夜も涼し 寝覚めの刈穂 手枕も 真袖も秋に 隔てなき風
折句とは、和歌の上の句(上五文字)と下の句(下七文字)の初めの文字を合わせて、別の意味のある言葉や文を作る技法です。
兼好法師の歌では、「よしねほたもまにへせ」で「寄しねぼだまに経せ」という意味の文ができており、頓阿の返歌では「よしねこはすなにしせ」で「寄しね来はすなにしせ」という意味の文ができています。
折句は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて流行した、和歌の遊戯的な技法の一つです。作者の知識や機知を示すために用いられました。このような技巧を凝らした和歌は、宮廷の遊び心を表現したものと言えるでしょう。