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概要(abstract
Idenaはブロックチェーンで初めての、人間が中心のシステムです。一つのノードは一つの認証されたIDと紐づき、同じ力を持ちます
Idenaは分散なおかつ匿名の人格を作るために、世界中で同じ時間にチューリングテストを行います。これはAIには解けず、人間しか解くことが出来ないパズルです。
このドキュメントでは、Idenaを開発した動機について触れていきます。

一意のアイデンティティという問題
ブロックチェーンや自己管理ID及びインターネットの世界において、匿名のままでシビル攻撃を防ぐための手段を持った既存のアイデンティティ(iDaaS)は欠陥があります

分散型匿名IDの設計要件は、ビットコインが導入した特性を踏襲し、ほぼ次の通りです
1. 世界中どこからでもオンライン上で検証可能
3. 特定の第三者に依存しない、非中央集権型
5. プライバシー保護・匿名性
今すでにある最新のIDの設計では、これらを実現することは出来ていません。

FacebookGoogleのようなOpenIDソリューションは、中央集権的なサービスに依存するほか、多くの国では利用できません。これらはなりすましが横行してしまいます。
政府IDはKYCに依存し、個人識別情報(PII)を中央集権サービスと共有すること必須とします。これは、オーウェル的な世界の始まりである。
生体認証は特定のハードウェアセンサーとアルゴリズムに依存し、偽造が可能です。加えて、これらの問題は(いたちごっこで)完全に解決することができません。
自己主権型アイデンティティSSI)は、Social ID及び検証者に依存します
Bright IDProof of Personhood(PoP)のようなWeb of Trustアプローチは、これらとは無縁です

分散型匿名ID」を開発することができれば、以下のようなことが可能になります
オンラインコミュニティにおける公正な投票: 「ガバナンス」はブロックチェーンにおいて、最も大切な要素の一つです。DAOは国境を越えた組織としてブロックチェーンの中でも注目されていますが、現状のガバナンスはトークンの保有量に基づくものでしかなく、プルトクラシーを引き起こす原因でした。このままでは、クジラ等が結託して投票結果を支配することも可能でした。
この問題は、結託や買収などへの攻撃耐性を持たせ、1人1票を実現したプロトコルによって解決することができます。これによって二次投票のようなものを用いることが現実的となり、全体の意思決定プロセスに群衆を巻き込むことができるようになります。
ダイレクトマーケティングと、Airdrop: 現在のほとんどのインターネット上にあるサービスのビジネスモデルは、ユーザーの個人情報を収集し、それらを収益化することが含まれます。加えて、多くの場合はユーザーの同意なしにターゲティング等に利用されています。
ユーザーによる積極的な個人情報の開示があれば、広告主は最もお得な情報を提供することができ、ユーザーに対してトークンのAirDropなどが可能になります。
サーバーレスメッセンジャーとチャット内での決済: 一人一つのノードのネットワークがあれば、P2P暗号化された未配信メッセージのキューを安全に保存することができます。
自由な出版活動: IDネットワークは分散型ストレージとして利用でき、そこにコンテンツを置くことで検閲体制を保つことができます
グローバルなユニバーサル・ベーシック・インカム: アイデンティティ・ブロックチェーンのノードは平均的なノートパソコンで動作するほど軽量で、参加することで報酬を与えることができます。
他のSSIとの統合: 他の自己主権型IDシステムと統合して、検証を行うことができます。

匿名で一意のアイデンティティを認定する流れ
Idenaは、一意の人間であることを証明する技術(Proof-of-Person)を持っています。個人情報を共有する必要も、第三者の認定を受ける必要もありません。
Idenaは定期的に「人間であること確認のためのイベント」(つまり、同期的なバリデーションセッション)を採用しています ── そのフリップテストとは、人間は簡単に解けるが、Botには難しい特殊なパズルのことです

画面の向こう側の参加者が "一人の人間" であることは、全世界で同じ時間に行われているフリップテストを解いていることによって証明されます
このテストは解答提出の時間が限られているため、一人が同時に複数のアカウントで検証することができないようになっています

バリデーションセッションが終わった後、参加者によって次の日程が決定されます。ネットワークが大きくなればなるほど、検証セッションが行われる頻度は低くなります。
参加者のバリデーションステータスは永久に続くものではなく、次のエポックが始めると期限切れになります。毎回、新しいエポックごとに検証する必要があります。
次のラウンドに参加するためには、いくつかフリップテスト自体を作る必要があります


ネットワークに参加する
デジタルIDを作成するには、招待コードを受け取る必要があります。
招待は認証されたノードからのみ送ることができ、一人が発行できる招待コードの数は限りがあります。
Idenaのコアチームは招待コードを発行し、ネットワークの成長をコントロールすることが可能になっています。

フリップテスト
物語を伝えることで、言語に依存しないAIハードテスト「Flip Challenge」を提案しています。
フリップ「Filter for Live Intelligent People」は、4枚の画像を使用します。
フリップを解くには、参加者はこれらの画像のうち、物語的に意味のある2つのシーケンスから1つを選びます。
もう1つの画像は意図的に歪められ、直線的なストーリー情報が伝わらないようになっています。
フリップはIQテストではなく、常識を問うテストです。フリップは正解がないまま提出されます。検証セッションの後、ネットワークは正解についてのコンセンサスを得る。コンセンサスが得られない場合、そのフリップは失格となります。
Idena では、フリップは検証された参加者によって作成されます。
フリップは、検証前に暗号化されたデータとしてネットワークに保存され、その後、アルゴリズムによって分散されます。ネットワークは、フリップの答えについてコンセンサスを得、正確さをスコア化し、有効なフリップごとにコインを授与し、検証されたアイデンティティを承認します。

フリップテストの作り方
Flipsは、認証されたIDによってのみ作成されます。
1. 参加者は、プロトコルによってランダムに選ばれた2つのキーワードをという一般的なテンプレートの中で、ストーリーを考える連想のヒントとなる。── このあと、何かが起こる
2. 参加者は、自分の端末やインターネットから4枚の画像をアップロードし、その画像を使って、2つのキーワードをもとにしたストーリーをします。
3. 参加者は、同じ4つのキーワードを並べた意味のない代替案を作成する。
4. 参加者は、2つのシーケンスをネットワークに提出する。
5. フリップは暗号化されたデータとしてネットワークに保存され、検証される。

フリップの分配
フリップテストはランダムに施行されますが、2つだけ重要な例外があります。
1. 自分自身が作成したフリップを解くことはできない
2. 関連するIDが作成したフリップを解くことはできない
「関連するID」を紹介する前に、まずはIdenaの招待コードについて理解する必要があります。Idenaネットワークに招待する際に発行できるコードは、親アイデンティティ(あなたが招待してもらった人)から受け継いでいます
このゲノムコードにより、2つのID間が親族関係であることが証明でき、この場合はお互いが作ったフリップを解くことができません

アイデンティティステータスの流れ
参加者のアイデンティティの証明は、現在のエポックが続く限り有効です。
エポック期間の間、バリデーションを通過したユーザーは、新しいユーザーを招待したり、マイニング(ブロックの採掘)をして報酬を得たり、新しいフリップを作成するなどが可能になります。
エポックの期限が切れると、再度バリデーションテストを受ける必要があります


アイデンティティの売買
技術的にはIDの売買は可能ではあるが、それを防ぐために経済的なインセンティブを導入しています。
IDを売却した人は、そのあとID自体を削除し、保持しているコインを凍結させることができます
IDを売る際には、売り手が買い手に対して秘密鍵を提供する必要があります。買い手は「秘密鍵のコピーが売り手に残っているかどうか」を確信する方法はありません。
したがって、売り手は売った後にIDを削除することができ、買い手はIDを購入するインセンティブを持たないことになります。


合意形成の仕組み
Idenaはproof-of-personによるシビル攻撃耐性と、高速なファイナリティを持つコミッティーベースのコンセンサスを実装しています。
P2P暗号メッセージなどを利用する際にネイティブコインを利用できるようにしていくつもりです。
すべてのノードは、新しいブロックの鋳造で報酬を得るチャンスが均等にあり、コンセンサスとガバナンスプロセスで同等の投票権を持つ1人の検証済み人物に対応する。
検証を受けた参加者はすべて、ネットワーク上でブロックを生成し、取引を検証するための平等な投票権を持っている。
無作為に選ばれた参加者がブロック案を生成し、ネットワークにブロードキャストする。ランダムな委員会が選ばれ、ブロックをブロックチェーンに含めるかどうかについてのコンセンサスを得ます。
Idena は、シャーディングと呼ばれるプロセスで、独立した参加者の異なるセットによって駆動される複数のサブチェーンを並行して実行するための安全な方法を提供します。多様な人々によって駆動される数百万のノードを持つネットワークは、同時に取引を処理する数千のグループ(またはシャード)に安全に分割することができます。

#$IDNA のエコノミクス
認証済みIDを持つ全ての参加者は、ネットワーク全体にとって役に立つ仕事(自分のノードをホスティングする、フリップパズルへの試行と作成、新しいユーザーの正体)をすることが推奨されています。
これらを実行することで、DNA(現: $IDNA)というコインを報酬として手に入れることができます。

1日にマイニング可能な上限は 51480 DNA です。これらは生成されたブロック数によって上限します。
内訳として、マイニングへの報酬とバリデーションセッションへの報酬の2つです

マイニング報酬は1日あたり最大 25920 DNA です。これはブロック提案者とブロック検証者の両方に支払われ、内訳は以下の通りです

バリデーションセッションへの報酬は1日あたり最大 25920 DNA です。毎日蓄積され、バリデーションセッションの終了後に以下のように分配されます。

バリデーションを通過すると、アカウントの有効期間に応じて全てのIDに報酬が分配されます


プレ・ミント
コインの総予備量は 36,000,000 DNA です。以下のように分配されます。


ガバナンス
Idena ネットワークは、様々なタイプの内部ガバナンス機構を導入しています。
ネットワークの改善提案 (ソフトフォーク)
ネットワークアップグレード提案(ハードフォーク
ゼロ・ウレット資金配分案