中学校英語【熊本地震の教訓に学ぶ、地震への備え】
熊本市立出水南中学校 浜元里菜子
<単元の目標>
外国人にとって分かりやすい防災ガイドブックを作ろう!
~熊本地震の教訓に学ぶ地震への備え~
【教材】Unit4 To Our Future Generations (New Horizon English Course 3:東京書籍)
本単元は、英文での避難訓練のお知らせや防災バッグ等についての対話文、また東日本大震災で生じた被災地の流木で製作されたバイオリンの演奏リレー等についての話題から構成される教材である。
新出文法としては、【 疑問詞+不定詞(平叙文)】、【 It is ...( for + (人) ) + 不定詞 】、【 動詞(want) + (人) + to 不定詞 】が登場する。
【テーマの設定理由】
2016年4月、熊本地震が発生し、熊本市をはじめ県内の広域の学校で休校を余儀なくされた。多くの学校が避難所となり、教員も避難所の運営や学校再開に向けての準備に追われていたが、避難所等でボランティアに励む生徒の様子も多数見られた。しかし、そんな災害支援の中でも、外国人の方々への支援が行き届かないという課題が生じた。「地震が母国にない…」「避難所での放送が全て日本語で分からない…」「避難所がどこにあるか分からない…」など、外国人の方々が置き去りになり、支援が行き届かなかったという実態があった。生徒たち自身も自分達の経験を踏まえ、熊本に住む外国人の方々に、災害への備えとして大切なことを伝え、より安心して熊本で生活するためには、自分たちには何ができるかを考える機会としたい。
~大まかな流れ~
全体プロット図
【導入】
熊本地震が発生し、災害支援に関わる情報提供がほとんど日本語でしか行われず、外国人の方々が、どこに避難すべきが、どこで給水を受けることができるかなどの大きな課題が発生したことをおさえる。
【展開1】
①地震への備えとして大切だと思うことをウェビングで思い起こす。※発散
#ウェビング
②(ツールの切り替え)フィッシュボーンで、備えるべきことを分類する。
※地震への備えとしての、視点は
「地震発生時(直後)」、「
地震発生前」、
「外国人特有の備え」、
「心構え」など、自分で視点を設定し、分類してもよい。
#フィッシュボーン
【展開2】
展開1②の分類で、1つの視点を選び、さらにそれについて情報を加えたり、整理したりする。 #座標軸
★座標軸をつかい、「すぐできる」⇔「すぐできない」、「お金がかかる」⇔「お金がかからない」備えなのかなど、情報を整理しながら、新たな考えついた情報(備え)を加えていく。
<キャンディチャートを使用>
★左側:相手へのアドバイスや提案内容
★中央:because
★右側:アドバイスや提案内容の理由や経験
<ガイドブックを作成> ~地震前の備え編~
【展開4】 相互評価(4人組で相互評価)→ブラッシュアップ!
【展開5】ALTによる評価及び振り返り
実際に外国人の方々にとって分かりやすいか、また根拠があり説得力があるか等、内容について評価してもらう。
~番外編~
生徒によっては、災害用語や防災標識等に行きつく者もいるかもしれない。
様々な視点による、災害への備えのアドバイスを防災ガイドブックとしてまとめると、実際に役立つものにある可能性もあるし、生徒がだれにとっても安心して住みやすい共生社会について考える機会となるかもしれない。
【災害用語編】
災害時によく聞かれるが、外国人の方にとっては、難しい言葉も多く、せっかくの支援の情報が伝わらないことがあった。よく聞かれる用語を、場面毎で分類し、簡単に英語で説明することもできる。
#Xチャート #キャンディーチャート