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インターネットは世界をどう変えていくか
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インターネットは世界をどう変えていくか

>三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、2010年度より、弊社の研究員およ びコンサルタントの基礎的教養を高め、クライアントに対してより魅力的で洞察 力のある知恵の提供ができるようになることを目的に、「学び」の場として『巌流 塾』を開催しています。 この目的を達成するため、『巌流塾』では表面的な知識やスキルを習得する場所 としてではなく、物事の実体、本質に迫ることができるようなテーマを用意し、 自己鍛錬、塾生同士の相互研鑽の場を提供することを目指しています。 2013年度においては、『巌流塾』の活動テーマを『100年後の日本~縮小国 家・日本に将来はあるか~』と設定し、急速な高齢化の進展、人口減少社会の到 来が確実視されるなかで、100年後の日本の姿を想定し、どのようなパラダイム の転換が必要か、日本がとるべき戦略・政策とは何か、等について構想していく ことを目指しています。 そして、外部から有識者を講師としてお招きして、有識者の方々とのディスカ ッションを軸に、あるべき日本の姿についての検討を進めることとしています。 お招きする有識者の第2弾として、東浩紀氏に、「インターネットは世界をどう変 えていくか」と題した講義をお願いいたしましたので、ここに講義録を採録いた します。

ソーシャルと相性の悪いもの
>要はツィッター上での話題というも のは無害な、「これ、いいよね」とか「これ、おもしろい よね」というように、自分は傷つかないものがRTされる 傾向が非常に強いのです。ですので、簡単にいうと、今 回のような問題提起的なプロジェクトに対しては非常に 警戒心が働くということです。

>この孤独に投票するということについ て書いたのが、実は「一般意志2.0」という本です。この孤独に投票するということについ て書いたのが、実は「一般意志2.0」という本です。

>、「一般意志」 という概念に集約されています。この「一般意志」とい う概念は、普通は「特殊意志」または「個人意志」と比 較されます。この「一般意志」を英語でいうとGeneral willで、「個人意志」はParticular willです。ルソーの考え ではもうひとつ別に「全体意志」という概念があます。 これは英語だとGeneral of allで、直訳すると「みんなの 意志」ですね。「全体意志」というとTotalという単語が 使われていそうですが、そうではなくて、もともとは 「みんなの意志」という意味なのです。
>このように「一般意志」と「みんなの意志」と「特殊 意志」という3つの概念があり、「一般意志」と「みんな の意志」とは違うというのが実はルソーの「社会契約論」 の非常に重要なところなのですね。しかもルソーはこの 「一般意志」について、「一般意志というのはまず間違う ことがない。一般意志が命令すると個人は絶対それに従 わなければいけない」と、非常に強力なことを言ってい るので、これは何なのだ、ということに当然なるわけで す
>ただし、ルソーを読むと結構おもしろいことを書いて いて、一般意志はなぜ誤ることはないかという、非常に 有名な部分です。ルソーがここで書いてあるのは、「全体 意志と一般意志には差がある。どうして差があるかとい うと、それは一般意志というものは共通利益にかかわる のに対して、全体意志は個人の、プライベートな利害に しかかかわりを持たないからだ」と書いているのですね。 そして、「だから結局のところ、全体意志というものは、 個人の特殊意志の合計でしかないのだ」というふうにい うのです。では、「一般意志」はどうなのかというと、 「一般意志というものは特殊意志が集まったときに、それ のプラスとマイナスがぶつかり合って、相互相殺される ことで出てくるのが一般意志であり、一般意志とはそう いう意味で単なる特殊意志の合計ではないのだ」という ようなことを書いているのですね