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ヒロシマを暴いた男 米国人ジャーナリスト、国家権力への挑戦


内容説明
> 終戦から一年、とある雑誌の特集記事『ヒロシマ』は世界を揺るがす大スクープとなった。記者ジョン・ハーシーは、いかにしてアメリカ軍による隠蔽とGHQの目をくぐり抜け、のちに名著となるこのルポを書き上げたのか。国家権力に挑んだ、そのジャーナリスト精神に迫る。

目次
> イントロダクション
> 第1章 この写真はすべてを物語ってはいない
> 第2章 特ダネで世界を出し抜く
> 第3章 マッカーサーの閉鎖的な王国
> 第4章 六人の生存者
> 第5章 広島でのいくつかの出来事
> 第6章 爆発
> 第7章 余波
> エピローグ

ヒロシマ by ジョン・ハーシーを書き上げるまでの記録と、公開後の世界の反響を含めた記録
原爆被害を隠蔽したがっていたアメリカ軍は、広島の現地状況に関する報道を規制していた
当時の報道では、原子爆弾は爆発による威力がメインで、その後の放射線被害に関しては大したことが無いと報道されていた
原子爆弾の恐ろしさが世界の人々に知れ渡ったことにより、核は抑止力となり、2023年現在では今のところ再び使用されてはいない
p31
>『ヒロシマ』はーー絶えず読者を感情的に圧倒する力をもってーー何百万部も売れ、長いこと核抑止の柱となってきた。何年もあと、ハーシーはこの役割について、こうした目撃者の証言が後続の世代の指導者たちをこの惑星を灰化することから遠ざけたと語った。「特定の兵器に対する恐怖心が抑止力となったのではない」と、彼は言った。「それはむしろ、記憶だ。広島で起きたことの記憶だ」
核の恐ろしさが風化し、再び利用されるようなことがあれば、地球が灰化してしまう
人類の失敗の記憶を風化させずに、警句として語り継ぎたい思いがこの本にある

ジョン・ハーシーは、ソーントン・ワイルダーの書籍:サン・ルイス・レイ橋を参考にして、一人一人の登場人物の視点から原子爆弾の恐ろしさを描写しようとひらめいた
十三機兵防衛圏のような個人の物語の集積が壮大なストーリーを語るのと似た構造を感じる