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ご近所付き合い 2022
今年は「ご近所付き合い」を楽しんでいたな〜と思うので、その話を書いてみる。

2021-04-22那須塩原市にやってきて 1 年半以上が経った。引っ越してきた直後に近隣のみなさんにごあいさつしてまわるときは緊張していた。この黒磯という地域について前情報をほとんど持たずにきたので、よそからやってきた人間がどのように迎えられるのかはわからないよな、と思っていた。

心配は杞憂で、どの家庭も「ご丁寧にどうも〜」とあいさつに応じてくれた。

田んぼで稲を育てているおじちゃん、いつも庭の畑をいじっているおじちゃん、よく盆栽や畑の世話をしているおばあちゃんは、わりと接点を多めに持てた。日記にもたびたび書いている通り、彼女ら彼らが育てて収穫した野菜や果物の類を何度もいただいている。とてもありがたい。

よく行くコンビニの店員さんたちは、妻とぼくの名前を覚えてくれている。入店すると「じゅんさんまみさん〜」と声をかけてくれる。最近、ひとりの店員さんがお子さんを産んだのでとてもめでたい。もうすぐ産休に入りそうだな、というタイミングで六花亭のお菓子の詰め合わせをお店に持っていって「安産祈願です!」と言って渡した。みなさんがよろこんでくれてよかった。ぼくも店員さんたちのことは名前で呼んでいる。

知り合いのひとりもいない状態でここでの生活をスタートしたけれど。今では「お散歩中にたまに会う」くらいの人も含めると、生活の中に十数人くらいの「ご近所さん」たちがいて、とてもフレンドリーに接してもらっている。ぼくはこの関係性を気に入っているし、恵まれた環境だなあと思う。

生活の「徒歩圏内」から「自家用車で移動している範囲」に広げてみると。

伊藤家と館野家にはずいぶんとお世話になっている。バーベキューをしたり、お花見をしたり、花火大会を見にいったり。hiboma さんも secondlife さんも同年代のソフトウェアエンジニアということで、あれこれの前提を共有できた上で話せる友人たちがすぐに会える場所にいるのはありがたかった。ちょうどきのう、ぼくより先に那須塩原市での生活を始めている hiboma さんの記録が出てきたので、おすすめ情報として貼っておく。


こんな感じで、都会を離れた暮らしをやってみているぼくらは、都会のときとは別の形でソーシャルネットワークを育て、楽しく暮らしている。日々の中で触れ合う人々の数は決して多くはないけれど、その分、ひとつひとつのつながりを大事にしながら暮らそうとする感覚があるように思う。今後また別の場所で新しい暮らしが始まることになっても、自分たちから「あなたと心地よい関係を築きたいと思っていますよ」というスタンスを表明することによって楽しくやっていけたらいいな。


さてさて。ここからは別の視点での「ご近所付き合い」の話をする。

2022 年のぼくには、たとえていうならば「ポッドキャスト村」の村民として他の村民たちとの交流を楽しんでいるような感覚があった。ぼく自身は r_takaishi さんとふたりでキマグレエフエムというポッドキャストを運営している。かれこれ 2 年以上も続けている。

キマグレエフエムを聴いてくれている人がポッドキャストをやっているケースってのがけっこうある。ポッドキャストをやるような人は、ポッドキャストが好きなのだ。ぼくも自分らでポッドキャストをやるようになってから、より多くのポッドキャスト番組を購読して聴くようになった。

「お互いに相手のポッドキャストを聴いている間柄」というのが、とても「ご近所付き合い」っぽいな〜と感じている。別に LINE でつながっていたりするわけではないので連絡を取り合うようなことはないのだけれど、相手が聴いてくれているというのは把握していて、たまに Twitter で感想を言い合ったりする。近所に住んでいる人とたまにそこらでばったり会って少しだけ世間話をするような、そんな距離感があると思う。

ありがたいことにポッドキャスト番組にゲストとして出演させてもらう機会もあって、これは「その人の家に遊びに行く」ような感覚。そわそわドキドキ、うれしいイベントだね。

ぼくの体感ではポッドキャストにはわかりやすい「ハブ」がないので、人が人とつながるには少しがんばることになる。

TwitterYouTubeTikTok のように、たくさんの人々とコンテンツが集まっていて、レコメンデーションエンジンによるディスカバリーの体験がどんどん整備されていく場所は、ぼくには都会っぽく見える。ここ数年でソーシャルメディアから少しずつ距離を置いてポッドキャストを通じたちょっと不便なつながりを楽しんでいるのは、ここ数年で都会を離れて決して多くはないつながりを大事にして暮らしているのとリンクして見える。これは偶然ではないだろう。

上京した 20 代のころは、都会的なつながりを派手に楽しんでいた。もうすぐ 40 歳になる自分は、それよりは少し静かな、ゆるいつながりを穏やかに楽しんでいる。人生のそのときそのときで、自分にあった楽しみ方を見つけて、愛でていきたいと思う。

きっと 2023 年も、数の多さを追い求めるというよりは、心地よい密度を目指したご近所付き合いをやっていくと思う。アナログにも、デジタルにも。


これは、2022 Advent Calendar 20222022-12-11 の担当記事でした。

きのうは browneyes さんの Best of パキスタンの車窓から 2022 | browneyes :: more than 140 でした。よすぎてびっくりしちゃった。明日は hysysk さんです。ここまでのすべての投稿を楽しく拝見しましたし、明日からの投稿も楽しみです!


taizooo さん、素敵な場を用意してくださってありがとうございます。