六歌仙
>歌のさまは得たれども誠すくなし。たとへば、絵にかける女を見て、いたづらに心を動かすがごとし。
「誠すくなし」ってなんじゃろな
俊成までは「歌の心」だったが、定家が「歌のさま」に改訂したと見ている。
「歌の心」による解釈
「やまと歌は人の心を種として」や「心に思ふことを見るもの聞くものにつけて言ひいだせるなり」の「心」と同じ、とする。
心が素直に表現されないために、「真言(まこと)」すなわち言葉への真実味が表されない。だから、絵に描かれた女性のようにむなしいと解く。
>その心あまりて言葉たらず。しぼめる花の色なくてにほひ残れるがごとし。
ほんとかなあ…
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業平歌の持つ余情は、とても「しぼめる花」とは言い難く思えるのだが
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>言葉はたくみにて、そのさま身におはず。いはば、商人のよき衣きたらんがごとし。
風が吹くとすぐに野辺の草木が萎れ、枯れてゆく。なるほど、「山風」をあらあらしい「嵐」というのであろう。
「言葉はたくみにて」という評は多分ここからきている
山+風=嵐という言葉遊び
これもそう
春宮の御息所へ呼ばれたとき、「日が照りつつも頭に雪がかかった」ときに詠んだ歌
春の日の光のような春宮のお恵みを受ける私ではございますが、こうして頭に雪がかかって(白髪になる意を含む)いるのもわびしいものです
? これ何が言いたいんだろう
>言葉かすかにして、初めおわりたしかならず。いはば、秋の月を見るに、暁の雲にあへるがごとし。よめる歌多く聞えねば、かれこれを通はしてよく知らず。
しかぞ住む(このように住む)と鹿ぞ住む(鹿が住む)の掛詞。
「かれこれを通はしてよく知らず」と正直に言うのは何か面白い
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>いにしへの衣通姫の流なり。あはれなるやうにて、強からず。言はば、よき女の悩めるところあるに似たり。強からぬは、女の歌なればなるべし。
>そのさまいやし。いはば、薪負へる山人の、花のかげに休めるがごとし。
いい譬喩だと思う