>エピクロスの唯物的哲学の影響を受けたローマの詩人哲学者ルクレティウス(BC94頃〜55)の現存唯一の長詩。エピクロス哲学の原子論的自然観を詳述した科学的啓蒙書として現在無二の史料的価値をもつ作品である。一切の現象を因果関係において把え、原子と空間から成る世界の自然法則を説明して現実の生を楽しむことを教えたこの雄大な長詩は古代の哲学の圧巻である。