カロリーの高いところを引用する
カロリーの高いところを引用する
インターネットには
パンチラインしかない文章を書くことが出来る人がいる
例えば、
shikakun
2022/8/3
> なんだかおかしいなと思っていたら、シャツのうしろとまえを反対に着ていた。そんなこと思わなくていいとわかっているのに、僕が手がけたせいでチャンスをむだにしてごめんなさいって思っちゃう。どんなに成果が微妙で、達成感もなかったとしても、向いていないと思ったとしても、また打席に立たなくちゃ。小さな背伸びを繰り返せば、やがて背が伸びていることを信じながら。努力はかならず報われるといった言説は、報われた人のポジショントークだから聞かなくていい。ほんとうに話さなければならないのは、報われなかった夜の過ごし方なのだから。好きで選んだ悪夢を、どの岸にも辿り着かないまま、ゆっくり泳ぎつづけている。
この文章を牛(うし)本体と見なす
部位は以下のように区分けされる
1. なんだかおかしいなと思っていたら、シャツのうしろとまえを反対に着ていた。
2. そんなこと思わなくていいとわかっているのに、僕が手がけたせいでチャンスをむだにしてごめんなさいって思っちゃう。
3. どんなに成果が微妙で、達成感もなかったとしても、向いていないと思ったとしても、また打席に立たなくちゃ。
4. 小さな背伸びを繰り返せば、やがて背が伸びていることを信じながら。
5. 努力はかならず報われるといった言説は、報われた人のポジショントークだから聞かなくていい。ほんとうに話さなければならないのは、報われなかった夜の過ごし方なのだから。
6. 好きで選んだ悪夢を、どの岸にも辿り着かないまま、ゆっくり泳ぎつづけている。
「どれか一つだけ選べ」
> すべて持つことはできない。 禁じられている。 選ぶことを学べ。
> 昔々、インターネットの彼方で、あるひとに「キミはわたしの文章のカロリーの高いところばかり引用していくね」といわれたことがあります。彼(彼女)がいうところのカロリーの高いところばかり引用し続けた結果、その「弱いつながり」(弱い紐帯の強さ)はあっという間に消えてなくなってしまいました。
> 引用って悪意だと思っていて、それは文章の中から作者の意図、言いたいことをズラして、こちらの意図に合うように切り出すことだと思っている。まさに切り刻む。自分はかなり悪意の塊なので、作者にとってはおそらく不本意であるところを切り刻んできたと思う。カロリーが高そうなところを選り分けて。
今回は5番だった
そのときに刺さるところっていうのは、そのときの自分に依るので
時間を置くと全く違う場所が刺さったりする
これが面白いことに、インターネットという集合の中でも起こっていて、何年も前にリブログした引用がそのときには全然拡散しなかったのに、数年後に掘り起こされたあと急に拡がったりする
ファッションや音楽でよく耳にする「寝かす」といったソレ
個人だけでなくて場も、そのときその場所での出来事によって変化していて
あるとき、しきい値を越えると爆発する
長く続ける、毎日続ける、たくさんやる、っていうのはそういうことと出会うチャンスを増やすという意味もある
> 引用って悪意だと思っていて、それは文章の中から作者の意図、言いたいことをズラして、こちらの意図に合うように切り出すことだと思っている。まさに切り刻む。自分はかなり悪意の塊なので、作者にとってはおそらく不本意であるところを切り刻んできたと思う。カロリーが高そうなところを選り分けて。