generated at
9967_いのちは時間。いのちは自分が使える時間
『いのち、とはなんなのでしょうか』。そう問われた時に、私はいろんな言葉を思い浮かべましたが、『いのちは、時間。いのちは自分が使える時間』と、思いつけませんでした。そして、その限られた時間を自分のためだけに使っていていいのか、問いは続いていくのです。

2017年7月。日野原 重明、惜しまれつつ永眠。享年105歳。数カ月前まで患者を診続け、健やかに生きるための助言をしていたそうです。生きること2017.07.23
hr

>いのち、とはなんなのでしょうか。
>たとえば、風がふいているとき、風を見ることはできません。
>でも、木々がゆれていれば、風がふいていることがわかります。
>ゆれる木のこずえが、風があることを教えてくれるというわけです。
>『 いのちは、時間。いのちは自分が使える時間 』
日野原重明『いのちの授業』

>自分が独りで考えて自分の時間の使いかたを決められる大人になるということです。
>そのことを自立と言います。
日野原重明『いのちの授業』

『いのちは、時間。いのちは自分が使える時間』と、日野原は答えます。
そして、その限られた時間を自分のためだけに使っていていいのか、
問いは続いていくのです。
hr
その自分が使える時間を、誰も見たことのないプロダクトを、
世に送り出すために、捧げた人がいました。


>君たちが持つ時間は限られています。誰かが考えた結果に従って生きる必要はなく、自分自身の心と直感に素直に従い、勇気を持って行動することです。心や直感というのは、君たちが本当に望んでいる姿を知っているのです。
hr
大切な人の限られた時間のため、自分が使える時間を捧げた人もいました。

>写真家、ボブ・カーリーさんのウェブサイト。がん告知を受けてしまった妻のリンダさんを、元気づけようと立ち上げたもの。ピンクのチュチュ一枚だけの姿で街中や大自然の前で、自らが被写体となる。
hr
最近、住まいづくりのご依頼をいただくのは、私と同世代の住まいてさん、
私よりも、ずっと若い住まいてさんが、多くなりました。

この先、大滝建築事務所がなくなっても、私がいなくなっても、
建てさせていただいた、住宅は残っていきます。

あと何棟の住まいを、建てるチャンスがあるのかわかりません。
住まいてさんはもちろん、自分でも納得できる住まいだけを、
造らせてもらいたいと、強く願うようになりました。
hr
「世の中を変える」とか「未来はこうあるべき」と、
大きな声を上げるのではなく、「目の前にいる人」のために、
「今、自分ができること」を大切にしたい。
それが、自分でしかできない仕事なら、なお嬉しいのですが。

今を大切に生きること。
素晴らしいと信じる仕事を続けること。
素晴らしい仕事をする唯一の方法は、その仕事を愛すること。
私も自分が創るものに、精一杯の愛情を捧げよう。
そのために、自分が使える時間を、すべて捧げたいと思っています。