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ブローカ野

《Broca's area》人の脳の領域の一部。新皮質左前頭葉に位置する。運動性言語中枢があり、言語を組み立てて発話する役割をもつ。この領域を損傷すると、複雑な文法に基づく発話ができなくなる失語症の症状を示す。
名称は、フランスの医師ピエール=ポール=ブローカにちなむ。→ウェルニッケ野

ブローカ野は言語の理解と産出に対する役割によって、主に2つの部位に分けられる。
三角部 (前側): 様々な刺激(複合モダリティー刺激の連合)の'モード'の理解、言語行為の計画を担うと考えられている。
弁蓋部 (後側):1種類のみの刺激(単一モダリティー刺激の連合)に対する処理や、運動野に近いことから、音声言語産出のための発声器官の調整を担うと考えられている。
この領域に損傷を受けた人々は、ブローカ失語(運動性失語非能弁的失語とも) の症状を示し、文法的に複雑な文章を作り出すことが不可能になる。
彼らの作る文章は、電文体と表現されるような内容語のみで構成されたものとなる。
患者はほとんどの場合、自らの言語障害に自覚的である。
また、ある種の統語的に複雑な文章の理解は苦手とするものの、ブローカ失語症患者の言語理解は正常である