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メタフィジカル・クラブ
メタフィジカル・クラブ
米国100年の精神史
著者
訳者
野口良平
那須耕介
石井素子

> 南北戦争は連邦存続と奴隷解放のために戦われたと理解されがちだが、実際はイデオロギー対立の殺し合いによる解消という側面が強い。62万の戦死者を出して維持された連邦、民主主義とは、一体何だったのか。
> この反省に立脚し、現代に至る米国精神の礎石を築いた若き哲学者たちがいた。後の合州国最高裁判事オリヴァー・ウェンデル・ホウムズ、心理学者ウィリアム・ジェイムズ、論理学者チャールズ・サンダース・パース、教育学者ジョン・デューイである。ときに反目した彼らの思想は次の一点で一致していた。すなわち「思想は決してイデオロギーに転化してはならない」。
> 彼らは米国の近代化に大きな役割を果たしただけでなく、教育、民主主義、自由、正義、寛容についての米国人の考えを変えた。その思想「プラグマティズム」胚胎の場が「メタフィジカル・クラブ」——形而上学批判の意味を込めて命名され、彼らが集った議論集会であった。本書は、歴史上に一瞬あらわれたこの幻のような集会を象徴的中心として、米国100年の精神史を見事に描き切っている。米国研究の要として名高い、現代の古典である。



目次
序文
[第1部]
第1章 奴隷制をめぐる政治
第2章 奴隷制廃止論者
第3章 ウィルダネスの戦いとその後
[第2部]
第4章 二つの心をもつ男
第5章 アガシ
第6章 ブラジル
[第3部]
第7章 パース父子
第8章 誤差の法則
第9章 メタフィジカル・クラブ
[第4部]
第10章 バーリントン
第11章 ボルティモア
第12章 シカゴ
[第5部]
第13章 いくつものプラグマティズム
第14章 いくつもの多元主義
第15章 いくつもの自由
エピローグ
謝辞
精神史からの遠近法——訳者あとがきにかえて
図版所蔵一覧
原注
索引