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ニセコルール
> 国内の多くのスキー場では今もコース外滑走が禁止されている。もちろんスキー場はパトロールを強化して放送を流し、注意を呼びかける。しかし誰も聞かない。なにしろみんながロープをくぐるのだ。運悪く雪崩に遭った人だけが自分の失敗を悟る。だが死者は何も語れない。そして事故は当事者の無知や非常識が原因で起こり、自己責任であるとして済まされる。メディアは何日か騒ぐ。しかし世間は一週間もすれば、事故があったことさえ忘れてしまう。そして再び以前の状況に戻る。それにしてもニセコはあまりにも事故が多かった。事故は毎年の行事のように続いた。そのたびに私たちは遭難現場で遺体を掘り出した。スキー場も行政も何ら有効な手だてを見いだせずにいた。だがこれ以上問題を放置できないという空気が徐々に生まれていった。地元の多くが事故の続発に危機感を覚えていた。そして真剣な議論が始められた。念仏のように唱える滑走禁止ではなく、条件付きでコース外の滑走を認めるというニセコルールは、そのようにして作られていった。 http://www.thecleanestline.jp/2017/11/the-report-from-niseko-avaranche-accident-prevent-council.html
> コース外へはゲートから出る。ゲートが閉じられている時は出ない。ニセコの取り組みは事故を毎年のように経験する中で、必要から始められたものだ。ゲートから出てコース外を滑らせるという方法は、今も林野庁の黙認、緊急避難的追認という形で行われている。これが良いとは誰も思ってはいない。しかし仕組みを変えるのは容易ではない。現場では大きな問題だが、社会的にはどうでもよい小さなことだからだ。役所はこんなことには真剣に取り組まない。たとえば道は観光振興策に毎年10億近い予算を使う。また原発関連の予算は更に大きい。その一方でニセコ倶知安を含む北海道後志振興局の遭難対策予算は、夏のタケノコ採り遭難対策を含め12万5千円に過ぎない。だが放置すれば事故は起こる。 http://www.thecleanestline.jp/2017/11/the-report-from-niseko-avaranche-accident-prevent-council.html
> ニセコルールには今も様々な批判が行われている。まず国が認めていないことによる正当性への疑義、危険判断の基準が今日の雪崩研究の成果に沿ったものでないこと、また登山や山岳滑走は自由であるべきで、それを妨げることは誤りであることなどの批判がある。しかし私たちはこれらの意見を十分に知った上で、地域の決まりとしてニセコルールを国の決まりに優先させている。他に方法がないからだ。ニセコルールはスキー場利用者の滑走の自由を尊重しつつ、その安全をいかに守るかという、ふたつの相反する目的のために行われている。 http://www.thecleanestline.jp/2017/11/the-report-from-niseko-avaranche-accident-prevent-council.html

「地域の決まりとしてニセコルールを国の決まりに優先させている」ということ。
「現場では大きな問題だが、社会的にはどうでもよい小さなことだからだ。役所はこんなことには真剣に取り組まない」

01.立ち入り禁止区域にいかなる理由があっても入ってはならない
春の滝、湯の沢は完全立入禁止区域です
02.ロープをくぐってはならない。スキー場外へはゲートから出ること
各スキー場に合計11ヶ所のゲートを設置しています
03.スキー場外の安全管理は行われていない
スキー場外はスキー場による安全管理は行われていません。スキー場外の滑走は各自の責任で行ってください
04.ゲートが閉じられているときはスキー場外へ出てはならない
高い危険が予想されるときはゲートを閉鎖します
05.ニセコ雪崩情報はニセコルールの公式情報である
インターネット、リフト乗り場、各ゲートなどに掲示します
06.スキー場外での捜索救助には費用が請求される
スキー場パトロールがスキー場外で捜索救助を行うとき実費を請求します
07.スキー場パトロールの指示に従うこと
スキー場内外を問わず、すべての利用者はスキー場パトロールの指示に従ってください
08.小学生のみのスキー場外滑走を禁止する。ただし少年団活動など指導者及び保護者同伴時を除く
同伴者は子供たちだけでなく、周囲に対しての用心を怠らないでください
09.スキー場と地域は利用者の自由を尊重し、その安全に重大な関心を持つ
だれもがニセコを楽しみ、事故にあわないことが私たちの願いです