RubyKaigi 2023 に参加した松本市民です
開催前
とくに「はじめて RubyKaigi に参加する人」に向けて、こうやって関わるといいと思うよ〜という内容にしました。松本市民としては「
三ガク都」を覚えてもらいたいところです。
会期中
現在のぼくは業務で Ruby をがっつり書くような状況でもなく、以前ほどは Ruby の最新情報や詳細情報を追わなくなっています。とはいえソフトウェアはいつでも身近な存在ですし、ソフトウェア開発やプログラミングに関する大きな流れは捉えておきたい立場です。
RubyKaigi 2023 で話されている内容を浴びているとその流れを感じることができてありがたいです。ホットだな〜と感じたのは「パフォーマンス」「パーサ」「型」「セキュリティ」「開発者体験」あたりです。プログラミングに用いられるテキストエディタとして、ここ数年で一気に
VS Code がシェアを伸ばしているのも感じますね。
おもに「型」の話題に伴う形で
LLM への言及があったのは 2023 年っぽかったなあ。
Matz もキーノートの中で
ChatGPT の話をしていました。
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「Ruby Committers and The World」は期待通りにおもしろかったです。途中で Ruby 4 の話があって、ぼくは他の場所で Ruby 4 の話題を見聞きすることなくここまできたので「たしかに、どうなるんだろう?」と思いながら聞いていました。そしたら
Matz から後継者問題というか、今後の Ruby に関する意思決定の体制のような話が出てきて、少し動揺しました。でも言われてみればそうだよなあ、いわば創業社長みたいな立場で、継承というトピックとはいつかは向かい合わなければならないか。
ところで、Ruby コミッタのみなさんは本当にかっこいいですよね。今年、日本は
ワールド・ベースボール・クラシックで優勝して野球がおおいに盛り上がり、野球をはじめる子どもが増えているなんて話も聞こえてきます。憧れは人を動かすのでしょう。Ruby と Rails の両方のコミッタなんて
二刀流ってことですもんね。かっこいい。
ぼくはぼくで、自分の人生がかっこいいものになるようにやっていきたいな〜と思わされます。
かっこいい人たちがなにかに熱中していて、それについて楽しそうに話す姿。エネルギーがありますね。大きなエネルギーが Kaigi 空間を満たしているのを感じました。プレゼンテーションが行われているホールだけじゃなくて、あらゆるところで Kaigi が進行しています。
こういった熱量を伝搬させていくのも Kaigi の役割のひとつになっているでしょう。今回、
RubyKaigi に初めて参加するという人もけっこういたみたいですね。新しい人たちを受け入れていくのは
コミュニティの発展にとって極めて重要です。
>まず本人が楽しんで、その姿を見せていって、新しい人が入ってくることを歓迎していることを伝えていく
毎年、同じようなメンツで集まるばかりで参加者の平均年齢がどんどん上がっていくようだとなかなかたいへんだと思います。
RubyKaigi 2023 には新しい人たちもたくさん参加していて、それぞれがなにかを感じ取って日常に帰っていったように見えました。
先ほどはめずらしく野球の話を交えましたが、今度はめずらしくサッカーの話からの引用です。
>そして何より重要なのは、その姿を育成年代の子どもたちが見ることです。サッカークラブは、地域は、そうしたおっさんたちにグラウンドを提供し、それを目の当たりにすることで、子どもたちはサッカーが上位総取りの序列的なスポーツではないことを理解します。サッカー、自分、自分より上手い/下手な人たち、それを上からジャッジする誰か、という序列構造から、サッカーと自分の蜜月関係を取り戻す方法を知ります。
Ruby コミッタのみなさんのかっこいい姿を見るのはめちゃくちゃグッドだとして、それだけではなく、めいいっぱい Ruby を楽しんでいるいろんな人たちの姿を見てもらうのも地味に大事なのだろうと思います。
>また、以前のような賑わい戻ってきていたりしつつも、RubyKaigiにそもそも初参加する人がかなりいたりして、新旧のコミュニティがあるように思います。そこをうまく繋ぐための合同ランチなんかを野良で今年も企画したりしてみました。皆さんがうまいことコミュニケーションできていたらうれしいです!
イベントが始まる数日前から
asonas くんたちと合同ランチ的なものを企画していました。
Day 2 の昼は 50 名くらい
Day 2 の夜は 40 名くらい
Day 3 の昼は 20 名くらい?
をだいたい 4 人ずつのグループにわけて「会食を楽しんできてください!」と松本の街に送り出しました。シャッフルされた人々から「楽しかった」との声をいくつかいただいています。なにかのきっかけになっていたらうれしいです。
>各社メンバーでのシャッフル飲み会楽しかったーーー企画もスムーズすぎてありがたし💯💯
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>シャッフル飲み会、めちゃくちゃ楽しかったなぁ〜〜🍻 これぞRubyKaigiを堪能している😋
実は、このへんの取り組みは
RubyKaigi 2011 の頃にやっていた活動にルーツがあります。2019 年に少し整理してまとめていたりしました。
>ボッチ、つまりひとりで過ごす時間そのものを否定しているわけではありません。イベントに参加して、心の中に「会期中にあの人とお話してみたいな…」「ライブラリの作者さんに一言でもお礼を言いたいな…」「気の合う人と懇親できたらいいな…」のような声がほんの少しでもあるのなら、それを後押しできたらいいな〜と思って設計していました。
あれから 12 年が経った今も同じようなことをやっているので、自分の中でどうしても大事なことなのだろうと思います。
Ruby コミッタのみなさんの話を聞けば、Ruby について。あるいは、いろんな会社で働くプログラマの人たちと交流すれば、その会社が提供しているプロダクトについて。「生産者の顔が見える、声が聞こえる」状態になると思います。
プロダクトの向こうにはそれをつくっている人がいるのだと体験から理解できるようになれば、世の中のプロダクトに対する向き合い方が変わってくるものでしょう。プロダクトに対する不満があったとして、ツイッターに「このプロダクトはクソ」と書くのか、中の人に「ここが◯◯だったので、◯◯になるとうれしいです!」と声をかけるのか、大きな違いがあります。少しでも、生きている人間を想像したやりとりが増えるといいなぁと願っています。
ひとりひとりが Nice にふるまって、Nice な場をつくって、Nice な成果物を生み出していけるといいですね。
>コミュニティとは誰か。もちろん、あなたのことだ。あなたがコミュニティであり、それ以外にコミュニティはいない。あなたのような人々の集まりを、コミュニティと呼ぶのだ。
RubyKaigi 2023、めちゃくちゃ楽しかったです。関わったすべてのみなさんに感謝します。ありがとうございました!また別の場所で、元気にお会いしましょう。松本にもまた遊びにきてくださいね。
(おまけ) わたくしごと
ここから先はおまけなので、ここまでの文章よりさらに自分のための記録になります。
>ところで、技術書を買う財力もなかった中学生のころに、「後輩たちに贈りたい本」という @june29 さんの企画で名著『リーダブルコード』を頂いたことがあります。 また、Amazon のほしいものリスト経由で頂いた技術書にも大変お世話になっていました。 そのころ諸先輩から受けてきた恩こそが、情報発信や書籍執筆のモチベーションを支える原体験です。
ちょっとした縁のある
lmt_swallow さんのトークを見てきました。お話の内容がおもしろいのもそうなんですが、勝手に「あのときの中学生が…」としみじみしてしまう奇妙な聴衆の係をやりました…。
ぼくは涙をこらえたけれど
koic 先輩は泣いちゃったみたい。泣いちゃうよね!
>@koic: 最後スタッフの方たちが壇上にあがったところで感動のあまり泣いちゃった。
かつて運営に関わっていた身からすると、壇上から見た眩しい光景のことを思い出しちゃうシーンなのよね。松本の先輩である
cobachie 先輩の激アツのレポートを読んでいると、やっぱりグッときますねぇ。本当にすばらしい Kaigi をありがとうございました。
>期間中には感動した瞬間が何度かあったのですが、特に泣いちゃった瞬間3つを紹介します。
(おまけ) 翌日
松本市民なのでカジュアルに
まつもと市民芸術館に立ち寄ってしまう。Ruby の赤がなくなっていてさびしい!
(おまけ) 松本市民として
大和田観光を自称して、遠方から松本にやってくるみなさんのお手伝いをしていました。
Day 0 のワーケーション、荷物運び
Day 1、Day 2、Day 3 の連泊
Day 2 の松本城への連行
>今回、大きな荷物(※同人誌100冊、10kg超)があり、お宿の方へ宅配してもいいか伺ったところ、ご快諾いただけました。おいしいお蕎麦屋さんもご案内いただきました。ありがとうございました!
>昨晩から大和田観光のホテル、ホテル大和田に宿泊させていただく。快適。なお大和田観光・ホテルは友人宅なので調べても出てこないので注意。朝は水田や山々を見ながら散歩。いい場所だなあ。良すぎて別のルートで朝散歩をもう一度してしまった。
>@sugamasao: day2のお昼に @june29 から「天気の良い時に見た方が良いから!!」と急足で松本城を見に行けた体験がすごく良かったんですよね〜。山とセットでめちゃかっこいい
>転職してから、こういったカンファレンスで前職のメンバーとあって話をするのが楽しみになっています。
>特に @june29 や @kenchan @hsbt @kurotaky などは、一緒にお仕事する機会が多かったのはもちろん、RubyKaigiの楽しみ方や、Rubyコミュニティの面白さ、Rubyistとのつながりを作ってくれた人たちです。