価値とは見出されるものである
倉下 忠憲(@rashita2)
価値がないと思われていたものに、あとから価値が見出されることがある。
たとえば、
大伴家持の春愁三首
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> 春の野に霞たなびきうらがなしこの夕かげにうぐひす鳴くも〔巻十九・四二九〇〕
> わが宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕べかも〔巻十九・四二九一〕
>うらうらに照れる春日に雲雀あがり情(こころ)悲しも独りしおもへば 〔巻十九・四二九二〕
今でこそ
「屈指の名歌」ともいわれるが、名だたる歌人・国学者でも、この歌を省みてこなかった。
リンク先はネットで検索したら出たものです(すごく権威のある人、というわけではない)
官人として晩年まで不遇で、死後謀反事件に連座したことも、少なからず平安期の評価に影響していたらしい。
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勉強になります。
いつから評価されるようになったのか、その零度はたどれていないが、すくなくとも昭和13年(1938)発刊の斎藤茂吉『万葉秀歌』には、秀歌として撰ばれている。
ゴッホの絵もそうですね
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バッハも
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「価値がない」と思われていたわけではなくとも、忘れられてしまったために価値が見出される機会が失われていた。
メンデルスゾーンが「マタイ受難曲」を復活させたことで数多の人々に価値が見出されるように。
なるほど
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今価値がある/ないと思っていることでも、後の世になれば、価値が変化するかもしれない
エジソンのアイデアノート