『学力喪失──認知科学による回復への道筋 (岩波新書 新赤版 2034)』
>乳幼児は驚異的な「学ぶ力」で言語を習得できる。しかし学校では多くの子どもたちが学力不振に陥り、学ぶ意欲を失ってしまう。なぜ子どもたちはもともと持っている「学ぶ力」を、学校で発揮できないのか。「生きた知識」を身につけるにはどうしたらよいのか。躓きの原因を認知科学が明らかにして、回復への希望をひらく。
>第Ⅰ部 算数ができない、読解ができないという現状から
> 第1章 小学生と中学生は算数文章題をどう解いているか
> 第3章 学びの躓きの原因を診断するためのテスト
> 1 「数」はモノを数えるためにあるわけではない
> 第7章学校で育てなければならない力――記号接地と学ぶ意欲
> 2 子どもはどのように記号接地しているのだろうか?
> 第8章 記号接地を助けるプレイフル・ラーニング
> 2 時間概念の記号接地――プレイフル・ラーニングの実践1
> 3 分数概念の記号接地――プレイフル・ラーニングの実践2
書き抜き
>"「生きた知識」は「丁寧にわかりやすく教えられる」ことでは獲得できない"
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丁寧にわかりやすく教えることが売りのビジネス書・ノウハウ書は一体何を与えてくれるのだろうか、と疑問が湧いてくる。
躓きの本質を理解すること
> 子どもの躓きの本質を理解しないまま、わかりやすく教え、その問題を何度も繰り返して解く練習をさせれば子どもは理解し、知識が定着するはず、という信念をもって大人(行政、教師、保護者など)が教育を続けてきたこと。その結果、局所的な対処療法だけが考案され、試みられてきたこと。
学びの根底になる認知の仕組み