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チームにふりかえりの概念を持ち込むときに考えること
「チームでふりかえりをやっていくのだ」という人がいたので話していたら、自分が考えていることがまとまってきたのでここに書いておく。これから初回のふりかえり会をやります、って状況を想定する。

ふりかえり会の前は

ふりかえりに限らず、手段の押し付けという雰囲気が出るとチームの警戒心が高まりがちなので、あくまでも「チームの人々が感じている課題」を出発点とする。「◯◯がうまくいかなくて〜」等の相談があったときに「じゃあ、一度ふりかえりをやってみましょうか」と促してみる。

ふりかえり会は

ふりかえりの手法はいろいろあるので、状況に合わせて好きなやつを使えばいい。短期のふりかえりであれば KPT が参加者にとって簡単でいいと思う。対象期間が「直近 1 年」みたいな大きな話になる場合は、そもそも扱おうとしているトピックが大きい可能性が高いので「一度のふりかえり会」でなんとかなると思わずに、もうちょっと堅実に進めると思う。

会の冒頭では「ふりかえりの意義とゴール」「この会のグランドルール」を共有する。

グランドルールは「ふりかえり グランドルール」でウェブ検索したら参考になる話がいっぱい出てくるでしょう。ぼくが採用することが多いのはこのあたり。

チームのひとりひとりが、そのときの最善を尽くしていることを疑わない
原因を探るのはいいけれど、責任を追求する場ではない
意見を述べるときは、主語を「私」にして「私は、こう思う」「私は、こう感じた」と言いましょう

KPT をやるとして、チームのこんなところを観察する。

このチームは Keep をスムーズに出せるか
このチームは Problem からスムーズに Try を出せるか
会における発言回数や話している時間が偏り過ぎていないか、ほとんど参加できていない人はいないか

発言の少ない参加者がいたら、自分から話を振ったりして、なるべく全員が意見を表明できている状態を目指す。

ふりかえり会のあとは

初回のふりかえり会のあとをどう過ごすかは、かなり大事。「ふりかえりをやったら、自分たちの日々がよくなった」と感じられなければ、ふりかえりは「やってもやらなくても変わらない」という認識になってしまう。なので、自分はなにかひとつでもいいから「いやあ、よくなりましたねぇ」となるように動く。

みなさんが自分たちの日々の改善ポイントを発見できたことで、みなさんの日々がよい方向に動きましたね。これからも改善ポイントを見つけては、少しずつ改善していきましょうね。

…というメッセージをわかりやすく伝える。チームの人々が「よかった」と思えるようなふりかえりを 3 周くらいまわすと、自分たちの日々をどう変えていけばいいかのコツがつかめてくるので、あとは自然に転がっていくのを見守る。