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土と内臓 (微生物がつくる世界)


>はじめに――農地と土壌と私たちのからだに棲む微生物への無差別攻撃の正当性が疑われている
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> 第1章  庭から見えた、生命の車輪を回す小宇宙
> 死んだ土
> 堆肥を集める
> 夢にみたづくり
> 夏の日照りと冬の大雨
> 手品のように消える有機物
> 花開く土壌生物の世界
> 五年間でできた沃野
> 庭から見えた「自然の隠れた半分」
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> 第2章  高層大気から胃の中までどこにでもいる微生物
> どこにでもいる微生物
> 生き続ける原始生物
> 遺伝子の水平伝播もしくはセックスによらない遺伝的乱交
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> 第3章  生命の探究生物のほとんどは微生物
> 自然の名前――リンネの分類法
> ちっぽけな動物たち――顕微鏡の発見
> 発酵する才能――パスツールが開いた扉
> 生命の木を揺さぶる手――ウーズの発見
> ウイルスの分類
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> 第4章  協力しあう微生物
> なぜ「種」という概念が疑わしくなるのか
> 微生物の共生
> 細胞の一部でありながら一部ではない――ミトコンドリア葉緑体
> シンビオジェネシス――別個の微生物が合体する
> 生命の組み立て
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> 第5章  土との戦争
> 氷期のあとで
> 光合成の発見
> 最少律
> 小さな魔法使い
> 還元の原則――ハーバーボッシュ法とハワードの実践的実験
> 触媒としての微生物
>農業聖典」とアジアの小規模農業
> 土壌の肥沃度についてのパラダイムシフト
> 第二次大戦と化学肥料工場
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> 第6章  地下の協力者の複雑なはたらき
> 土中の犬といそがしい細菌
> 太古のルーツ
> 根圏と微生物
> 食べ物の力
> 植物と根圏微生物の多彩な相互作用
> 菌類を呼ぶ――植物と菌類のコミュニケーション
> 沈黙のパートナー――土壌生態学が解明する地下の共生・共進化
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> 第7章  ヒトの大腸微生物と免疫系の中心地
> がんが見つかる
> 手術後に考えたこと――がんと食生活
> サケの遡上と川の環境
> がん予防の食事――ハイジの皿
> 美食の海で?れる
> 食事をラディカルに見直す
> 食べる薬を栽培する菜園
> 人体の中の微生物
> 大腸はなぜ免疫系の中心なのか
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> 第8章  体内の自然
> 減った病気と増えた病気
> 免疫の二面性
> 過ぎたるはなお
> 二つの免疫
> 恐れ知らずの探検家
> 抗原という言語
> 炎症のバランス
> 微生物の協力者
> 共生生物の種
> ちょうどよい炎症
> 太古からの味方
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> 第9章  見えない敵細菌、ウイルス、原生生物と伝染病
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> 第10章  反目する救世主コッホとパスツール
> シルクとパスツール
> 顕微鏡とコッホ
> 細菌の分離
> 細菌論のルーツ――培養できる微生物に限定される
> 奇跡の薬
> 奇跡の値段
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> 第11章  大腸の微生物相を変える実験
> 内側からの毒――腸内微生物と肥満
> 脂肪の二つの役割
> 腸内細菌相の移植
> 消化経路――胃・小腸・大腸の役割
> ゴミを黄金に――大腸での発酵細菌の活躍
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> 第12章  体内の庭
> 婦人科医療と細菌のはたらき
> 穀物の問題――完全だった栄養パッケージをばらばらにする
> 内なる雑食動物
> 食生活を変えて腸内の微生物ガーデニングを意識する
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> 第13章  ヒトの消化管をひっくり返すと植物の根と同じ働き
> 自然の預言者
> 減った栄養素
> 諸刃の遺産
> ミクロの肥料
> 見えない境界線――根と大腸は同じはたらき
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> 第14章  土壌の健康と人間の健康おわりにかえて 
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> 謝辞 
> 訳者あとがき 
> キーワード解説 
> (巻末より)原註
> 参考文献
> 索引
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原題は The Hidden Half of Nature で、「隠された自然の半分」

目に見えない微生物に対する、科学的な無差別攻撃が実施されていることへの懸念
微生物の大きな5つの類型
有機物が土壌に栄養を与えてくれている


自宅の庭作りを通して土壌の健康を学んできた著者が、自身もにかかったことで体内マイクロバイオームにも目を向けるようになった
人間の内臓と土壌は、多くの点で似ていることに気づく
土壌や人間に体内に住む細菌の大多数は私達に有益であるのだが、近年では逆のイメージになってしまっている
殺菌抗菌が大事だと思わされているが、それでは有益な微生物たちも殺してしまう
癌を予防するためにも食生活を見直す
食物繊維大腸にとって大事な肥料
一見無駄なものが実は重要な価値を持っていたりする
加工食品や肉は大腸の環境を悪くする
美食の海で溺れないこと
基本的に現代人は果物と野菜が少なすぎ、肉が多すぎ

植物は成長に必要な主な栄養を岩、土壌、有機物、空気、水から得る
空気に含まれる窒素は直接摂取できないため、窒素を分解する微生物が必要となる
菌類が死骸や有機物を分解することによって、植物は微量栄養素を得る


ミトコンドリア葉緑体のように、協力しあうことが大きな躍進を遂げる