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『コンヴァージェンス・カルチャー: ファンとメディアがつくる参加型文化』
ヘンリー・ジェンキンズ
>南カリフォルニア大学教授。コミュニケーション&ジャーナリズム研究科、映画芸術研究科、ならびに教育研究科で、デジタル時代の参加型文化やファンダム、若者教育などを教えている。同校着任以前はマサチューセッツ工科大学(MIT)にて比較メディア研究プログラムを立ち上げ、ディレクターを長らく務めた。
出版社 :晶文社(2021/2/2) ISBN:4794972482
内容紹介
>『サバイバー』、『アメリカン・アイドル』、『マトリックス』、『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』……世界的ヒットを記録したエンターテインメントは、多くのファンたちが積極的に参加することで熱狂の渦が生まれた。
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>映画やアニメ、ゲーム、コミックなど多岐にわたるメディア・プラットフォームのもとに、ポップカルチャーのファンたちは集まり、コミュニティをつくる。そこは新しい知識が生み出され、主体的な参加が促される創造的な場である。もはやメディア産業もファンダムを無視してコンテンツをつくることはできない。
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>メディア研究の第一人者が、<コンヴァージェンス>の理論をもちいてトランスメディアの複雑な関係を読みとく古典的名著。ファンと産業界が衝突しながらもともに切りひらいてきた豊かな物語世界の軌跡をたどり、参加型文化にこれからの市民社会を築く可能性を見出す。

目次
>イントロダクション「コンヴァージェンスの祭壇で祈ろう」
>──メディアの変容を理解するための新しいパラダイム
>第1章 『サバイバー』のネタバレ
>──知識コミュニティの解剖学
>第2章 『アメリカン・アイドル』を買うこと
>──私たちはリアリティ番組でどのように売られるか
>第3章 折り紙ユニコーンを探して
>──『マトリックス』とトランスメディアのストーリーテリング
>第4章 クエンティン・タランティーノの『スター・ウォーズ』?
>──草の根の創造性とメディア産業の出会い
>第5章 どうしてヘザーは書けるのか
>──メディアリテラシーとハリー・ポッター戦争
>第6章 民主主義のためのフォトショップ
>──政治とポップカルチャーの新しい関係
>結論 テレビを民主化する? ──参加の政治学
>あとがき ──YouTube時代の政治を振り返る

原著
Convergence Culture:Where Old and New Media Collide
2006年(日本語訳は2021年)
アメリカの事例を中心的に研究

三要素
メディア・コンバージェンス、参加型文化、集合的知性

コンバージェンス文化とは?
>ここは古いメディアと新しいメディアが衝突するところ。ここは草の根メディアと企業メディアが交差するところ。ここはメディアの制作者とメディアの消費者の持つ力が前もって予見できない形で影響し合うところ。

コンバージェンス(convergence)とは?
1. 多数のメディア・プラットフォームにわたってコンテンツが流通すること
2. 多数のメディア業界が協力すること
3. オーディエンスが自分の求めるエンターテイメント体験を求めてほとんどどこにでも渡り歩くこと
「単一のメディア装置内に多数のメディア機能を集めること」ではない。
参加型文化
受動的な消費者ではなく、観客が多数のメディアを駆使して仕事や遊びを行うその現象
他者との社会的交流を通して行われる脳内の創造的な活動
集合的知性(ピエール・レヴィ)

新しいメディアが古いメディアを淘汰する、というのではないイメージ

モードの融合(コンバージェンス)
メディア・ファンダム

リサ・ギテルマンのメディアのモデル
第一のレベル:コミュニケーションを可能にするテクノロジー
第二のレベル:メディアと関連する一連の「プロトコル」(もしくはテクノロジーを中心に発達した社会的かつ文化的実践)

企業主導のトップダウンと、消費者主導のボトムアップの二つの方向性

情動の経済学

コンバージェンス、集合的知性、参加