは状況、努力、ときどき、のような一時的な理由を挙げる。
質問のうちちょうど半分は「株で大もうけする」のような良い出来事に関するものだった。PmG(Permanent Good/永続的な良い出来事)の印のついた設問2、10 、14 、15 、24 、26 、38 、40 を採点してみよう。
下に1と書いてある答えは永続的で楽観的なものである。下の数を合計し、得点表のPmGの欄に書き込む。
PmG = PmG
もし合計が7か8ならば、良い出来事は続くと考えている大変なオプティミスト、
6はやや楽天的、
4か5は普通、
3はやや悲観的、
0、1、2は非常に悲観的だ。
良い出来事には永続的な理由があると信じている人々は、成功したあともさらに一生懸命努力する。良い出来事は一時的な理由によるものと思っている人は、成功はまぐれだと決めつけて、たとえうまくいってもそれ以上はやろうとしないかもしれない。
普遍性: 特定の理由によるものか、全般的な理由によるものか
永続性は時間の問題だが、普遍性は広がりを表す。
次の例を考えてみよう。大規模小売企業で経理部の半数が解雇された。そのうちの二人、ノーラとケビンはうつ状態になった。どちらも何カ月も別の職を見つける気になれず、また所得税の申告など経理の仕事を思い出すようなことは避けていた。ノーラはしかし、優しく活動的な妻ではあり続けた。これまでのような人付き合いは絶やさなかったし、健康状態も良く、週三回は体操を続けていた。反対にケビンは打ちのめされたままだった。妻や赤ん坊にも関心を払わず、毎晩くよくよ考え込んで口をきかなかった。人に会うのが耐えられないといってパーティーにも行こうとしなかった。ジョークを聞いても笑わなかった。風邪を引いて一冬中治らず、ジョギングもやめてしまった。
悩みごとがあっても、それを箱にしっかりしまい込むことによって、人生の大事な一面――仕事、恋愛関係――がうまくいっていなくても、普段どおり生きていける人がいる。一方で、すべてに傷つき、破綻する人もいる。人生の一本の糸が切れると布地全体がほどけてしまうのだ。
つまりこういうことだ。自分の失敗に対して普遍的な説明をつける人は、ある一つの分野で挫折すると、すべてをあきらめてしまう。特定の説明をする人は、人生のその分野では無力になるかもしれないが、ほかの分野ではしっかりと歩み続ける。
悪い出来事に対する普遍的な説明と特定の説明の例を挙げよう。
--普遍的(悲観的) | 特定(楽観的) |
「先生は皆不公平だ」 | 「セリグマン教授は不公平だ」 |
「不愉快だ」 | 「彼は不愉快なやつだ」 |
「本は役に立たない」 | 「この本は役に立たない」 |
ノーラとケビンは、同じように永続性の面で高い得点をした。二人ともこの点ではペシミストだ。解雇されてから両者とも長い間うつ状態にあった。しかし二人は普遍性の面では反対の得点をした。ケビンは解雇されたことで何をやってもうまくいかなくなるだろう、自分はだめな人間なのだと考えた。ノーラは悪い出来事には特定の理由があると考えた。解雇されたとき、自分は経理の才能がないのだと思った。
あなたは破滅するタイプだろうか? このテストの質問18 で、負けたのは自分がスポーツの才能がないためだ(普遍的)としたか、それともこの種目は得意ではないからだ(特定)と考えたか? PvB(Pervasiveness Bad/普遍的な悪い出来事)の印のついた質問8、16 、17 、18 、22 、32 、44 、48 を見てみよう。
下の数を足し、得点表のPvBの欄に書き込む。
PvB = PvB
合計が0か1は非常に楽観的、
2か3はやや楽観的、
4は普通、
5か6はやや悲観的、
7か8は非常に悲観的だ。
良い出来事に対する楽観的な説明スタイルは、悪い出来事に対する説明スタイルとは正反対である。オプティミストは悪い出来事には特定の原因があると考え、一方で良い出来事は自分のやることすべてに有利な影響を与えると信じる。ペシミストは悪い出来事には普遍的な原因があり、良い出来事は特定の原因で起きると考える。元の会社から臨時の再雇用の知らせが来たとき、ノーラは「やっと私なしではやっていけないことが分かったのね」と思った。同じ通知を受けたケビンは「よっぽど人手不足なんだな」と思った。
---特定(悲観的) | 普遍的(楽観的) |
「私は数学がよくできる」 | 「私はよくできる」 |
「私の仲買人は石油株を知っている」 | 「私の仲買人はウォール街を知っている」 |
「私は彼女に受けが良かった」 | 「私は受けが良かった」 |
良い出来事がどれほど普遍的だと考えているか、楽観度を採点してみよう。PvG(Pervasiveness Good/普遍的な良い出来事)と書かれた質問6、7、28 、31 、34 、35 、37 、43 を見てほしい。
PvG = PvG
下に0と書かれた質問は悲観的(特定)だ。
質問35 で助けてあげた友達に感謝されたとき、あなたはどう答えただろう? 「困っているときに助けてあげることができるのはうれしい」(特定で悲観的)か、それとも「私はいつも他人を助けてあげる」(普遍的で楽観的)だったか?
得点を合計し、PvGの欄に書き込む。
7か8は非常に楽観的、
6はやや楽観的、
4か5は普通、
3はやや悲観的、
0、1、2は非常に悲観的だ。
希望は何でできているか
これまで、希望をもたらすのはほとんどテレビ伝道師、政治家、広告業者の活動領域であった。だが説明スタイルの概念を導入することによって、希望は実験室に持ち込んで科学者がその仕組みを分析することができるものになった。
私たちが希望を持っているかどうかは、説明スタイルの二つの側面、普遍性と永続性にかかっている。不幸な出来事に一時的で特定の原因を見つけるのは希望のなせる業だ。原因が一時的であると考えることによって、無力状態を時間的に制限できるし、特定の原因によるものと思えば、無力さをその状況のときだけに限定できる。反対に、永続的な原因だとみなせばずっと将来にまで無力状態は続き、普遍的な原因だと思えば何をやってもだめだということになる。不運な出来事に永続的で普遍的な原因を見つけるのは絶望のもとだ。
--希望がない | 大いに希望がある |
「私はばかだ」 | 「私は二日酔いだ」 |
「男は暴君だ」 | 「夫は虫の居所が悪かった」 |
「このしこりがガンである確率は五割だ」 | 「このしこりがなんでもない確率は五割だ」 |
HoB = HoB
このテストの中でもっとも重要な点数は希望点(HoB)だろう。PmBの合計をPvBの合計に加算したものが、不幸な出来事に出会ったときの希望点である。
もし、0、1、2であれば非常に希望度が高い。
3、4、5、6はやや希望度が高い。
7、8は普通。
9、10 、11 はやや希望度が低い。
12 、13 、14 、15 、16 は非常に希望度が低い。
トラブルに際して永続的で普遍的な説明をする人は、長期間広い範囲にわたってプレッシャーにつぶされてしまう傾向が強い。
希望点ほど重要な要素はないと言える。
個人度: 内向的説明をするか、外向的説明をするか
説明スタイルには個人度というもう一つの観点がある。
私は以前なんでも私のせいにする女性と住んでいた。レストランの食事がまずいのも、飛行機が遅れたのも、ドライクリーニングに出した自分のズボンの折り目がきちんとついていないのさえ私のせいにした。ある日ヘアドライヤーがうまく動かないといってどなられた私は頭にきて言った。「君ほど悪いことを人のせいにする女は見たことがないよ」「そうよ。それもあなたが悪いのよ!」
悪いことが起こったとき、私たちは自分を責める(内向的)か、ほかの人や状況を責める(外向的)。失敗したときに自分を責める人は結果的に自分を低く評価することになる。自分は価値も才能もなく、誰にも愛されない人間だと思う。外的な要因を責める人は悪いことが起こっても自尊心を失わない。一般的にこのような人々は、自分を責める人々よりも自分のことが好きである。
低い自己評価は普通悪いことが起きたときに内向的説明をすることによって起きる。
--内向的(低い自尊心) | 外向的(高い自尊心) |
「私はばかだ」 | 「お前はばかだ」 |
「私にはポーカーの才能がない」 | 「私はポーカーでついていない」 |
「私は安定性に欠ける人間だ」 | 「私は貧乏な境遇で育った」 |
質問の3、9、19 、25 、30 、39 、41 、47 のPsB、(Personalization Bad/悪い出来事の個人度)の得点を見てみよう。
PsB = PsB
1と書いてある答えは悲観的(内向的、個人的)なものだ。得点を合計し、PsBの欄に書き入れる。
0か1は非常に高い自尊心を表す。
2か3はやや高い自尊心を表す。
4は普通。
5か6はやや低い自尊心を表す。
7か8は非常に低い自尊心を表す。
合計の前にもう一度言っておくが、良い出来事に出会ったときの楽観的説明スタイルは、悪い出来事に出会ったときの逆、つまり外向的ではなく、内向的だ。自分が良い出来事を招いたのだと信じている人は、ほかの人や状況が良い結果をもたらしたのだと信じる人よりも自分自身を好ましく思っている傾向がある。
--外向的(悲観的) | 内向的(楽観的) |
「偶然幸運にめぐまれた」 | 「私は幸運を逃さない」 |
「チームメートの技がさえていた……」 | 「私の技がさえていた……」 |
最後はPsG(Personalization Good/良い出来事の個人度)で、これに関する質問は1、4、11 、12 、23 、27 、36 、45 である。
0と書いてある答えは外向的で悲観的、1と書いてある答えは内向的で楽観的だ。
PsGの項目に得点の合計を書き込む。
PsG = PsG
7と8は非常に楽観的。
6はやや楽観的。
4と5は普通。
3はやや悲観的。
0、1、2は非常に悲観的。
全得点が出揃ったところで集計に入る。
まず三つのBを足す(PmB+PvB+PsB)。これがB(悪い出来事)の合計点。
次に三つのGを足す(PmG+PvG+PsG)。これがG(良い出来事)の合計点。
GからBを引く(G-B)。これが最終得点である。
これらの得点の意味するところは次のようになる。
B = B
Bの合計点が3から5であれば、すばらしく楽観的で、「変身」の章は必要ない。
6から9であれば、やや楽観的。
10 と11 は普通。
12 から14 はやや悲観的。
15 以上ならば、絶対に変身が必要。
G = G
Gの合計点が20 以上ならば、良い出来事を非常に楽観的に考えていることになる。
17 から19 であればやや楽観的。
14 から16 は普通。
11 から13 はかなり悲観的であることを表し、
10 以下は非常に悲観的であることを示している。
G-B = G-B
最後にG-Bの値が9以上ならば、全般的に非常に楽観的だ。
6から8はやや楽観的。
3から5は普通。
1と2はやや悲観的。
0以下は非常に悲観的である。
責任についてのひと言
楽観主義の習得には数々のメリットがあるのだが、危険もある。うつ状態をできるだけ短くするために時間と状況を限定するのはよい。それで回復が早まるのならけっこうだ。しかし、他人に責任をなすりつけるのはいかがなものだろう。
私たちは当然、誰もが自分のしたことには自分で責任を持つことを期待する。心理学の学説の中には、個人の責任逃れに手を貸して、社会に害を与えたものもある。例えば悪行は精神異常という間違ったレッテルを張られ、マナーの悪さは神経症のせいにされ、〝治療で治った〟患者は個人的にそうしたくないからという理由で家族に対する義務から逃れようとすることなどがある。ここで疑問となるのは、失敗に対する考え方を内向的から外向的に変えることが(「自分が悪いのではない……運が悪かったのだ」)、責任感を弱めることになるだろうかということだ。
責任逃れを助長するようなやり方を提唱するのは私の本意ではない。なんでもかんでも内向的から外向的思考に変更することはないと思う。しかし、確実にこれをやるべき状況もある。それは、うつ病のときだ。次の章で述べるように、うつ病の人は必要以上に自分で責任を背負い込むことが多いのだ。
さらにもっと深い問題もある。そもそも人はなぜ自分の失敗の責任を取るべきなのか、ということだ。その答えは、自分の悪い点は改めるべきだからだ。もし責任を問わなければ誰も変わらないだろう。人が変わるためには、内向性はさほど重要ではない。大事なのは永続性だ。もし失敗の原因が永続的なもの――愚かさ、才能のなさ、醜さ――だと思っていれば、変えるための行動を起こす気にはならない。しかし、原因が一時的なもの――意欲のなさ、努力不足、太りすぎ――だと信じれば、変える努力ができる。
もし自分がペシミストだったら
もし自分の説明スタイルが悲観的だと分かったら、これは大きな問題だ。点数が悪かった人は、四つの分野でトラブルに出会うだろう(あるいはすでに出会っているかもしれない)。
第一に次の章で分かるように、うつ状態になりやすい。第二に、恐らく才能以下の業績しか上げていないと思われる。第三に健康状態は(免疫機能も)十分ではないだろうし、これから年を取るにつれてさらに悪化する可能性がある。最後に、楽しくあるべきはずの人生があまり楽しくない。悲観的な説明スタイルはみじめなものだ。
もし悲観度が普通の範囲内であれば、普段は別に問題にならないはずだ。しかし、人生では誰もが危機にひんすることがあり、そのときは必要以上に苦しむことになるかもしれない。株が下がったり、愛する人に拒絶されたり、希望していた職に就けなかったとき、どんな反応をするだろうか。次の章に示すように、きっととても悲しくなるだろう。人生に興味を失い、何も始める気になれず、将来に希望も持てなくなる。この状態が何週間も、あるいは何カ月も続くかもしれない。多くの人は、すでに何回かこのような気持ちを経験したことがあるのではないだろうか。これは非常によくある現象なので、教科書にも正常な反応だと書いてある。
トラブルに打ちひしがれている状態がよくあることだからといって、これでいいというわけでも、人生がこうでなければならないわけでもない。もし違う説明スタイルを取れば、困難な状況にももっとうまく対処できるし、そのためにうつ状態に追い込まれることもなくなるのだ。
新しい説明スタイルの利点はそれだけではない。平均的な悲観度の人は、本来持っている才能よりもやや低いレベルで人生を送っていることになる。第6章、8章、9章で分かるように、標準的な程度の悲観主義でも学校、職場、スポーツの場での成績を引き下げることがあるからだ。第10 章では普通の悲観度の人でさえ、そのために平均以下の健康状態しか保てないことがあるという例を示した。生活習慣病に必要以上に早くかかったり、症状が重くなったりするかもしれない。免疫機能も低下して感染症にかかりやすくなり、回復にも時間がかかることもある。
もし第12 章のテクニックを身につければ、日常の楽観度を上げることができ、人生によくある通常の挫折にももっと肯定的に対処できるようになるし、大きな失敗からも以前よりもずっと早く立ち直れるようになる。職場でも学校でもスポーツでももっと良い成績を上げられるようになり、長い目で見れば健康状態も良くなるのだ。