『世界史の構造的理解』
2022/6/21
読もうと思ったきっかけ
pintcle読書会で世界史の本が題材になったから
その際にこの本も話題に上がった
同じ著者の本を、読んでる途中で止まっているが、まあいいや
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感想
歴史上の人物を、理系的とか文系的とか言って紹介する切り口おもろい
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は歴史の知識が全く無いので、逐一調べながら読んでいる
章を読み始める前に、章末のまとめを読んだほうが良いかも
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歴史学の博士の読書メモ
ボコボコに批判している
合わせて読みたい
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はじめに
>本書がとった方法は、過去の思想の古典のなかから、現代の大衆社会を正確に予言していたものを選び出し、それを物理の視点で抽象化してさらに未来に延長することだった。
世界史をある構造で捉えることで、他の時代にも興味が湧く
第1章 日本の歴史の節目や国難に現われていた理数系武士団
明確なビジョンが大事
勤勉な日本が保つ力は、理数系武士団による戦略
①独創的な発想力を持つ思想家
②開明派官僚
③各地の自発的学習者
無名の鉄砲鍛冶
④日本特有の文系出身の「伝道者」
①のビジョンを信仰する伝道者
→①は島津斉彬
→勝海舟
→織田信長
第2章 「世界統合」vs「勢力均衡」の構造でみた世界史
_ | 第二次世界大戦 | ナポレオン戦争 |
リーダー | ヒトラー | ナポレオン |
相手 | 英国,アメリカ,ソ連などの連合軍 | 英国, オーストリア, ロシアなどの連合軍 |
陸以外に弱い | 英本土航空戦で英国に負ける | トラファルガーの海戦で英国に負ける |
| ↑これのあと、ロシアに負ける | ↑これのあと、ロシアに負ける |
世界統合(ローマ型)と勢力均衡(ギリシャ型)
世界を根本的にどういうシステムで運営するか
ナポレオン戦争では、この2つがぶつかっていた
フランスは世界統合指向
イギリスが勢力均衡指向
中国の歴史
かつては勢力均衡型だった
一度、世界統合型になると勢力均衡型に戻るのは難しい
グローバリゼーション
第3章 帝国化の宿命を負った中国の地形
地形の比較
中国、世界統合型
切れ込んだ海がない
山脈などもない平原
ヨーロッパ、勢力均衡型
軍事の部脈での海と河川の違い
英国側は登場人物が、 小(英国)
、 1番目大きい
、 2番目大きい
の3者で
1番目大きい
v.s. 小(英国)
・ 2番目大きい
米国側は
空軍があれば同盟国不要で攻撃できる
番外編1 歴史を正しく把握するための「歴史換算年齢」
現代は学ぶもの多すぎ問題
一昔前の年齢を1.5倍すると、現在の年齢になる
e.g. 坂本龍馬が勝海舟に出会ったのは27歳の頃だが、現代の感覚で見ると40歳
+N歳
じゃなくて 1.5倍
なのがおもろい
第4章 資本主義を誤らせた天体力学の幻惑
現代の人類に必要な政治システムはなにか、を考える
気体分子の動き方と一般意志の話が似ているがぜんぜん違う
気体分子の方には長期的・短期的という概念がない
一つの著作や論説なりが一斉を風靡した後に、同じ方向に議論が積み重ねられる
という現象は文系のみでは起きない
批判の繰り返しなので
これが起きるためには、世界的な戦争のような大事件か、科学的発見が必要
「部分の総和は全体に一致する」という錯覚は天体力学によるもの
第5章 現代世界の「形のない皇帝」
あまりにも自由で平等な社会では、真の意味での多様性は消滅する
表面上は多用な価値観があるが、基本的な価値観などの根本的な部分は画一化される
短期的願望だけが多様化する
どこの国でも同じサービスを受けられる
生態系の劣化を一般化したようなもの
p.118の図がわかりやすい
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小さい店がいっぱいあるところに、
でかいショッピングモールができて、その中で経済活動が集まることで
小さい個人商店が全部潰れる感じ
ほぼ不可逆な過程
縮退した社会では、長期的願望が成立しなくなる
社会全体が短期的願望でしか動かない
(そういう一般名詞があるわけではない)
将来の人間はみんな快楽カプセルの中でVRを眺めて暮らすことになりそう
番外編2 われわれは「準四次世界大戦」の只中にいる
第6章 環境問題を包括する最重要問題
第7章 コラプサー化を阻んだイスラム文明とその「微積分学」どの敗北
第8章 歴史のなかの「世界交通網」が生んだ日本の特殊性
第9章 世界の出口はどうすれば見出せるのか
第10章 日本の出口はどう拓かれるか