可謬主義
可謬主義（かびゅうしゅぎ、英: Fallibilism）は、「知識についてのあらゆる主張は、原理的には誤りうる」という哲学上の学説です。知識が絶対に確実であることは不可能であるとまで論ずる可謬主義者たちもいます。
むしろ可謬主義は、「経験的知識は、さらに観察をすることによって修正されうる」ということを理由に、我々が知識とみなしているものはどれも、誤りであることが判明する可能性があるということを承認することである。
可謬主義のいま一人の支持者はカール・ポパーで、彼は可謬主義的な諸前提に基づいて自分の知識論、つまり批判的合理主義 (critical rationalism) を打ち立てた。ウィラード・ヴァン・オーマン・クワインもまた可謬主義を採用したが、彼がそうしたのは、何よりも分析的言明と総合的言明の二分法を非難するためだった。ユルゲン・ハーバーマスは、可謬主義を真理のディスクルシブな概念と結びつけた。
可謬主義には、以下のような利点があります。
* 知識の暫定性を受け入れることで、新しい情報を積極的に受け入れることができる。
* 異なる意見を持つ人々と対話し、議論するオープンな態度を促す。
* 誤りを恐れずに、積極的に仮説を立て、検証していく科学的な思考を促進する。
一方で、可謬主義には以下のような欠点もあります。
* 知識の確実性を否定することで、懐疑主義に陥る可能性がある。
* 真理の追求を放棄し、相対主義に陥る可能性がある。
* 行動指針となる確かな知識を得ることが困難になる。
可謬主義は、知識の性質について重要な示唆を与えてくれます。知識は絶対的なものではなく、常に修正されうる可能性があることを理解することで、より柔軟で科学的な思考態度を養うことができます。
可謬主義についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の書籍やウェブサイトを参照することをお勧めします。
2024-04-03 16:10