別名登録記法は本当に「使える」か?
序文
別名登録記法を公開してしばらく経ちました.僕の会心の発表だったので、たまにTwitterやGoogleなどで検索して、その反応を楽しんでいます.どうやら、反響はとりたてて良好というわけではないようですが()、井戸端
/villagepumpなどではある程度のメンバーに認知されているのが確認できました.嬉しい限りです.
別名登録記法そのものの評価
肝心の反応の中身なのですが、若干の高評価コメントとともに、「手間の割にメリットが少ない」「Scrapboxの仕様変更に振り回されるのでは」「リンク修正機能でよい」などが代表的な反応かなと思います.
結論から言いますが、
だいたいあってる.素直にカッコで注釈を書くんだ。これからもぜひそこそこの距離感で、「おもしろバグ技」として楽しんでください。筆者
がいっぱい研究します。
気になる方は、ぜひ「
別名登録記法」のページを控えておいてね!ここに情報を集めます。
細かい反論とかScrapbox 仕様への理解の進展で言いたいことはまぁまぁあるのですが、僕の印象としても「
便利なのは間違いないが、手間や分かりづらさが完全には克服されていない.なんとなく研究途上なテクニック」です.まずは
注釈ポリシーのほうを検討するようおすすめしておきます.
以下でこの記法の利点を整理していきます.
別名登録記法の利点
単純に言えば、別名登録記法とは特殊な「捨て記事の命名規則」です。したがって、比較するべきは他の
命名ポリシーたちです。
別名登録記法は捨て記事の命名規則以外は何も指定しないので、別にどのポリシーとだって併用できます。とはいえ、おそらく「
正式名称ポリシー」との親和性が最も高いでしょう。そこで、別名登録記法を採用しなかった場合と区別して、これを
別名登録記法付きの正式名称ポリシーと呼ぶことにします。
各ポリシーの比較
好きな呼称・打ちやすい略称で記事リンクが呼べる
記事名が他と衝突しにくい
記事作成の際に考えるべきこと(=記事作成コスト)が減る
記事名が簡潔で済み、メニューや関連ページ一覧から見たときに内容を把握しやすい
また、表記ゆれを解決するために
UserScriptを利用することも考えられます。
UserScriptを利用する場合と比較したときは、「他人の別名を全員が利用可能」という点が別名登録記法の利点として期待できるでしょう。別名登録記法は別名記事を作成するだけですので、他人の使い勝手をあまり妨害することもありません。メニューから捨て記事を非表示にするUserCSSをプロジェクトで設定しておくとさらに効果が高いでしょう。
僕個人での利用例の場合、別名登録記法の主要なメリットは、「本来の名称より略称のほうが印象が強い場合に、略称で直接リンクを召喚」「略称の重複防止のための管理の手間を軽減」「英訳・和訳を登録」にあります.略称は名称が短い分、そのまま記事にしてしまうと他の項目との重複が避けづらく、曖昧さ回避ページの作成、記事の分割、記事タイトルへの注釈の書き込みなど、一定のメンテナンスを必要とします.しかし別名登録記法では、一旦登録してしまえばほとんど放置できます.
僕はGoogle検索中に大量の
中間記事を作成するため、記事作成コストが下がるのはとてもありがたいです.記事作成時に脳死で略号を登録するだけでマネジメントの必要が極端に減るわけです.
弱点
当然ですが、別名登録には、最低限ボタンを押して別名を入力するというぐらいの手間は要ります。また、正式名称がそもそも短い場合や、正式名称同士がバッティングした場合には無力です。そのときは大人しくカッコで注釈でも足してください。