日本で一番悪い奴ら
主演の
綾野剛さんの演技はよかったと思う。序盤の初々しい感じから終盤の堕ちていく感じまで、同じ人がその移り変わりを表現できているのはすごい。観終わったあとすぐに「これは元となった事件の Wikipedia のページを見るのが捗るやつ〜」と思って
稲葉事件 - Wikipedia に飛びついて、読めば読むほど「映画で描かれていたことはほとんどすべて実話じゃん…」となって驚いた。
事実は小説より奇なりというか、どうやら実際にこんなことがあったっぽい。
煙草の煙で室内がもくもくしているところなんかは『
全裸監督』のときと同様に「
昭和の日本ってこんなだったのか〜」という感想を抱くが、
稲葉圭昭さんが逮捕されたのは 2002 年のことで、それからまだ 20 年も経っておらず、
昭和じゃなくて
平成の事件なんだよな。少し前まで日本ではこんなことが行われていたわけだし、なんだったら今でも似たようなことはあるのだろう…。
稲葉圭昭さんは 1953 年の生まれで、これを書いている
2021-09-26 現在で 68 歳くらいか。描かれている世界が自分の生きている世界とは違いすぎて、遠い昔のことのように思えてしまう。ので、今も生きている
稲葉圭昭さんの姿を見ると変な感じがする。
映画に加えていくつかのインタビュー記事やインタビュー映像に目を通しただけだから何がわかるってわけでもないけど、たぶん
稲葉圭昭さんはとても素直でまっすぐな人なのだと思う。
警察官にならずに、別の組織に属して別の目標のもとに動いていたら、ぜんぜんちがう形でその名を知られる人になっていたかもなあ、と思わされた。
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