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『身銭を切れ』
『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』
出版社:ダイヤモンド社(2019/12/12) ISBN:447810381X
>ついに上陸! 『ブラック・スワン』『反脆弱性』で
>世界を揺るがしたタレブ、衝撃の最新作!!
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>不確実で予測不可能な世界で
>私たちがとるべき「生き方」とは――。
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>「知の巨人」タレブが、思索の果てにたどり着いた
>人生とリスクについての原理原則を書き尽くす。
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>魂を捧げた先にしか、
>価値ある「生」はない。
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>‖タレブが見つけた新たなる原理原則「身銭を切る」とは何か?
>‖――不確実性の時代で、私たちはどう生きるべきか
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>不確実性が増し、変化の速度が上がった現代社会。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったVUCA(ブーカ)という言葉も、ビジネスシーンではすっかり定着しつつある。
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>では、不確実で予測不可能な世界でどうリスクと向き合い、どう生きていけばいいのか。これこそがタレブが新著『身銭を切れ』で取り組んだテーマだ。
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>本書の原題は、『Skin in the Game』。「身銭を切る」と訳したこの言葉は、本来金融用語で「なんらかの目標達成のために自腹を切り、自ら金銭的リスクを負うこと」を指している。だが、タレブはより広い文脈を意識して使っている。以下本書の冒頭より引用してみよう。
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>ここで定義する(そして本書全体で使われている)「身銭を切る(スキン・イン・ザ・ゲーム)」という言葉の意味を、単なる金銭的なインセンティブの問題と誤解しないでほしい。金融の世界でよくいう利益の分配の話ではなくて、むしろ対称性の問題だ。いわば損害の一部を背負い、何かがうまくいかなかった場合に相応のペナルティを支払うという話だ。
>この「身銭を切る」という概念こそが、インセンティブ、中古車の購入、倫理、契約理論、学習(実生活と学問の世界)、カントの定言命法、地方分権、リスクの科学、知識人と現実の接点、官僚の説明責任、確率論的な社会的公正、オプション理論、まっとうな行動、たわごと(ブル●ット)の押し売り、神学……等々の概念をひとつに結びつけるのだ。―本書20ページより
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>タレブはこの「身銭を切っているか」を厳しく見ている。これは「発言する人は行動で示すべきであり、行動する人のみ発言を許されるべきである」という信念に基づくためだ。タレブふうに例を挙げると、「警官や兵士などが尊敬を集めるのは信念のために自らの命を捧げている(身銭を切っている)からであり、政治家や経済学者が嫌われるのは高みの見物ばかりで自分ではなんのリスクも冒していない(身銭を切っていない)から」とでも言えようか。
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>残念ながら現実は、後者の輩、すなわち「リスクをとらずにリターンをとる(リスクは別の人間に押し付けている)自称“知識人"」が跋扈しているため、非対称性が生まれている。この非対称性が、やがて格差やフェイクニュース、テロなどといった昨今世界を悩ませている問題を生み、最後にはシステムの崩壊へとつながっていくのだ。
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>だから、タレブはいま我々に問いかけている。
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>「お前は、身銭を切っているか」?
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>身銭を切るとは、不確実性だらけの世界を正しく見通し、歩んでいくためのたったひとつの原理原則。本書は、タレブから混迷の時代を生きる我々へと手渡された、人生についての指針ともいうべき書なのだ。