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『神曲』を読む・地獄篇・第五曲


>斯く我は第一の獄より第二の獄に下れり、是は彼よりをさむる地少なく苦患ははるかに大いにして突いて叫喚を擧げしむ 一―三
第二階層へ
螺旋状だから、狭くなっていくのかイタロー
そしてより酷薄に……
第一でも恐れをなしていたダンテさん、果たして大丈夫だろうかcFQ2f7LRuLYP

> こゝにミノス恐ろしきさまにて立ち、齒をかみあはせ、入る者あれば罪業を糺し刑罰を定め身を卷きて送る 四―六
地獄の鬼的な人か >ミノスイタロー
ミノス(皆さんご存知)cFQ2f7LRuLYP
身を巻きてってことは拘束するってことだろうか
kowaicFQ2f7LRuLYP

> すなはち幸なく世に出でし魂その前に來れば一切を告白し、罪を定むる者は 七―九
閻魔様感イタロー

> 地獄の何處のこれに適しきやをはかり、送らむとする獄の數にしたがひ尾をもて幾度も身をめぐらしむ 一〇―一二
おっかない組分け帽子的存在なわけかcFQ2f7LRuLYP
> 彼の前には常に多くの者の立つあり、かはる/″\出でゝ審判をうけ、陳べ、聞きて後下に投げらる 一三―一五
ワンオペだから混んでいるのか?cFQ2f7LRuLYP
聞きて後下に投げらる
ここに来ている以上はもうどんな雑な扱いをされてもどうしようもないんだなあcFQ2f7LRuLYP
> ミノス我を見し時、かく重き任務を棄てゝ我にいひけるは、憂ひの客舍に來れる者よ 一六―一八
忙しい仕事なのにわざわざ手を止めて話してくれるミノス氏cFQ2f7LRuLYP
ここは憂いの客舎
> 汝みだりに入るなかれ、身を何者に委ぬるや思ひ見よ、入口ひろきによりて欺かるるなかれ、わが導者彼に、汝何ぞまた叫ぶや 一九―二一
ミノス「みだりに入っちゃいけませんよ、誰に案内されて来たんです、入り口が広いんですから間違えちゃいけませんよ」
丁寧語訳cFQ2f7LRuLYP
ウェルギリウス先生も「なんでそんな叫ぶんです?」と反駁
> 彼定命に從ひてゆく、之を妨ぐる勿れ、思ひ定めたる事を凡て行ふ能力あるところにてかく思ひ定められしなり、汝また問ふこと勿れ 二二―二四
彼定命に從ひてゆく、之を妨ぐる勿れ
ウェルギリウス→ミノスへの返答と理解cFQ2f7LRuLYP
定命に從ひてゆくってのはなんだろうcFQ2f7LRuLYP
死んだ人に従っているのではない、ということ?
思ひ定めたる事を凡て行ふ能力あるところにてかく思ひ定められしなり、汝また問ふこと勿れ
ちゃんと分別を持って思い定めてきてるんですからもう言わないでください

> 苦患の調はこの時あらたに我にきこゆ、我はこの時多くの歎聲の我を打つところにいたれり 二五―二七
このタイミングでまた苦悶の声がダンテさんに聞こえるcFQ2f7LRuLYP
嘆声が聞こえる!

> わがいたれる處には一切の光默し、その鳴ることたとへば異なる風に攻められ波たちさわぐ海の如し 二八―三〇
場所描写
光がない!cFQ2f7LRuLYP
風が至るところから吹いて波が立ち騒ぐ海のようである
荒れ模様だcFQ2f7LRuLYP

> 小止なき地獄の烈風吹き荒れて魂を漂はし、旋りまた打ちてかれらをなやましむ 三一―三三
烈風が吹き荒れ、魂を漂わせて打つ
旋り...めぐり。まわる、かえる、まがる。

> かれら荒ぶる勢ひにあたれば、そこに叫びあり、憂ひあり、歎きあり、また神の權能を誹る言あり 三四―三六
この風に当たると魂たちは苦しくて叫んだり憂いたり嘆いたり神の権能を謗ったりしちゃう
そうとう強い風なんだろうなcFQ2f7LRuLYP
> 我はさとりぬ、かゝる苛責の罰をうくるは、理性を慾の役となせし肉の罪人なることを 三七―三九
ダンテくん理解が進む
理性の欲を持つ人達がここにいるらしい?cFQ2f7LRuLYP


> たとへば寒き時椋鳥翼に支へられ、大いなる隙なき群をつくりて浮び漂ふごとく、風惡靈を漂はし 四〇―四二
こういうとこのたとえ見事だなーcFQ2f7LRuLYP

> こゝまたかしこ下また上に吹送り、身をやすめまたは痛みをかろむべき望みのその心を慰むることたえてなし 四三―四五
ぜんぜん身を休める風が無い、心がなぐさまらない

> またたとへば群鶴の一線長く空に劃し、哀歌をうたひつゝゆくごとく、我は哀愁の聲をあげ 四六―
鶴が悲しい歌を歌うって、swan songのことなのかなcFQ2f7LRuLYP

> かの暴風に負はれて來る魂を見き、すなはちいふ、師よ、黒き風にかく懲さるゝ此等の民は誰なりや ―五一
ウェルギリウス先生、あの民は一体!?
なんでもしってる先生cFQ2f7LRuLYP
> この時彼我にいふ、汝が知るをねがふこれらの者のうち最初なるは多くの語の皇后なりき 五二―五四
皇后らしい
ここから皇后ラッシュ

> かれ淫慾の非に耽り、おのが招ける汚辱を免かれんため律法をたてゝ快樂を囘護へり 五五―五七
淫欲の罪に問われている

> かれはセミラミスなり、書にかれニーノの後を承く、即ちその妻なる者なりきといへるは是なり、かれはソルダンの治むる地をその領とせり 五八―六〇
> 次は戀のために身を殺しシケーオの灰にむかひてその操を破れるもの、次は淫婦クレオパトラースなり 六一―六三
> エレーナを見よ、長き禍ひの時めぐり來れるもかれのためなりき、また戀と戰ひて身ををへし大いなるアキルレを見よ 六四―六六
> 見よパリスを、トリスターノを、かくいひてかれ千餘の魂の戀にわが世を逐はれし者を我にみせ、指さして名を告げぬ 六七―六九
> わが師かく古の淑女騎士の名を告ぐるをきける時、我は憐みにとらはれ、わが神氣絶えいるばかりになりぬ 七〇―七二
> 我曰ふ、詩人よ、願はくはわれかのふたりに物言はん、彼等相連れてゆき、いと輕く風に乘るに似たり 七三―七五
> かれ我に、かれらのなほ我等に近づく時をみさだめ、彼等を導く戀によりて請ふべし、さらば來らむ 七六―七八
> 風彼等をこなたに靡かしゝとき、われはたゞちに聲をいだして、あはれなやめる魂等よ、彼もし拒まずば來りて我等に物言へといふ 七九―八一
> たとへば鳩の、願ひに誘はれ、そのつよき翼をたかめ、おのが意に身を負はせて空をわたり、たのしき巣にむかふが如く 八二―八四
> 情ある叫びの力つよければ、かれらはディドの群を離れ魔性の空をわたりて我等にむかへり 八五―八七
> あゝやさしく心あたゝかく、世を紅に染めし我等をもかへりみ、暗闇の空をわけつつゆく人よ 八八―九〇
> 汝我等の大いなる禍ひをあはれむにより、宇宙の王若し友ならば、汝のためにわれら平和をいのらんものを 九一―九三
> すべて汝が聞きまたかたらんとおもふことは我等汝等にきゝまた語らむ、風かく我等のために默す間に 九四―九六
> わが生れし邑は海のほとり、ポーその從者らと平和を求めてくだるところにあり 九七―九九
> いちはやく雅心をとらふる戀は、美しきわが身によりて彼を捉へき、かくてわれこの身を奪はる、そのさまおもふだにくるし 一〇〇―一〇二
> 戀しき人に戀せしめではやまざる戀は、彼の慕はしきによりていと強く我をとらへき、されば見給ふ如く今猶我を棄つることなし 一〇三―一〇五
> 戀は我等を一の死にみちびきぬ、我等の生命を斷てる者をばカイーナ待つなり、これらの語を彼等われらに送りき 一〇六―一〇八
> 苦しめる魂等のかくかたるをきゝし時、我はたゞちに顏をたれ、ながく擧ぐるをえざりしかば詩人われに何を思ふやといふ 一〇九―一一一
> 答ふるにおよびて我曰ひけるは、あはれ幾許の樂しき思ひ、いかに切なる願ひによりてかれらこの憂ひの路にみちびかれけん 一一二―一一四
> かくてまた身をめぐらしてかれらにむかひ、語りて曰ひけるは、フランチェスカよ、我は汝の苛責を悲しみかつ憐みて泣くにいたれり 一一五―一一七
> されど我に告げよ、うれしき大息たえぬころ、何によりいかなるさまにていまだひそめる胸の思ひを戀ぞと知れる 一一八―一二〇
> かれ我に、幸なくて幸ありし日をしのぶよりなほ大いなる苦患なし、こは汝の師しりたまふ 一二一―一二三
> されど汝かくふかく戀の初根をしるをねがはゞ、我は語らむ、泣きつゝかたる人のごとくに 一二四―一二六
> われら一日こゝろやりとて戀にとらはれしランチャロットの物語を讀みぬ、ほかに人なくまたおそるゝこともなかりき 一二七―一二九
> 書はしば/\われらの目を唆かし色を顏よりとりされり、されど我等を從へしはその一節にすぎざりき 一三〇―一三二
> かの憧るゝ微笑がかゝる戀人の接吻をうけしを讀むにいたれる時、いつにいたるも我とはなるゝことなきこの者 一三三―一三五
> うちふるひつゝわが口にくちづけしぬ、ガレオットなりけり書も作者も、かの日我等またその先を讀まざりき 一三六―一三八
> 一の魂かくかたるうち、一はいたく泣きたれば、我はあはれみのあまり、死に臨めるごとく喪神し 一三九―一四一
> 死體の倒るゝごとくたふれき 一四二―一四四