発散と収束のリンコグラフィーでの解釈
>KJ法の講演で話した「関係ないグループの間に見出された関係線が大事」という話とリンコグラフィーの「複数のバックリンクを持つmoveが収束的ムーブ」という話、つながるじゃん!と気づいた(この投稿自体が収束的ムーブ)
move
チェスの「手」に相当する言葉
会話が口頭で物理的に行われているケースでは、人力でビデオ記録を参照しながら文字起こしを分割したりする
チャットとかグループウェアの文脈だとざっくり1投稿が1 moveのイメージで良さそう
moveの間に関係がある時に「リンク」でつなぐ
orphan move
どこともリンクがつながってないmove
critical move
このクリティカルに「批判的」という意味はない
単に「重要な手」「大きな影響力のある手」
過去の2つ以上のmoveと繋がるのがcritical backlink move
未来の2つ以上のmoveと繋がるのがcritical forelink move
もちろん発話が行われた段階では未来につながるかどうかはわからない
一連の会話を後から振り返った時に「このmoveはcritical forelink moveだったね」となる
「critical forelink moveが発散思考、critical backlink moveが収束思考である」とする これが面白い。発散と収束についての解像度が上がった
例えば何かについての案だしのブレインストーミングをしているシチュエーションで「Aしたらいいと思う!」「Bがいい!」「Cがいい!」となったとする
これを漠然と「発散した」「発散思考だ」と捉えていたが、この定義に基けばこれは単なるorphan moveの集まり
「Aしたらいいと思う」「AにはBって問題がある」「Aをちょっと捻ってA2にしたら?」という会話がされたとする
これは最初のAが残りの二つから参照されているから発散思考
「Aしたらいいと思う」「AにはBって問題がある」「Aをちょっと捻ってA2にしたらBの問題が解決する!」
これだとAが発散で、A2が収束になる
このオリジナルのリンコグラフィーは会話を分析しているのでmoveが一次元的に並んでいるわけだが
考える花火や
マインドマップのように連想のツリーを広げていく場合はどうなるか?
「枝分かれの親」が発散で、異なる枝をつなぐリンクが収束になる
多くの一次元的なチャットやグループウェアのツリー型の掲示板のシステムに、個別の投稿への
パーマリンクの機能がある
なぜかというと、それがなければ「過去の投稿を指し示すこと」ができなくて不便だから
では、なぜ「過去の投稿を指し示すこと」が必要なのか
「それが収束思考だからだ」という解釈ができる
チャットやグループウェアでこのパーマリンクを分析して「発散思考の投稿」「収束思考の投稿」をハイライトする機能があると面白いかもしれない
議論が盛り上がった後でざっと見たい人に収束思考の投稿を優先して見るビューを提供するとか
Scrapbox
Scrapboxの1ページが行のツリー構造であることを踏まえると
各行がmove
箇条書きで子が複数ある親の行が発散思考
行リンクを使ってる行が収束思考
Scrapboxの「行リンク」は切り出しなどの作業で壊れてしまうのが問題
収束させる発言が真っ先に壊れる
それを嫌って引用でコピーすることも行われている
デジタルテキストは音声の会話と違ってコピーできるのが良いところ
だがしかしコピーは一方通行で、コピー先からコピー元をたどれなくなるのが問題だな