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Scrapboxホン
>Scrapboxを電子書籍として使うとこういう問題は解決する。

増井先生にこの構想をうかがったことがあるし、実例もあると聞いた。

ホンのインポート

さて、Scrapboxを「断片的な情報をひとまとめにして送信者から受信者に伝達するためのツール」(以下ホンと呼ぶ)として使う場合、Scrapboxにインポートできるjson形式のデータが使われる。受信者はそのjsonをホンとして受け取る。

その後、二つ選択肢がある。
新規プロジェクトを作成し、そこにインポートする
既存の自分のプロジェクトにインポートする

前者の場合、話は簡単だが、数が増えると管理の手間が増える。ホンが情報流通の主流になったとき、手持ちのプロジェクトがわんさか増えることが予想される。管理しづらい。
読み終えたものを削除すれば事足りるが、情報の利便性から考えて必要になるたびインポートするのは得策とは言えない。

となると、既存のプロジェクトにインポートすることになる。

その場合、
自分のワークスペース(メモ欄)にインポートする
自分たちの作業プロジェクトにインポートする(職場に本を持っていく感じ)
ホンを保存しておくためのプロジェクトにインポートする
が考えられる。どれも大差はなく、すでに大量に情報がある場所に、ホンが入り込んでいくことになる。

ここで、ホンの書き方に視点を向ける。

そのような使われ方をするホンはどのように書かれるべきなのか。たぶん、プログラミングにおける「ライブラリ」の作り方に似てくるかもしれない。その辺は、ライブラリを作ったことがないので憶測でしかないが、近しいものがありそうな予感はある。

情報の競合

とりあえず、ページ内にあるハッシュタグ的なものは問題ないだろう。むしろ、自分が付けたハッシュタグと、インポートしたホンのハッシュタグが呼応することによって、意外なものの結びつきが見えてくることは十分ありえる。これは楽しそうだ。

しかし、ページタイトルはどうだろうか。同じページタイトルがあると競合的なものが発生してしまう。「愛し方について-1」とかが並ぶのはあまり美しくも、好ましくもない。かといって、同一ページに追記されるのがよいのだろうか。それもどことなく奇妙に思える。

もちろん受信者が適切にリネームすれば済む話だが、それは筋の悪い話に思える。

別の見方もある。

たとえば、Aというホンに、Scrapboxというページがあり、そこに説明の記述があったとする。で、Bというホンにも、Scrapboxというページがあり、そこに少し異なる説明の記述があった。さて、その二つのホンを含むプロジェクトはどのようになれば理想的だろうか。

Scrapbox-A、Scrapbox-Bという二つのページが作られる? ScrapboxというページにAとBの記述が内包される? それとも、業界ごとの基礎的な固有名詞については、別のホン(用語集)を準備しておき、それを一緒にインポートすることを前提にホンを書く?
この場合、AもBもScrapboxへのリンクははるが、そのページは記述しないことになる。

と、考え始めると考えることがいっぱいあることに気がつく。

一番無難な運用は専用のプロジェクトを作りまずそこにインポートして、必要なものだけを自分のメモに取り込むことだが(この場合、すでに存在している同名のノートの扱いは受信者の裁量になる)、そうではない世界についても考えてみたいし、また、物書きはその世界でどんな風にホンを書くのかも合わせて考えるのは面白い。