高校 地理【ヨーロッパの工業】
中央大学附属中学校・高等学校 地歴科(地理) 齋藤 晃
展開1:工業都市の背景を探ろう
1.工業都市を挙げてみよう
ウェビングでヨーロッパの工業都市を自由に挙げさせてみる
2.工業都市を調べてみよう
挙げられた工業都市の特徴をデータチャートでまとめてみる
・いつごろどんな工業が起こったのか?
・工業化の要因は?
・立地はどのタイプ?
・複数の工業が盛んな場合は、業種ごとにまとめる。
この過程の中で都市の歴史や工業化の背景などについて
多くのことを理解することができる
◎1人一都市を挙げてその都市の歴史や背景についてまとめさせる
3.鉄鋼業に着目して、項目ごとにまとめてみよう
【いつ頃工業化が?】
鉄鋼業が盛んであるとして挙げられた都市の歴史を座標軸を用いて並べてみる
正確な年号などはわからなくても、大体の感覚で並べてみよう
産業革命期やルール工業地帯をベースに栄えた都市から、
資源の枯渇やエネルギー革命を経て新しく鉄鋼業が起こった都市まで
都市を視点にヨーロッパの鉄鋼業の変遷(流れ)が理解できれば大成功である
【工業化の要因は?】
鉄鋼業の起こる都市の背景を理解する
【立地のタイプは?】
伝統的な原料立地型および、原材料を輸入にたよる港湾立地型とに分類されるであろう
4.まとめ
工業の起こった時期を挙げることで、工業発展史・工業の変遷というような見方が可能になるのではないか。また、工業化の要因、工業立地のタイプをみることで、その業種の特徴を挙げることができる。ここでは鉄鋼業を見てみたが、同様に石油化学やその他の工業についてまとめ、比較させることにより、それぞれの工業の特徴を気づかせることができるだろう。
展開2:将来工業の発達する地域を予測する
(工場をつくるなら何処につくろう?)
1.工業化の要因を挙げる
前回まとめたデータチャートから工業化の要因を整理してみる
2.要因の整理
これらの要因がどのように工業化にかかわってきたのかを再確認
3.これから工場をつくろうとしたらどの要素が重要?
自分の考えている工場にとって最も必要な要素は何だろう?
ダイヤモンド・ランキングで順位づけをしてみよう
4.さらに必要なデータは?
失業率・教育水準・GDPなど参考にしたいデータをEUROSTATから入手
【失業率2017】
イギリスドイツは失業率が低いのに対し、フランス、ベルギーは高い。
ハンガリーのブタペスト、ブルガリアのソフィア、リトアニアのビリニュスは失業率が低いことがわかる。
【住民一人当たりの国内総生産(ユーロ)2017】
東欧が一般的に低い値を示す
5.どこに工場を作るか!!
このようなデータを元に、どの都市にどのような工場を作るか
未来のヨーロッパを想像してみては如何だろうか。