generated at
6. 10月24日 AI創作物と知的財産権
玉井 克哉 東京大学 先端科学技術研究センター 教授・弁護士
水平線
shio
第2回遠山先生以来、法律の視点からのご紹介。
面白い話が聞けるのではないかと楽しみにしております。

玉井先生
3年ちょっと前から信州大教授を兼任している。
兼任している以上は、信州大学を有名にしてください。
2つやっていると給料は2倍?笑
文科省の
クロスアポイントメント制度
教授+非常勤講師
教授+教授→給料下がった

目次
イントロダクション
「ビックデータ」の時代
AIって、何?
知的財産法って、何?
AI創造物…

本日の内容
shioと同じ著作権法が専門。特に知的財産法。
打合せをした。法律の話といっても、著作権法何条に「公に」とある。それはどういうこと?とか。
そういう話は面白くない。
イントロで、法律家の視点から見る世の中をレクチャー。

法律学とはどういうものか?
法律学は進歩がないジャンル。
進歩があるのは物理、化学。科学は進歩する。18C
科学の発展はアメリカ合衆国の歴史と同じぐらい、法律学は2000年以上の歴史。学問としては進歩していない。
対象は変わっている。ローマ時代と変わらない考え方で現代の事象を考えていく。
ローマ時代、カルタゴという国の商人
オリーブ1樽の注文を受け、地中海を運搬中に船が沈んだ。注文者は代金を支払わなければいけないのか。
Amazonで注文をクリック、商品が届かなかった。代金を支払わなければならない?
→起きていることは同じ。
知的財産法は150年ぐらいしかないので歴史が浅い

ビックデータ
「すばらしい新世界」帰宅途上で…
新聞を読んでいると、スマホのアンドロイド
GoogleのOSのアンドロイドくん
先生のことを知っている。
shioはリンゴ教です。
IoTが発達してくると、冷蔵庫自身が冷蔵庫内に何があるのかを把握し、何がないのかを知らせてくる。
近所の酒屋さんとGoogleの結びつき。酒屋さんはGoogleにいくら支払うのか?
7000円だとして、1割が利益だとする。
酒屋さんは700円のうちいくらGoogleに支払う?
100円/300円→よろこんで支払うでしょう。
500円はきついかな…
情報を知っているとこういう商売が成り立つ。
先生の好みを全て知っている。

これは便利でいいかもしれないけど…

これはちょっと勘弁してよ…
じゃあ、鉄道でいくかとなると、ちょっとね…
札幌まで鉄道で
こういう世界では鉄道の運賃も前後する。
なぜこういう世界が現在ない理由は、先生が全日空やJALのサイトに自分でアクセスして往復4万円でゲットできるから。
全日空やJALからすると、絶対に乗らないといけない飛行機ならいくらでも支払うでしょう。
10万円というのが微妙なラインで、12万円だと高い行かないでしょう。ちょうどいい金額を提示してくる。
Googleの商売

Googleのプライバシーポリシー
端末固有ID:電話番号ではない。
通話情報
現在地情報
Googleのサービスに何かアップすると、その著作権はGoogleに帰属する。
Googleのサービスを使わなくなっても、永久にGoogleの著作物となる。
これらは明文で書いてある。


2006年ぐらいに一人勝ちが予想されたがFacebookが生まれたため競争相手ができる
単なる物流業者と思われていたAmazonも同じ。
Facebookは、検索して出てくる情報はよくない。
ヒアルロン酸がいいとかいっても信じない。でもお友達から言われたら信じる。
Amazonは、全ての情報ではなく、購買履歴だけを知っていればいいと考える。
次に何を買うかがわかればいいじゃん?

荻窪の酒屋さん:スボンサー
民放が50年以上前からやっているビジネスモデル
しかし、制度が全く違う。
Googleは放送という産業を滅ぼしてしまうのでしょう
民放
〇〇区分地図(紙媒体)



70億人分のデータを把握してしまえば、もうGoogleには勝てない。
Googleにうちの国の国民のデータを渡すまい、としたのがお隣の13億人の人口を抱える国です。
企業と覇権争い
ゼンリン
住宅地図を作っている会社
Google マップの基本データはゼンリンが提供している。
「OSを持っているGoogleは強い」

株式時価総額
世界トップ3→①Microsoft、②Apple、③Google
MicrosoftはOSとofficeという2つの柱で稼いできた。
Googleが世界を支配するという予想は外れました。
アメリカで、FacebookとAmazonという似たようなビジネスモデルがとる会社が出てきた。
中国で、Google、Facebook、Amazonは営業をすることはできない。

独禁法違反

日本政府もGoogleに1兆円ぐらい課徴金命令して、そのお金で国立大学法人の給料を上げてほしいものです。


GAFA
GAFとAとは全く違う。
AとMはGoogleが個人データを集めて行ったのを見て、これはとても無理だということに気づいた。
Googleが臨界点を超えると、もう無理。
個人データを取りません。

ほんとかな…?と思ったけど
アウトルックを使っていて出てくる広告を見ていると、自分のこと知らないな…と思うから、多分大丈夫。

現金と同じ→買った情報は保管しない。
クレカ会社にも渡さない。
現金で物を買ったのと同じだということで、情報を通知しない。
皆さんのデータを集めません、というビジネス。
Microsoftが復活した理由
みんなが書いたくなるような商品は作れない。
自分たちの強みはビジネス相手だということ。
Googleにビジネスメールの情報を読まれるのはいやでしょう?
クラウドで情報を扱うのはMicrosoftにやらせてください。

映画「AI」
2001年、機械学習、深層学習ということを知らない前提で作られている。
でも発想は当時からあった。
ビックデータをいろんな事業者が使うようになって。
大量の情報を処理することができるようなPCが出てきた。
iPhoneは20年前のスパコン並みの処理能力がある。
全員がスマホを持っているとして、まともに情報処理をしようとすると、とてつもない労力が必要。
PCが人間をシュミレーションできるようになったかというと、そんなことはない。

インプット→アウトプット
両者の間は空白でいい。
脳ミソの中で何をやっているかは知らなくていい。
電子メールの分析
ある会社で不祥事があったとして、独禁法違反を捕まえるために会社のサーバーを使って電子メールを全部読む。
機械が読む。
CEOがよその会社のCEOに、今度お昼にカツ丼食べませんか?というメールを送っていたとしたら独禁法違反のカルテル・談合の可能性あり。
未知のものに対して、多分こうだろうということを判断できるのが機械学習。
将棋で人間はAIに勝てない。
応用例
音声認識
画像認識の技術→自動運転
人間が飛び出してきたら停止。
犬だったらゆっくり停止。
象だったら絶対止まらなければならない。車が大破するから。

警官の女性
画像認識のサングラス
2年前の万引きで、ポップフェスで捕まるとか。

法律は全て人に関するもの。
法律が人の段階を特別に人として扱うことにしたものがあって、法人。会社、大学法人とか。

有体物について発展してきた権利を、無体物に対しても認める。
無体物の価値が今や先進的な企業については、企業価値の多くを占める。
先生のiPhone、去年発売当時は999ドル
原価は400ドルくらい。
収益率40数%、儲かる
アメリカ経済で、有体物:無体物=2:8

発明について
本庶先生
自分の免疫を使ってがんを攻撃させるのに不可欠ないくつかのアイデアを、人類として初めて世界に提示した。
マイクロフォン
昔は雑音が酷かった。今はそんなことはない。
いろんなところに転がっています。

AIが「人間さんがこういうものを作るなら、私たちもこういうものを作ってみました〜」

例1
Google翻訳にかける
例2
こういうメロディを組み合わせると売れるんだよね
例3
人工知能が書いてくれる。
例4
プログラミングをコンピュータが人間に変わってやってくれるかも。
今までは、人が作ったものに著作権が発生。
これが、今では、Google翻訳。
間にいるのは人間なのか、機械なのか。
機械が作ったものは著作物となるのか?
法律学は保守的。
人工知能が作るというのは最近の現象だけど、似たような現象は過去にあったのではないか?

セルフィーモンキー


「物」に権利はない
人の世界と物の世界は全く違う

1審は「人間以外の者が著作者となることを認めない」


機械に権利はない。







機械の支援を得て創作する人
ボタンを押すだけの人は、創作したことにはならない。

創作とは何かの考え方が変わってくると思う。
機械ができる程度のことは創作ではなくなる?
科学の世界
PCR法
遺伝を解析するのにどうしようもない。
アメリカのパラリーガル
20年前の話。アメリカのパラリーガルの仕事は減ってきていて、インドのパラリーガルが仕事をする。
時差を利用して、アメリカの弁護士が寝ている間に仕事が終わる。
インドのパラリーガルの仕事もAIがやるようになる。
人間がやるとミスがある。
運転をする意味があるのはF1ドライバーとか。週2回ぐらいしか運転をしない先生みたいな人は、機械がやった方が安全なのではないか。

AIは自分で発展して行って、全然別のものになる。
将棋プログラム:羽生さんに対応できるプログラム
ミソは、羽生さんが創作したプログラムではないということ。
羽生さんの少し下のレベルでさしている将棋プログラムが成長していくということがすごい。

自動追尾装置
誤作動して追突したら?

Googleマップにミスがあって解体業者に自宅を壊された。
この場合は損害賠償請求になるのかな。
どう考えるか。