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高校 理科 生物基礎 【臓器提供意思表示カード】

札幌日本大学中学校高等学校 村山 一将
「恒常性」に関わる学習を知識で終わらせず自分事にするために,「臓器提供」について考えていく授業です。

シンキングツール使用のポイント
「臓器提供」に対する賛否を多面的に考えるために「バタフライチャート」を用い,そこから「意思決定」に関わる最上位の根拠を選ぶために「ピラミッドチャート」に切り替えます。

題材についてのポイント
「臓器提供意思表示カード」に記入することが目的ではなく,最終的に「自分だけで安易に決められることではない」と気づくことが「ねらい」です。
「自分の意思決定」に「他者」の視点が加わることによって,より高次(メタ)から物事を考えるように促します。

授業全体の流れ
 


STEP1 話題提供
「臓器提供意思表示カード」の紹介と,記入項目についての解説をします。
カードに記載されている「脳死」「心臓死」について調べ学習をし,「ベン図」に整理します。
 

STEP2 知識整理・構造化
「意思表示カード」に示されている「心臓」「肝臓」「腎臓」(例として「眼球」は教員が作成)について,これまでに学んだ内容を「くま手チャート」に整理します。「構造」「サイズ」「機能」「成分」など多次元で自由にまとめます。

STEP3 意思決定
「意思表示カード」のホームページなどを参照しながら,「バタフライチャート」を使って臓器提供に関する賛否を多面的に考えます。
ある程度,賛否の根拠がまとまったら,ツールを「ピラミッドチャート」に切り替えて,「最上位の根拠」とともに自分としての賛否,つまり「臓器提供に対する意思表示」をします。
 

STEP4 異なる視点
自分自身の臓器提供に関する意思表示をしたところで,自分の「大切な人」を思い浮かべて,その人に「選んでほしい番号」を理由とともに考えます。
考えた結果を「キャンディチャート」に整理します。
ここで,「自分の選んだ番号」と大切な人①・②に選んでほしい番号(自分が選べるとしたら…?)にズレがないかを確認します。ズレがあってもなくても,「自分の選択」と「他者の選択」では,自分の中での捉え方が異なることに気づきます。

STEP5 シェアリング
STEP4の「キャンディチャート」の内容と,それを作成しての「気づき」をグループ・全体でシェアします。

STEP6 リフレクション
「PMI」を用いて,自由リフレクションを行います。