Social Common Capital@FtCTokyo
資本主義の欠点(格差など)を補完するための概念
人々の生活に不可欠な資源や制度を、市場任せではなく公的・地域的に守り運営する
健康・医療、教育、自然資源、インフラなどが代表例
背景と提唱者について
経済学者でありながら「人間の心」を重視する思想を展開
シカゴ大学在籍中、ジョセフ・スティグリッツやジョージ・アカロフ、ミルトン・フリードマンらと交流
資本主義と社会的共通資本の関係
市場経済は革新を促すが、不平等や価格高騰の弊害を生む
重要な社会基盤(医療・教育・インフラなど)を利益追求だけに委ねると、誰もが利用できなくなるリスク
「みんなに必要なものは、共同体や行政で守る」仕組みが必要
具体例・応用
新型コロナによる医療の重要性再認識
環境(自然資源・空気・水)やインフラ(道、水道、電気、インターネット)などは市場原理だけで扱うと不公平が拡大
SDGsとの関連:社会的共通資本はSDGsのように多角的な目標を結びつける役割を果たし得る
経済学の潮流と関連
アダム・スミスの『
道徳感情論』:共感や文化的土台の重視
宇沢氏の数理経済学:経済学の限界(価格にならない価値の軽視、想像力の限界)を自覚しつつ、数学的手法で社会的共通資本を分析
今後の展望
京都大学などで研究を継承・発展中
自然再生型農業(サバンナの森化など)での成果例:経済成長と環境・社会の両立を探求
量から質への転換(競争ではなく平和や美、幸福を追求する社会)を目指す
アートの力:
直島の例のように、資本主義の負の側面に対抗し、人々に自然や美への気づきを与える
まとめ
社会的共通資本は「誰も取り残さない」ための公共的仕組み
資本主義が進める効率・競争と、人間らしさ・自然環境を調和させる重要な視点
関心ある人材を歓迎:数理面や実践的な面で協力者を求めている