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小学校国語3年 【ちいちゃんのかげおくり】登場人物の気持ちの変化を読み取ろう
中西隆英 

シンキングツール使用のポイント 
それぞれの場面で表情カードと感情の輪を活用する。
気持ちの読み取りを可視化させることで、理解を深める。

題材についてのポイント 
教材である「ちいちゃんのかげおくり」は、戦争をテーマにした物語である。終戦後75年の年月が過ぎ、語り部的に話を聞いている子どもは少なくなっており、時代背景が分からずにいる子どもが多いと思われる。そこで、子どもたちがちいちゃんの気持ちを読み取る前に、まず、自分の気持ちを可視化させることで、次時の活動に生かしていきたい。

全体の指導計画 

授業展開
導入 この物語をはじめに読んでどんな気持ちになりましたか。
8つの感情で強く感じたところは、表情カードを外側に動かし、気持ちの強さを視覚化させ表現させる。

ダイアモンドランキングで、自分が最も強く感じている気持ちを考え、並び替えることで可視化させる。  

展開 それぞれの場面のちいちゃんの気持ちを考えよう。
それぞれの場面で自分の気持ちとちいちゃんの気持ちをダイアモンドランキングで表し、可視化することで気持ちの変化に気付かせたい。
第1場面  かげおくりしたちいちゃん
第2場面  空襲で家族とはぐれたちいちゃん
第3場面  防空壕の中、一人で家族を待つちいちゃん
第4場面  死ぬことでしか家族に会えなかったちいちゃん
第5場面  ちいちゃんの命が消えた場所で遊ぶ子どもたち

ちいちゃんの気持ちを考える時に、気になった表現をクラゲチャートに書き込み、ちいちゃんへの理解を深めさせたい。

まとめ ちいちゃんが「かげおくり」している時の気持ちを考えよう。
初めと話の途中、そして、最後にする「かげおくり」の場面を比較しながら、幼いながら厳しい環境の中で生きてきたちいちゃんの境遇を理解する。 

発展1 この話を読んでどんな気持ちになりましたか。
この物語を読んで、初めて読んだ時の気持ちとの変化に気づかせる。
ちいちゃんの置かれた境遇と気持ちの変化を時系列に見ながら振り返り、座標軸に表してみる。 

この物語で一番気持ちの大きく動いたところはどこか、プロット図で表してみる。
(物語の山場はどこか気付かせたいが、子どもたちの感想を大切にしたいので、ここでは山場ということは、あえて使わずに取り組ませたい。)

発展2 ちいちゃんに手紙を書こう。
子どもたちが手紙を書くことで、それぞれに心に残ったちいちゃんが、生きてきた時代を理解し、生命を尊ぶと共に平和を願い生きていることへの感謝の思いを育みたい。