generated at
現実とメッセージ
東京都は、いわゆる「3 回目の緊急事態宣言」の対象地域であったが、2021-06-21 には解除となった。一方、都内の新型コロナウィルス感染症の新規陽性者数は前週同曜日と比べて増えている。

2021-06-22 : 435人
2021-06-21 : 236人

2021-06-15 : 337人
2021-06-14 : 209人

「緊急事態宣言の解除」は「状況はよくなっているよ〜」というメッセージを帯びていると思うものの、数値から見える現実は手放しでよろこべるような状況ではなくて、どうやら自分は現実とメッセージの間に不和や矛盾を感じると強いストレスになってしまうようだ。このことを 2020 年から 2021 年にかけて痛感している。

煙を吹いているロボットが「システムはすべて正常です」と言い張っているような心地悪さ、という感じだろうか。

ぼくを含めほとんどの人間は感染症対策の専門家ではないし、判断に役立つ情報を十分に揃えられているわけでもないから、単純化されたメッセージをもとにさまざまな判断を行うことだろう。メッセージは人々の行動を促すためにある。現に「緊急事態宣言が解除されたから◯◯を再開する」という判断は社会のいたるところで観測される。しかし、ぼくは「怖い」と思ってしまっている。緊急事態宣言の解除は、必ずしも「感染リスクが十分に低くなった」ことを意味しない。

これは信頼の話かもしれない。メッセージを発する主体を信用できていないと深く疑いながらメッセージを受信することになり、メッセージが社会に悪影響を与えるのではないかと心配してしまう。