高等学校 家庭基礎 人生100年時代 長生きの準備を始めよう
日本大学三島高等学校・中学校 長坂綾子
授業のねらい
超高齢社会、長生きする時代です。85歳を迎える時、自分と家族がどんな生活を送っていたいか想像し、そのための準備を考える授業です。70年後の未来はなかなかイメージしにくいものですが、高齢者へのインタビューやグループで家族の状況を話し合う時間も取りました。各年代ごとの自分と家族の状況、社会保障制度(公的保険等)についても復習できる内容にしました。高齢期の準備は高齢期を迎えてからでは遅く(間に合わない)、食生活や運動習慣といった健康のための生活習慣の確立等、すぐに始められることもあります。リスクに備える保険は若いうちか納付する義務があることも確認、人生設計の中に高齢期の準備として「すべきこと」をまとめます。人生100年時代だからこそ、どのように生きていくか見通しをつけさせる授業です。
展開1
平均寿命まで生きることを前提に自分と家族のライフイベントを考える。シンキングツールは自作ですが、〇年後の自分と家族の年齢がわかるように作成します。それによって家族それぞれのライフイベントを把握しやすくします。
展開2
身近な高齢者にインタビューをしたり、グループで高齢者にあたる家族の状況を話し合ったりして、高齢期の生活を想像する。くらげチャートを用いて、85歳の希望(理想)とする生活をまとめます。
展開3
展開2で考えた生活を実現するために必要なことと、そのために実践することを考えます。くまでチャートを用いてシンプルに捉えやすくします。その後、3重のベン図にツールを切り替え「そのためにすべきこと」を分類し、自分だけではかなわないことが多いことに気づかせたいと思います。復習として、年金の給付、介護保険の利用はどこに入るか考えさせます。
展開4
グループになり、相互発表をします。クラスメイトの発表を聞き、色々な生き方や高齢期の備え(方法)があることを知ります。発表だけでなく、「このような場合はどうするのか?」など質問しあう時間にします。
展開5
相互発表により気づいたことがあれば、くまでチャートに追加させます。
展開6① 情報分析チャートを用いて、まとめをさせます。
事実 平均寿命の延びにより長生きする(85歳まで生きる)
予想(高齢期の自分) 展開2で考えた85歳の理想の自分(くらげチャート)
展開6②
対策・実践
展開3で考えた「理想とする85歳の生活を叶えるために必要なこと・すべきこと(くまでチャート)」と「何によって叶えるか(3重のベン図)」を置くことで、再確認させます。
展開6③
まとめ
①展開5で考えた準備内容はいつから始められるかを考えさせ、くまでチャートに開始時期を追加させます。健康のための生活習慣など、すぐに始められることもあることまた、公的保険の納付などは若いうちから始まること、高齢期を迎えてからだと間に合わないこともあることに気づかせます。
②展開1でまとめたライフプランの「高齢期の準備」欄に年代ごとにすべきことを書き入れさせます。
展開6④
情報分析チャートをまとめることで、自分の思い描く85歳とするための準備や対策、これから生きていく上で、いつどのような準備をする必要があるか見通しを立てさせます。