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Scrapboxは脱階層? なぜ文章内は階層なのか?
これは社内のScrapbox上で議論したいまのところの結論です

何かを整理したいときに、数が少ないものは階層的に管理できるが、大きくなると管理できない

たとえば、百科事典や辞書
百科事典WikiPedia階層的には管理されていません。
百科事典を書くような賢い人も階層管理は放棄しています。
辞書
言語の語彙は階層的にできていません
ある言葉は言葉同士の組み合わせで定義(説明)されます
インターネットの検索
昔は、ヤフーディレクトリなどのように階層的に管理されていました
が、いまそうしたいと考える人はいません
数が爆発的に増えて、整理できなくなったためです
リンクが推薦の役割を提供し、それをインデックス化した検索エンジン(Google, 1998)が主流です
Ruby gemnpmdebian package等のライブラリ
階層的に管理されていません
あるのは各ライブラリ間の依存関係(dependency)だけです
依存はネットワーク構造です
友人関係もそうかも
法律
「六法」という大分類はありますが、その下は、条文が相互に参照されるネットワーク構造になっています。
実際の案件では、複数の法律を掛け合わせて対応することも珍しくありません。
このように考えていくと、階層的に管理できるもののほうが少ないです

では、どれくらい大きくなると管理できないか?
100個か、またはそれよりちょっと少ないくらいではないでしょうか

なぜみんな階層的に管理できると勘違いしてしまうのか?
小さいものは階層管理可能ですが、大きくなったときの先は簡単には見通せないからだと思います
企業の場合は、組織が階層的だから、情報もそれに従うことができそうだ、という考えもあるかもしれません
実際のところは、人員の数と情報の数は桁違いの量の差があるはずです

階層的ではない方法
ネットワーク構造をしていることが多いと思います
もしくはあきらめて、日付順に並べて、全部順番に見ていく方法

階層のメリットはないのか?
あります。実際Scrapboxは、一ページの中は、アウトライン編集をサポートしていて、これは階層です
ただ、規模が大きくなると不可能になります

なぜ管理不可能になるのか?
こうもり問題のようにどちらにも分類可能なものが登場したときに、ものすごい知恵を絞る必要がでてきます

大きいものでも階層管理は可能か?
論文や本の章立て
大きな組織の人員配置
生物の分類
などは階層になっていますが、専門家がとてもつもない努力をして管理しています
いずれも「未分類」のものは許さないという強い意志が貫徹されています

まとめ
Scrapboxは、ページ内は階層に、ページ間はネットワーク構造で管理します
規模を拡大したいなら、ネットワーク構造の導入を検討するとスケールしやすくなります
ページ内の情報を階層的に使うことに関しては、実はmarkdownなどより遥かにラディカルです