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デジタル世界のアイデンティティ 2020
「User ID」とか「username」とか、単に「ID」と呼ばれるような、ある個人を指し示す文字列や画像について。

前提となる考え方

ぼくは「可能な限り、すべての場所で同一個人として同じ ID でふるまう方がお得」と考えており、実際にそのような戦略を採っています。なので「場所ごとに ID を使い分ける派です」という人にはあまり役立たない情報かと思います。

英数字で構成される ID 的なやつ

ユニークであること
よく知られた単語だったりすると、他の人も使用しがち
オリジナルの造語は強い
どこでも使えること
プラットフォームごとに「使用可能な文字」が設定されている
英数字 a-z 0-9 であればだいたいどこでも使えるので、この組み合わせがよい
先頭に数字を使えないケースはちょいちょいあるので、先頭はアルファベットが無難
- _ . あたりは使えたり使えなかったりする、記号は避けておくのが無難
文字数制限もまちまちなので 3 〜 15 文字くらいにしておくと安心?要出典
入力しやすいこと
難しい綴りだったり、脳内で二択になる ( tu or tsu とか) 文字列だと間違われやすい
発話しやすいこと
なんて読むのかわかりにくいやつだと口頭で呼ばれるときに困りがち

june29 はどうか?
ユニークか?
あんまりよくない
「6 月 29 日」という意味なので、地球中の 6 月 29 日生まれの人たちと空間を奪い合っている
Twitter や GitHub ではぼくが june29 を取ったけど、Google や Facebook では他の人に取られている
どこでも使えるか?
だいたいどこでも使える
Facebook のミドルネームには数字を使えない!
入力しやすいこと
なかなかよい
ちょくちょく jun29 と書かれるので、その点ではよくない ID だと思う
発話しやすいこと
どう呼んだらいいか自明ではないので、あまりよくないと思う
「じゅーんにーきゅーさん」「じゅんにくさん」などと呼ばれる
オフラインでは「じゅーんさん」と呼んでもらうことが多く、そこと一致していない
オフラインで「じゅーんさん」と呼んでくれる人は文字ベースのやりとりでは「june さん」と 29 を省略して表記することもある
もう 10 年以上も使用している源氏名なのでぼくは愛着を持って使っているが、今から新規で選ぶなら別のものを検討すると思う

どういうのがいい?
「姓 + 名の一文字」パティーン
takahashim jkondo tagomoris など
これがビシッときまる人、ちょっとうらやましく思っている
「名 + 姓の一文字」パティーン
sotarok kotarok など
これがビシッときまる人、ちょっとうらやましく思っている
珍しい姓をそのまま使うパティーン
kakutani ogidow など
日本人以外と取り合いにならないので強い
そういう意味ではぼくも ohwada として活動を始めてもよかったのかもしれない
完全オリジナル
zoamichi など

プロフィール画像

ユニークであること
小さくても見やすいこと
多くのプラットフォームにおいて、小さいところでは 32x32 くらいのサイズで表示されることがある
権利の問題がないこと
著作権や肖像権の問題に触れていないに越したことはないと思っている

june29 はどうか?
札幌市で学生をやっていたときのお気に入りのリングの写真を、今もよく使っている
色味も形もあんまりないタイプで、自分で撮った写真なので、けっこう悪くないチョイスだと思っている



2020 年に思うこと

…と、ここまでに書いたようなことを 2010 年代前半までは強く思っていたわけですが、最近は別のことも考える
多くのプラットフォームにおいて、地球上の全員でひとつの名前空間を共有している
ので、あとから参入する人ほど選択肢が少なくなっていく
ぼくがいま 13 歳だとして「さーて Instagram を始めるか」と思っても、短い文字列はほとんど取得できない
現行のようなアイデンティティを示すユーザ登録型の仕組みが世に広まって 10 年以上が経過して、「名前空間はグローバルにひとつ」「早いもの勝ち」「一度取得されたものは永久欠番」なシステムはけっこう無理がある、少なくともどんどん苦しくなっていく、と感じるようになってきた
Display Name 文化の勃興
Twitter や Slack のように「ユニーク制約のある不変的な ID 的なもの」とは別に「ユニーク性がなかったりする」「いつでも好きに変えてよい」「マルチバイト文字も使える」そんな、やわらかい名前を活用する習慣が広まりつつある?要出典
「ID は大事!」「しっかり考えて決めよう!」なんて大声で叫ぶ世代は、ぼくらで最後かもしれない

その他

ID を変え続けることがその人のアイデンティティになる、みたいな例もある