パーソン論
>パーソン論における「パーソン」とは、生命に関する権利を持つ主体のことであり、それはイコール人間ということではありません
>トゥーリは「どのような主体が人格を持つ権利主体だと認められるか」ということを問題提起し、それに対して以下の条件を満たすのが、権利主体を持つ人格(パーソン)であると主張しました。
>この定義に従うと、多くの動物がパーソンになるのに対し、胎児や乳幼児、脳死患者、無知な人々はパーソンの定義を満たさないことになってしまいます。
各種の「
権利」をもった「
ひと」である条件はどのようなものか
各種の「
権利」をもった「
ひと」である条件はどのようなものか
僕自身は
妊娠中絶にはあまり興味がないが、なるほどここに繋がるのか感
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胎児を殺す
中絶が
殺人に相当する禁忌でないのだとすると胎児と人を分けるものは何か、というわけね
中絶を認める=胎児を人と認めない
胎児は遺伝子的には完全にホモサピエンス
>いわゆる「パーソン論」で使われる議論は、私の理解では次のようになります。
> (1) われわれは「人」(person)と呼ばれる存在を特別あつかいにしている。あるいは特別扱いにせざるをえない。(事実)
> (2) 特別扱いにするならば、その特別扱いの理由をはっきりさせる必要がある。(合理性・道徳的思考における要求)
> (3) 人間(ホモサピエンス)を特別扱いにするならば、人間が他の動物と違う特質に訴える必要がある。
> (4) 人間が人間(ホモサピエンス)であることはその理由にならない。なぜホモサピエンスが特別なのかの理由を示す必要がある。
> (5) 候補としてあげられるのは言語の使用や自己意識の有無である。他にもありえる。
> (6) なんにしても、その基準が特別扱いにしている「人」とそれ以外の存在者との扱いを変える理由になるなら、その基準は人間以外の存在者にも適用されるべきだ。
>多くのパーソン論者は「自己意識」や「高度な知性」を特別扱いにする理由にしますが、もちろんそれを疑問視してもかまわない。...単なる提案にすぎません。
マイケル・トゥーリー「妊娠中絶と新生児殺し」
>「生命に対する権利」をもつためには、「自己の生命を維持することに対する欲求」がなければならない
>そのためには「自己の生命を維持すること」やつきつめれば「持続する自己」の概念をもっていなければならない
>この議論は多くの倫理学者によって検討された結果、あんまりうまくいってないと考えられてます。
>いまだにパーソンにこだわってるのは自然権とかそういうものでなんとか議論しようとしている人だけでしょう。
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> (1) 同じものは同じにあつかえ、同じにあつかわないのならばその根拠を明確にしろ、というのが道徳的思考の基本だ。
> (2) われわれは生物のなかでもパーソンを特別扱いにしている。
> (3) パーソンを特別扱いにするならその特徴を出せ。
> (4) どうもパーソンを特別あつかいにするのは心理的特徴しかないようだ。
>パーソン論をやっつけたいと思うならまさにこの(2)を攻撃すればよい。つまり、「パーソンかどうかなんか実は道徳的にはたいして重要ではないのだ」と主張すればよい。そしてこれが(私の理解では)どういうわけか「パーソン論者」として国内で忌み嫌われているピーター・シンガーの基本的な考え方
>まあそもそも「パーソンかどうか、その基準はなにか」みたいなことはもう古くさく...2000年ぐらいからは、パーソンかどうか、とかって二分法で考えるよりは、moral statusとかmoral standingみたいな形で、それぞれの生命にどういう(道徳的)価値があるだろうか、みたいに議論するのが一般的な形だと思うです。
>各種の道徳的地位の基準を検討して、いくつかの原則のミックスじゃないとだめみたいね、みたいな結論
> 2: 虐待禁止の原則。殺さなきゃならない理由がある場合でも、虐待や残酷はいかん。苦痛は最小限にするべき。
> 3: 道徳的行為者の原則。(理性をもっていて)道徳的に行為できる存在者はやっぱり特別な価値があるだろう。それがニンゲンであれ火星人であれ、ロボットであれ。
> 4: 人権。やはりすべての人間は人間としての権利をもっている。
> 5: 生物種間原則。生物種が異なっていても、ちゃんと配慮しなければならない。特にペットその他人間と深いかかわりをもっている存在者は相応の配慮を要求する。