反出生主義
南アフリカ共和国の哲学者。ケープタウン大学哲学科教授
>2006年に出版した『生まれてこないほうが良かった: 存在してしまうことの害悪』（Better Never to Have Been: The Harm of Coming into Existence）で反出生主義を擁護したことで特に知られる。同書においてベネターは、誕生しこの世に存在するようになることは、出生する者にとっては深刻な害悪であり、したがってこれ以上の出生は常に道徳的に誤っている、と主張した
"反出生"主義は個人の出生自体を哲学的・倫理的に問題視するのに対し、
反"出生主義"は出産奨励の思想や政策に反対する立場です。
両者は個人の出生に対する考え方において大きく異なります。
"反出生"主義（アンチナタリズム）:
1. 生まれてくることは苦痛を伴うため、新しい生命を生み出すことは倫理的に問題があるとする哲学的立場。
2. 生まれてこない方が、その個人にとって良いと主張する。
3. 個人的な選択として出生を避けることを奨励するが、他者の出生を禁止することまでは求めない場合が多い。
4. 代表的な思想家としては、デイヴィッド・ベネターなどが挙げられる。
反"出生主義":
1. "出生主義"そのものに反対する立場。
"出生主義"とは、人口増加を奨励し、出産を積極的に推進する思想や政策を指す。
3. 反"出生主義"は、過度な人口増加が環境や社会に負の影響を与えることを懸念し、出産奨励政策に反対する。
4. ただし、個人の出生自体を否定するわけではなく、あくまで政策レベルでの出生促進に反対する立場。