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『学力喪失──認知科学による回復への道筋 (岩波新書 新赤版 2034)』

出版社 :岩波書店(2024/9/24) ISBN:4004320348
>乳幼児は驚異的な「学ぶ力」で言語を習得できる。しかし学校では多くの子どもたちが学力不振に陥り、学ぶ意欲を失ってしまう。なぜ子どもたちはもともと持っている「学ぶ力」を、学校で発揮できないのか。「生きた知識」を身につけるにはどうしたらよいのか。躓きの原因を認知科学が明らかにして、回復への希望をひらく。
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>目 次
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> はじめに
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>第Ⅰ部 算数ができない、読解ができないという現状から
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> 第1章 小学生と中学生は算数文章題をどう解いているか
>  1 算数文章題につまずく小学生
>  2 小学生の算数文章題につまずく中学生
>  3「意味の不理解」が引き継がれる
> 第2章 大人たちの誤った認識
>  1 テストと学力についての誤認識
>  2 知識についての誤認識
>  3 スキーマなしでは学習できない
> 第3章 学びの躓きの原因を診断するためのテスト
>  1 「たつじんテスト」の開発まで
>  2 「たつじんテスト」は思考力を測る
>  3 点数をつけるよりも大事なこと
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>第Ⅱ部 学力困難の原因を解明する
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> 第4章 数につまずく
>  1 「数」はモノを数えるためにあるわけではない
>  2 分数というエイリアン
>  3 かけ算・割り算の意味がわからない
> 第5章 読解につまずく
>  1 「読める」とはどういうことか
>  2 問題文を理解するための語彙が足りない
>  3 単位、時間、空間のことばを理解できない
>  4 行間を埋めるための推論ができない
> 第6章思考につまずく
>  1 認知処理の負荷に押しつぶされる
>  2 状況に応じた視点の変更ができない
>  3 パーツの統合ができない
>  4 モニタリングと修正ができない
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>第Ⅲ部 学ぶ力と意欲の回復への道筋
> 第7章学校で育てなければならない力――記号接地と学ぶ意欲
>  1 生成AIと記号接地
>  2 子どもはどのように記号接地しているのだろうか?
>  3 アブダクション推論とブートストラッピング
>  4 自走できる学び手へ
> 第8章 記号接地を助けるプレイフル・ラーニング
>  1 プレイフル・ラーニングの考え方
>  2 時間概念の記号接地――プレイフル・ラーニングの実践1
>  3 分数概念の記号接地――プレイフル・ラーニングの実践2
>  4 知識を身体化できるのは学び手のみ
> 終章 生成AIの時代の子どもの学びと教育
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> 参考文献
> 図版出典一覧
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> あとがき

書き抜き
>"「生きた知識」は「丁寧にわかりやすく教えられる」ことでは獲得できない"
rashita丁寧にわかりやすく教えることが売りのビジネス書・ノウハウ書は一体何を与えてくれるのだろうか、と疑問が湧いてくる。

躓きの本質を理解すること
> 子どもの躓きの本質を理解しないまま、わかりやすく教え、その問題を何度も繰り返して解く練習をさせれば子どもは理解し、知識が定着するはず、という信念をもって大人(行政、教師、保護者など)が教育を続けてきたこと。その結果、局所的な対処療法だけが考案され、試みられてきたこと。

学びの根底になる認知の仕組み