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小学校 理科 6年 【地球に生きる】
三重県 松阪市子ども支援研究センター 中野 元喜

シンキングツール使用のポイント
「人と環境の関わり」や「環境問題を解決するための社会の取組」について調べたことを整理し、社会の一員として、今自分にできることをさまざまな面から考え、まとめ、伝えられるようになります。

(単元目標)
人の生活について、環境との関わり方の工夫に着目して、それらを多面的に調べる活動を通して、人と環境の関わりについての理解を図り、調査などに関する技能を身に付けるとともに、主により妥当な考えをつくり出す力や生命を尊重する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

題材についてのポイント
地球環境をテーマに、「人が地球でくらし続けるために自分たちにできることは何だろう。」を大きな問として学習を進めていきます。環境問題は人のくらしが影響していること、その問題に対する社会の取組を調べながら、知識としてだけでなく、本当に今実行できることを小学6年生の視点から考えていきます。地球を大切にしながらくらしていこうとする態度を高めていく、小学校理科の最後の単元です。

授業全体の流れ


STEP1 
人の環境の関わりを理解する(全2時間)
①導入「人と環境の関わり」(1時間)
地球について学んできたことを振り返りながら、情報を整理することで人と環境の関わりを理解します。

1年間の学習を振り返って改めて地球を見てみると

地球の写真を見ながら学習を振り返ります

ウェビングで出した考えをXチャートで4観点にまとめていきます。

人と環境にはどのような関わりがあるのか

4観点で人と環境がどのように関わっているのかをくまでチャートでまとめていきます。
例:水と私たちの関わり

例:空気と私たちの関わり

②展開1「人と環境との関わりとえいきょう」(1時間)
「水」「空気」「自然(他の生き物)」「地球の活動」の4観点から環境問題をまとめ、それぞれの問題には自分たちのくらしがどのように影響しているのかを理解し、「どうしたら解決できるか」という視点を持てるようにします。

環境問題
4観点で環境問題をまとめます。

私たちのくらしは環境にどのように影響をおよぼしているだろうか
キャンディチャートを活用して、環境問題と自分たちのくらしがどのようにえいきょうしているかをまとめます。

ここで単元の大きな問「人が地球でくらし続けるために自分たちにできることは何だろう。」を出し、それを決めて実行していくための学びを進めていきます。

STEP2 
環境問題を解決するための社会の取組を調べる(全2時間)
③展開2「環境を守るための人々の工夫や努力」(1時間)
環境を守るために行われている人々の工夫や努力、社会の取組を3観点で調べ、まとめます。

④展開3「火山の変化や地震、台風や洪水などによって受ける影響を小さくするための取組」(1時間)
環境の大きな変化によって受ける影響を小さくするための人々の取組を3観点で調べ、まとめます。

STEP3 
人が地球でくらし続けるために今自分にできることを考える(全2時間)
⑤展開4(ピーク)「人が地球でくらし続けるために、自分たちでできること」(2時間)
人が地球でくらし続けるために今自分にできることを考え、行動宣言としてまとめ、グループで交流します。
#座標軸 #同心円チャート + PSAシート

展開3までで学習してきたことや調べたことを座標軸に並べ、「今すぐに」「自分でできること」を見つけていきます。
(座標軸左下の項目を使ってこの後につないでいきますが、他の部分については最後のまとめの新聞作りで活用していきます。)

見つけたことから問題と解決法、そして自分の行動をまとめるPSAシートにまとめていきます。
例:地球温暖化を防ごうとするAさんの考え

例:海のゴミ問題と海洋生物への悪影響を防ごうとするBさんの考え

それぞれの考えたことをグループで交流し、1人ひとりの行動が関わり合って、継続していくことにより、さまざまな環境問題が解決されていくことに気付く。
PSAシートで考えたmy Actionを中心の円に、Solutionを2番目の円に、そしてProblemを問題解決に変えて並べていきます。同じものはまとめて、自分の行動と解決法と問題解決を線でつなぐだけでなく、1つの行動や解決法が他の問題解決につながっていきそうならそちらも線でつないでいきます。

STEP4 
まとめ(全4時間)
⑥まとめ自分の行動と社会の取組のつながりを理解し、行動を継続していくことの大切さに気付き、自分の考えをまとめる。
(3時間)

SDGsの取組を知り、自分たちが決めた行動との関わりを考える。
SDGsのよりよい世界をつくるための17の目標を知り、前回で自分たちが作った同心円チャートの外側に並べ、自分たちの考えと関係しているカードを赤い線でつないできます。ここで自分たちと社会の取組のつながりを理解し、社会の一員として、行動を継続していくことの大切さに気付いていきます。

改めて自分のPSAシートに戻り、最終的な行動宣言として、PSAシートを完成させます。

取り上げる環境問題のこと(自分たちのくらしがどのように影響して環境問題が起こっているか)や環境問題を解決するために自分が取ろうとしている行動、さらに読む人にともに行動していくことを訴えかける内容で新聞を作っていきます。新聞を作るために情報を整理する手段としてフィッシュボーン図を活用します。

⑦リフレクション(1時間)
最終的に新聞を紹介して新聞を読み合い、リフレクションにつなぎます。
新聞は成果物として教室や廊下に掲示します。