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『Learn Better』のKindleハイライト
『Learn Better』のKindleハイライト
授業の最後に先生はもう一度、男の子を叱る。  この男の子の話には、誰にでも思い当たるふしがあるだろう。宿題がちゃんとできない子はたくさんいる。集中力が続かない子も。実は、この子は私だ。私は授業についていけなかった。成績は悪かった。試験の出来もさんざんだっ
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可能性の域を出ない、あいまいな説明だった。私の学習が遅いのは両親が移民で家ではドイツ語を話していたからだ、という説。聴覚に障害があって、正しく聞き取りができていないからではないか、という説。問題を考え抜いて解決する魔法のような能力、すなわち知能が足りないのだと考える人たちもいた。
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そしてこれもきっぱりと認めよう──私は天才では
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今振り返ると、どうやら私は学習のしかたがわからなかったらしい。自分の思考をどう扱っていいかがわからなかった。自問したり、目標を設定したりすることができず、そもそも何かを知るということの意味からしてわかっていなかっ
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何人かの先生の助けにより、私はようやく基礎的な学習方法を身につけた。「自分は本当にこれがわかっているか?」、「学習していることの根底にある理屈を理解しているか?」といった質問を自分にするようになっ
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自分は同級生より努力が必要だということも受け入れられるようになった。長年のうちに集中力を高める方法も見つかり、静かな環境づくりに熱心に取り組むようになった。今でも耳栓は手放せ
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例えば資料を繰り返し読む人は多いが、これは学習のアプローチとしては効果がない。蛍光ペンを使う人も多いが、この効果も研究による裏づけはごく限られて
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逆に、学習アプローチとしての有効性を裏づけるエビデンスが山ほどあるのに、自分のスキルの振り返り進捗度追跡をする人は
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ソフトウェアをもらったら、使い方をマスターしなければならない(要点を自分に説明して、理解を自分のものにすべき
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一つめのグループを「チーム・結果がすべて」と呼ぼ
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実験が終わってみれば「チーム・学習メソッド」の生徒の成績は群を抜いており、「チーム・一般常識」の倍近い点数をたたき出していた。しかも彼女たちは実験をはるかに楽しんでいた。「実験が終わってからもダーツをもっと教えて、と私に言ってきた子たちがいるんです
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学習とはつまり理解のプロセス、メソッド、体系なのである。学習とは一つのことへの集中計画性内省をともなう活動であり、学習の方法がわかれば習得の度合いと効果は大きく
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(いわく、問題を解きながら考えを声に出すといいそう
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シュウォーツ自問の回数を増やすことを推奨して
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知性──ひいては習得する能力──は目の色が青いのと同じ、遺伝によってもたらされた、後天的には変えられない特性とされてい
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しかし研究からわかっている事実はその正反対で、人は頭の良さよりも努力を褒められたほうが頑張って学習
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しかし相次ぐ研究で、学習は周囲の積極的な関与をともなうプロセスであることが示されて
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投げるたびに点数を記録していたが、たったそれだけでも成績は大幅に上がっ
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ウェブサイトにピザ屋の住所が載っているのを見つけたとしたら、店の住所そのものよりURL( greatpizza.com) のほうが記憶に残っている可能性が
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だが ここにはもう一つ、デジタル時代の明白な真理を突いたさらに重要な教訓がある。事実情報が持っていた価値の大半が失われたということだ。中身そのものは、かつてほど重要ではなくなっ
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ほとんどの人にとって、今大事なのはデータそのものではなく、そのデータを使っていかに思考の質を上げられるか
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もっと厳密に言うなら、新しいスキルをいかに効果的に習得するか。複雑な問題をどうすればもっとよく理解できる
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つい数年前までは、知識は非常に静的なものであると同時に高価なものでもあった。何千年もの間、弓矢の作り方のような不変の事実を伝授してくれる専門家は重宝される存在だった。それは今後四〇〇〇年は変わらないはずの技術だった。
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長きにわたって希少な手書きの写本に、グーテンベルクの活版印刷機が発明されてからは色あせた書物にしかないものだっ
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テストで好成績を上げるといえば、教科書に載っている事実の詳細を勉強し、年号を記憶し、等式を暗記することだった。
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そのため、新しいスキル知識の獲得のしかたと、その理由にも変化が生じている。もう「習うより慣れろ」の時代では
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成功するには単純な手順やノウハウを身につけるだけでは不十分だ。現代の世の中では学び方を知り、思考のスキルを身につけなければならない。思考のスキルこそが大事なの
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事実情報は依然として重要な役割を果たしている知識は学習の土台だ。記憶も強力な学習ツールであることに変わりはなく、今持っている知識がえてしてその人の潜在的な学習能力を予測する最も確実な手がかりに
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学習に取り組む際には関係性を理解する、つまり原因と結果を見きわめ、類似性に気づくことも必要だ。とどのつまり、学習の目的はある事実や概念についての考え方を変化させることであり、学習にあたってめざすのは思考の体系を学ぶことなの
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編み物を学ぶなら、編み物の達人の発想ができるようになることをめざしたい。スキューバダイビングに行くのなら、一流のダイバーの判断力を身につけてみよ
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だがコンピュータに自動車の運転は絶対にできないだろうと彼らは考えた。二人の経済学者からすると、自動車の運転はコンピュータが行うにはあまりに高度で複雑だというの
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具体的には、「非構造化問題」〔解を求める手続きがはっきりしない問題〕 の解き方を知る必要があるということだ。コンピュータエンジニアであれば、マニュアルに説明のない技術的問題に取り組めなければならない。言語療法士であれば、原因が簡単に解明できない言葉の問題を抱えた子どもの支援ができなければなら
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新しい情報をうまく活用することにも長けていかなければならない、とマーネンは言う。広告代理店の人間なら、朝のニュースをクライアントがどう利用できるかを説明することが重要なスキルの一つに数えられるかもしれない。証券マンなら、気候変動が穀物の売り上げにどう影響するかを読み取れることが重要なスキルとなるだろ
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課題に取り組んでいるときには、状況の簡潔な要約書くとよい。問題を明確に定義することで、積年の謎や課題が解決しやすくなることがある。本書では、勉強会や反省会の効用といった、マネジメントのヒントもいろいろと取り上げる。リーダーシップとは要するに人が成長するのを助けることだから
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学習の方法を学ぶことは、専門家が言うところの「究極のサバイバルツール」、つまり、現代において最も重要な能力の一つであり、あらゆるスキルの前提となるスキルで
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★Note: ⇒言語の理解力についての本(『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

あまりにも多くの地域で、学力レベルの高低に関係なく、教育機関がスキルの習得を支援するように作られていない。もっと率直に言えば、本当に大事なことにお金が使われていないところが多
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自己テストのような練習法を考えてみてほしい。この手法が成果を劇的に押し上げる、場合によっては五〇パーセントも成果が高まることを示す、決定的なエビデンスが存在する。ところが学生たちはこのアプローチをめったに利用せず、教科書を読み返すほうを
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本書はよくある「アメリカの教育システムのここがおかしい」と指摘する研究書ではない。その類いの政策提言はもう十分に世に出ている。それよりも、私は学習のプロセスについてあらましを述べ、どうすれば最も上手に学べるかを説明し
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学習活動がすべて段階的なアプローチを必要とするわけではない。例えば車のタイヤ交換の方法を学ぶ
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価値を
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目標を設定
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能力を
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発展さ
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関係
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再考
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一つは、学習とは頭を働かせる「活動」という面が強く、積極的に関与するほど学びも深まるということだ。新しいテキストを読んでいるときは、自分に問いかけをしよう。このテキストは何についてのものか? 筆者が伝えたいポイントは何か? わかりにくいと思われるところはある
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同時に、学習を管理してほしい。フィードバックをもらっているだろうか。自分のパフォーマンスをベンチマークしているだろうか。スピーチをするなら、自分の動画を撮ろ
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感情が果たす役割も大きい。学習は純粋に理性的なもの、深い論理と研ぎすまされた推論思考の世界だと考えがちだが、私たちのはそのようには働か
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専門知識を習得するには、関係を見いだす必要もある。効果的な学習とは要するに知識の総体の中の相互関係をつかむことだ。だから自問しよ
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ブロックを使って自分の手で作りあげた、お気に入りの小説のワンシーンや大好きなテレビ番組でおなじみの電話ボックスに、彼は目を輝かせていたの
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フレーム越しに世界を見ている。自分が価値があると信じる活動に従事しているの
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何であれスキルを習得するうえで、モチベーションは最初の一歩である。意味があると思えないことを学ぶのは
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意味が重要な理由はもう一つある。理解の第一歩だからだ。専門知識に自分とのつながりを作るとき、私たちはその意味を理解し
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意味の価値はにルーツがある。私たちの心は豊かで複雑な存在であるが、物語の語り手のようなものとして活動している。私たちはたえず映画監督のように、何らかの物語、何らかの理解、何らかの意味を創造しているの
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作品は彼が子ども時代の自分に思いを寄せるよすがだった。それは価値のある何かだった。
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ところが一般的に言って、統計学をマスターしたいという欲求は生来備わっているものでは
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学生たちに次のようなお題を出した。自分の生活で統計学を使うシーンを想像できますか? 看護師、営業マン、管理職という職業に就いて統計学を使う自分を想像できますか? 学生たちはノート一~二ページほどの短いエッセイを書いた。
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もちろん、意地の悪いコメントをしたためる高校生も少しはいる。「時間の無駄じゃん」と、反感をあらわに書いてきた者もい
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そう考えると、自発的なモチベーション──生来の関心──はそれ自体が一種の価値
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モチベーション=コスト(タスクを完了させるのに必要な努力の量) +期待感(自己効力感の概念、これについては次章で取り上げる) +価値あるいは意味
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ひらたく言えば、大事だと言うだけでは不十分だ。むしろ、情報に価値があるとただ言うだけでは逆効果になる場合もあることにフルマンは気づいた。人はこう感じるべきこう考えるべきと指示されると、脅されているとか過剰に管理されていると感じかねないから

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話題がモルジブ諸島であれば、クリントンのような手練れの演説者は聴衆に、あの国に行ったことがあるかと巧みに質問するかもしれ
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自分に経験があること、今後経験するであろうことのほうが、学習のモチベーションがはるかに上がる理由もこれで説明が
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学習するとき、私たちは自分のいる世界を理解したいのだ。知識の空白を埋めたい、価値を見いだしたい。だから意味には自己永続的なところがある。つまり、統計学について知れば知るほど、統計学というものについてもっと知りたくなる
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性格も違えば、趣味、生まれ育ち、心配事も異なる。とはいっても、学ぶものをいつも選り好みできるわけでは
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学習者にある程度の自由が必要な理由もここに
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あるセント・アンドリューズ・エピスコパル・スクールでは、従来型の試験からビデオ制作まで、学習の成果を示す
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教えない
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★Note: 手順を教えない(能動性自己効力感) ⇔・手順に焦点を置いて教える ・車輪の再発明 ・知識だけを教えると応用ができない

レゴであれロースクールであれ、手順の説明は重要だ。これから見ていくように、知識は分割すると最も効率よく学べる。ただし関与の深さ、モチベーションを維持するためには、選択の余地
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人間という種の本質に踏み込む。つまり意味への欲求とは、多くの点で、発見への欲求なので
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学びたいからだ。価値を求める生き物として進化したから、人は価値を
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探求心は「情動システムの根源」だという。パンクセップによれば、人間の情動は探索への衝動によって動く。感情は探求心のバロメーター的な役割を果たすことが
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こう考えれば、人はなぜ新しいこと挑戦しているとき幸福感を覚えるのかが説明できるとパンクセップは言う。新規性のあるものを探す体験をすると、感を与えるドーパミンの分泌レベルが急上昇
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探求は食事、睡眠、セックス、愛と同じくDNAに刷り込まれた行動で
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★Note: ⇒シロクマの首振りと同じ。
・組み上げるより探す、してしまうのは、仕方がない
・不毛じゃないけど、新しいもの、は作れないことを知って自分を制御する。
できれば安全な水槽が欲しいけど。


小一時間も費やすのは単なる時間の浪費ではない(そういうことも多いが)。ある種の短期的な喜びをもたらしても
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私たちは自分が何を知りたいのかを見きわめようとしているのだとも言える。欲求を育てているの
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その場限りのモチベーションが目の前にぶら下げたニンジンだとするなら、深層的モチベーションは罠に似ている。人格の根源的な部分に食い込む
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ではその場限りのモチベーションはどうすれば深層的モチベーションになるのだろうか。答えは価値の概念に戻ってくる──結局モチベーションを罠として機能させるのは、やるに値するという感覚なの
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仕組みを解明してみせた。モチベーションは最初の段階ではたいがい、その場の状況から生まれた興味にすぎ
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第三~四段階では、モチベーションに自分ならではの意味合いが強まって
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さらに、学習の難易度が上がったら感情面の支援が必要になることも知っておきたい。やりとげるためには探求システムをうまく管理する必要が
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燃え上がらせるには情動の火花が必要だが、管理しなければたちまち消えるか、燃えすぎて手に負えなくなる。つまり探求心が足りなかったり、ときめきが足りなかったりすると、知りたいという欲求はなく
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私たちは「火の仕組みを知らない人たち」のような記事を読んで家族や友人にツイートするのだ。  その意味では、仲間の存在が価値を増幅させて
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テスト不安が良い例だ。テストを前にして不安を感じている学生は、親しい友人がいるほど良い結果を
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社会的ネットワークモチベーションの一種であり、自分はどこにも属していないと感じている学生はモチベーションがかなり低く、一般的に学業もふるわない。具体的には、クラスに友達がいる学生は友達のいない学生よりテストの得点が高くなり
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学習に打ち込む者が一人いると、他の人間も学習に打ち込むように
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★Noteマシュマロにも耐えられなくなる。

私たちは仲間外れとか落ちこぼれとかなまけ者になりたくないため、モチベーション意味集団内に広まる。意欲人から人へ移ることが
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価値を探すべき理由はもう一つある──私たちが学ぶ理由が実はそこにあるのだ。私たちがスキルや知識を獲得するのは経験したことを理解するため、自分を取り巻く世界に説明をつけるためである。  
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もっと問題なのは、専門知識がモノ、先生が持っていたり本に書いてあったりする、外にある何かだと思われがちなこと
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ところがの仕組みはそのようにできていない。はよくコンピュータにたとえられるが、実はこれは正しくない。その発想でいくと、まず単純にハードドライブの容量を増やせば頭が良くなりそうだ。また、脳が受動的に情報を受け入れるだけということに
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簡素な一本道──例えば未舗装の土の道──を通すのは実に簡単だ。愚直に行き来を繰り返せばよい。学習も同じだ。基本的な概念やスキルはだいたい習得し
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意味を重視したアプローチ──各単語について心地よく感じるかを考える──に頼った学生のほうが、単語に入っているgを数えただけの学生より記憶する単語の数が多かっ
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対象について学ぶ意思があるかないかは関係なく、
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ある専門分野を理解していれば──つまり思考を変化させられていれば──どんな状況でも応用が利くの
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珠算式暗算は学習を「活動」、すなわち能動的なプロセスにする。認知能力を関与させる学習アプローチほど──例えば問いに答える説明する、体を動かすだけでも──成果は上がると示唆する新たな研究がたくさん出て
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彼は他人について「失敗した」という言い方をしない。「理想には少し届かなかった」と言う。人に最初から悪意があったとは考え
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人は自分の知識を能動的に形にする行為によって知識を習得するのだということを証明する研究を次々と発信してきた。「学習とは生産活動なのです」と彼は端的に
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(例えば「mais ● n」)、覚える確率ははるかに高まる。「o」を加えて単語を完成さ
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読んでいることを頭の中にイメージとして思い描けば──文章を頭の中に描き出せば──記憶に残り
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内容を自分なりに要約したときに、知識の創造という手順を踏むので、情報を記憶しやすくなるはず
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自分で自分に問題を出したり、自分に説明してみたりするような、能動的な学習活動が最も効果が高いと話してくれ
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★Note: マーカーでも、音読してみるでもなく。

例えば授業中、彼女は頻繁に全員にクイズ式の質問に答えるよう呼びかけ、ランダムに学生を指名した。また学生を二人一組にして、「植物が土から養分を摂れない場合はどこから摂りますか?」といった質問に少人数のグループ単位で答えさせ
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★Note: ⇒これ、当てられなくても、「自分の頭の中で答えを考えちゃう子」って、すごく伸びやすいってこと?

文字をただ見て覚えたり、キーボードでタイプしたりするだけの生徒よりも、体系的な理解が進むことがわかっている。手を動かして文字を書くこと
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このような生徒は読み方を覚えるのもはるかに早いことが研究で証明されて
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ある概念を自分自身に説明するとき、私たちは頭を活動させており、やはりよりネットワーク化された形で知識の習得ができることが研究で示されて
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誤解してほしくないが、ただ熱心に取り組むだけでは不十分だ。学習に積極的に取り組んでもあまり身につかない場合がある。言い換えると、単にパンチを繰り返すだけでは、ムエタイに習熟するとは限らない。頭の働きを活発にさせるために動き回る必要があるわけでもない。じっと座ったままでも対象に深く関与することは
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両親や昔の友人とはつっかえながらも日本語で話すことができるが、書くスキルはほぼ完全に失った。母語と実質的に縁が切れてしまったのだ。
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完全に忘れてしまったわけではない。例えばオオタは今でも基本的な表現を思い出して書くことができる。消失してしまうのは意味
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複雑に絡まった相互の結びつきがほどけて
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たえず価値を意識しておかなければならないということだ。頭を働かせる「活動」をしていても、習得をめざしていなければ私たちは学習しない。
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マインドフルネス、つまり積極的価値探求が必要だと話してくれた。ランガーによれば、このような思考態度、視点は、単に注意を向けることではない。その体験の新しさを強く意識する形で体験に関与する必要が
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の「自動操縦」モードをスイッチオフにして、能動的に専門知識を探求しなければならないの
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関与の姿勢を育てるうえではフレーミング〔物を見るときの
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学習そのものに意識を向けるためには何らかの刺激のようなもの、知覚の
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だが最も重要なのは意味そのものだろう。自動操縦状態を解除するいちばんの方法は意味を探すこと
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母国についての評価が低いと母国語を忘れ
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それはマインドセットが思考を変化させるからくりが、きわめてわかりにくいこと
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スキルを習得しようとしているときはニュアンスに注意すること。学習するためには、専門分野に元からあったものは何か、新しいものは何かを能動的に追わなければなら
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また、ランガーは学習に対して探索マインドセットを持つよう勧める。授業の予習として本を読むにしても、成績ばかりを気にしてはいけ
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外科医も損傷した前十字靭帯の修復ばかりに目を向けるべきではない。少しだけ探求する時間をとるべきなのだ。それが発見につながる。別の新しい筋肉が見つからないとも限らないではない
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この章で書いてきた考え方には一つ問題がある。意味の創出には危険な側面があるということだ。学習者は当然、専門家ではない。だから価値のないところに価値を見いだすような、お粗末な結論を出してしまう場合が
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★Note先生は必要、教師、教育者、コーチ

もっと現実的に言えば、学習には指示が必要で
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発破をかける度合いだ。教育者が学生のがんばりや教材への真剣な取り組みをどれだけ後押しするか、で
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この第二の要因は学生が自分との関連性を感じられるかどうか、学生と教師の間の個人的つながりの感覚がポイントだ。
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教師を「認知力のコーチ」と考えるべきだと主張している。ワイマンは「教師」という言葉が単に情報を伝授する人だと思われすぎて
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調査期間が三カ月に満たない研究はすべて無視した。有意の結論を導き出すには短すぎるからだ。また、事前テスト、事後テストを必須とした。さらに、ランダム化比較
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このプログラムの成功の秘訣は当時も今も変わらず、目標設定にある。生徒たちは学習予定のテーマを確実に学習できるように、何度でもグループ替えされる。ついていけない生徒は必ず個別指導を受ける。カリキュラムは鍵と鍵穴のようにぴったりと噛み合うべく組まれている。生徒の特定のニーズに合わせて専門家に執筆してもらった、独自の教科書まで出して
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つまり指導なしの学習──が優れていると回答した。  ここで私が言いたいのは、何も考えずに学習してはいけないということである。創造性発見はやはり重要
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学習を進めながら計画を変更するのはかまわないが、計画は絶対に必要です」
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知識を習得するには、知識やスキルを消化できる大きさに分割し、一つひとつの習得集中しなければならない。要するに、新しい専門知識が脳の入り口を通れるようにし、長期記憶にしっかり保存されるようにしてやる必要があるの
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さらに私たち自身の思考も認知力の容量を占有する。心配事が知識の習得の大きな障害となりうるのも、短期記憶の容量が限られているため
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上り坂の走りを改善する」など具体的なことに的を絞ったほうが効果が上がりやすい。シナリオ作家の場合も同様だ。上達するには、「感情のこもった会話がうまく書けるようになる」など、特定の絞り込んだ要素に集中すべきだ。 「教育者の価値」がここで大きくものを
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もう一つ非常に重要な要素に注目しなければならない。知識だ。私たちは今ある知識のプリズムを通して物事を理解する。だから必ず、すでに学習したこと土台となってこれからの学習を
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個人指導は他の教育法に比べて二倍の効果があると指摘し
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個人指導が効果的な理由である。いくつかの理由はわかりきっている。先生に一対一で目をかけられれば、フィードバックがたくさんもらえる。生徒の動機づけもしやすい。生徒が何に意味を感じるかが先生にわかるから
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個人指導に効果があるのは、生徒がわかっていることを土台にするからだ。先生は私たちがすでに理解していることに合わせて情報をくれる。イントロダクションでこれを「知識効果
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事実情報や数字の知識はより豊かな形の思考につながる第一歩だから、何を理解するにも前提となる知識が必要なの
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土台と考えてほしい。知識は理解という建築物を構成するレンガと 漆喰であり、学習成果を予測する最も重要な手がかりの一つで
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なぜそうなるのかというと、脳が長期記憶の中に経験を保存するために雛型を作るからだ。厳密には、脳は新しい情報を以前からある情報と「束ねる」。古い知識を使って新しい知識理解を助けるのである。短期記憶に情報を受け取ると、その情報は長期記憶に送られ、そこで理解という広いコンテキストの中におさまる。
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事実情報は単なる思考のための知的燃料というだけではないことがわかっている。知識と思考はの構造の中で混ざり
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スペイン語をまったく知らないなら、まず「hombre〔男性〕」、「cuarto〔四番目〕」などよく使われる単語のような基本的な事実情報の学習から始めるのがいちばんよい。ギターの学習を始めるなら、コード進行のような基礎を覚えるの
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学習は静的なものと思われがちだ。スキルを習得したらそれで終わり、と。だが、学習の性質、専門知識の性質は動的なものである。専門知識を習得するには、自分のスキルより少し背伸びしたレベルで学習しなければならない。もっと率直に言ってしまえば、学習にコンフォートゾーン〔楽をできる領域〕 はないので
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私たちはみな、実力の少し先に学習の目標設定をし、常に前よりも少しだけがんばらなくてはならないのだ。
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その一つの手法は、あるテーマについて新しく学ぶ前に、そのテーマについて知っていること書き出すというものだ。例えばグリル料理のスキルを磨きたい場合、「少し脂肪のついたステーキ肉を選ぶ」、「強火で焼くのがよい」、「肉汁が出ないよう、フォークではなくトングを使う」といったことを
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★Note「すでに知っていること」も大事。知っていること/古い知識/他の概念/前提となる知識/すでに理解していること/今ある知識/「専門分野に元からあったもの」
知っている物事を書き出すことによって、専門知識という集合体の中につながりを形成する準備ができ、思考と理解の体系化が進むの
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もう一つの手法が、小テストである。テストの利点は、明確化・フィードバック・判定だ。つまり、テストによって自分のわからないところが具体的に理解
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実はスキルや知識の習得が上手な人は、頭の中で頻繁にこのようなテストを行っている。学びながら「なぜこれが正しいのだろうか?」、「これは他の概念とどのようにつながるのだろうか?」と自問しているの
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は新しい学習ツールを開発した。複雑な概念をもっと絞り込んだ、ネットワーク化した形で見せ、身につけるべき一連のスキルがありありとわかる具体例を添えたものだ。
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例を増やすのが、つながりに気づかせる強力な方法だということだ。多数の具体例を示すことによって教材が一貫性を保ちつつ細部まで落とし込まれ、知識を体系的
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★Note帰納法

知識習得とは内容を覚えるだけの話ではないということだ。専門知識単なる事実情報の蓄積では
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相手が自分の専門知識を一度にすべて説明できたとしても、私たちには受け止めきれない。与えられる新しい情報が多すぎると、脳が容量オーバーになって
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専門領域の根底にある思考を解き明かし、わかりやすく絞り込んだ形で説明している教材も必要で
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興味深いことに、このような焦点を絞った知識形成は知ることそのものを超える。焦点を絞った知識形成は私たちの情動にとっても重要なので
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コンテキストはえてして解釈の最も重要な要素の一つである。別の言い方をすれば、学ぶことを学ぶとは、今学んでいるものが何かを知るという話なので
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メタ認知には二つの面がある。一つめは計画だ。自分がわかっていることを知るにはどうすればよいだろう? 自分の目的は何だろう? もっと事前知識が必要だろうか? 二つめはモニタリングだ。この概念を別の方法で学べなかったか? 自分は前に進んでいるだろうか? なぜ自分は今やっていることをやっているのだろ
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実は初心者も専門家に劣らずこのようなメタ認知思考を頻繁に必要とする。メタ認知的な問いかけをするのが早いほど、新しいスキルの習得も早くできる。
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知らないことを理解するために最善を尽くしていない。そして知っていることについては過信して
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だから問題は、学んだ先から忘れていくことではない。熟考について熟考しないことだ。理解するためにもう一歩踏み込んでいないの
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自分の思考を上手に管理できる学生のほうがIQの高い学生より試験の成績が上回る場合があると
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うるう年について自分には何がわかっているか? うるう年を人はどのように理解するのだろう? そもそもなぜうるう年と呼ばれているのだろ
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計画モニタリングであるとすれば、情動についても同じ作業が求められ、「自分はどう感じているか?」、「このタスクはフラストレーションがたまるか? 怖いか?」と自問する必要が
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だが情動は大人の学習でも大きな役割を演じる。何を学習するかが感情で決まることは
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思考は感情とないまぜになっており、つまるところ、学習への認知的アプローチ非認知的アプローチに実質的な違いはないと
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エリオットのような患者は意思決定が苦手だった。情動を失った彼らは、論理的な思考もできなくなっていた。彼らには思考力、問題を筋道立てて考え抜く能力が欠けてい
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学習──そして思考──においては、情動理性を使うべきかどうかを判断する「門番」の役割を果たしていることが分かって
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情動は理性のループの中に
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例えば社会的苦痛は肉体的苦痛と同じの回路を通る。また、情動の苦しみは肉体の苦しみと同じ神経系を刺激する。孤独感のつらさと指を切った痛みの間に神経にとっての違いは
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例えば肉体的に不快感がある人の目には他の人々の顔が実際より怒っているように見える。人に赦しを促すと、罪をあがなった解放感から体力テストでふだんより高く跳躍する。私が気に入っているのは、無作為に選んだ対象に中指を突き立てると、それと関わりを持った経験がなくてもいい感情を持たなくなるという話
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今度、幾何学の問題に出くわしたら──建築図面でもいい──問題の要点について理解を深める方法として、図を指でなぞるといい。研究者によると、手の動きによって図が理解しやすくなり、学習が促進されるという。
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情緒が不安定だとスキルが身につかない。ストレスを感じていると思考が落ち着かない。情動によって学習の成果が落ちてしまう場合があることを示す研究は多数ある。悲しみや鬱、肉体的な不快感があるだけでも、専門知識は定着しにくく
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スターティングゲートに立つ前から、斜面を滑走する自分を想像する。すべてのゲート、すべてのコブ、すべてのターンをイメージする。覚めたまま見る夢のようなもので、自分の滑りを「徹底的に」観察したので
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自信が深まり、やがて大会に対する感情にも良い影響を及ぼせるようになった。「疑いが自信に変わり、不安集中力に変わりまし
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イメージトレーニングのおかげで、テイラー自己効力感を獲得した。これは自分の能力への信頼感、きっとうまくいくという気持ちであり、学習に際しての情動の気まぐれに対処するうえで非常に重要
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心理学教授、
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人は成功を期待する必要があると説いた。特に、ある活動をやりとげられるとわかっていると、その活動にはるかに身が入ることにバンデューラは気づいた。
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自己効力感は一般的な自信とは異なる。自尊心の問題ではない。限られた特定のタスクをやりとげられる、これからやろうとしていることで良い成果を達成できるという信念を核とする概念
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自己効力感は学習につきもののフラストレーションに対する緩衝材の役目を果たす。これから達成するものがわかっていれば、挫折や気を散らすもの、傷ついた感情への対処力も、学習に必要な一心不乱の集中力
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人は学習するとき、「自分は十分にやれているか」、「失敗するのではないか」、「間違っていたらどうしよう」、「もっと他にやるべきことがあるのではないか」など、つきまとってくるさまざまな感情への
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モチベーションを保つためには計画書き出し長期戦略を緻密に立てておかなければならない。その点で、学ぶことを学ぶとはプロジェクト監督のようなものと
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明確な目的がある人のほうが、「いい仕事をする」のような漠然とした願望だけの人より良い結果を出すことが、実に何百もの実験によって証明されている。目標を設定する達成確率
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情動の管理方法としてもきわめて優れている。  一方、気持ちのモチベーションを維持する必要もある。これに関しては、自分への語りかけが重要だ。その際、黒か白かの両極端な思考は避けなければなら
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私は悪戦苦闘しているところだ」と語りかけよう。また、少しでも前進したら見逃さず、どんなに小さな成果でも「今日は三時間やった」
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テイラーいわく、学習とは「心の目で成功を実感すること」である。
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ソンは考えている。「親の仕事は子どもを不安な状態、答えがわからない状態に慣れさせることです」とソンは話してくれた。「学生たちだって自分なりに苦しんで考える機会を一度も与えられないと、将来そういう苦労に耐えられなくなるかもしれないでしょ
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知識の核心部分をわざと教えず、子どもたちの学習を促すことがよくあるそうだ。例えば科学の学習であいまいな返事をしたり、子どもに聞かれた数学の事実情報を正しく答えなかったり
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研究者として、私は自分の子どもに答えは与えない方針なんです」。彼女は言った。「ヒントだけ与えます」  ソンのアプローチの根底にあるのは学習とは頭を働かせる「活動」であるとする考えで、ソンは自分の研究室でも同様の効果をまのあたりにしていた。認知能力を活用するほど、得るものは
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長期的な学習力を最大化するためには、自力で学ぶ必要があるんです」
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難しくて当たり前という考えは学習に大切だ。これは自己効力感の発展形である。私たちは自分の努力は報われると信じる必要があるし、他人にもそう信じてもらう必要が
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時とともに他の人たちの私に対する期待値が上がり、私も自分にもっと期待するようになった。大学での最初の授業の前に、心の準備をするために誰もいない大学の教室に忍び込んだのを覚えている。無人の教室で空中に漂う塵の中、並んでいる椅子の間にたたずみ、私は家族や友人の励ましを思い出して、「負けないぞ。誰よりも努力するんだ」というようなことを自分につぶやいた。
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今にして思えば、自分を奮い立たせたそのセリフはあまりにも仰々しくて、十代の妄想めいていた。たかが大学進学、文明が崩壊するわけではない。だが私たちにはこうした自分自身を勇気づける行動が必要なこともたしか
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学習の情動的な側面に関しては自分一人の力では何もできない。私は誰もいない教室で自分が何者かを思い起こし、大学から求められる社会的自己効力感情動的自己効力感を育てていたの
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パラドックスがあるのだ。つまり、学習する際、私たちは社会的支援と社会的重圧の間でバランスを取らなくてはなら
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学ぶ準備はできているか? 自分が知っていることをわかっているか? 学び足りていないことが何かわかっているか? 次に学ぶことは何か? このような目標を絞り込んだ、メタ認知的な焦点の当て方が、新しい分野で知識を習得しようとするときの要で
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テーマについてあまり知識がない人には体系立った教育のほうが適して
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だが学習とは前に向かって進むものだ。感情面で前進するので、理解するほどに自信がつく。認知面でも前進するから、理解するほどに自由度の高い活動を求めるようになる。専門性が高まれば、新規性のある、非構造化問題で知識とスキルを実践したく
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なぜ数回のレッスンでこれほどの効果が出たのか。サミュエルズは超天才インストラクターだったのか。バスケットボールから離れていた数十年の間に世の中で行われている練習の質が変わっていた
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何を学ぶか、そしてどう学ぶかがわかったら、今度はその習熟度を伸ばすことにとりかからなくてはならない。もう少し正確に言うと、フィードバックの循環に入って、体系的にスキルに磨きをかけなければならない。
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小学校を卒業してからは真剣に字の練習をすることはないものだ。そのため「g」と「s」の見分けがつかず、文章は虎の爪痕のように見えてしまう。医療の世界では字の汚さが原因で年間七〇〇〇人の死者が出ているという
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特化したモニタリングと、的を絞った
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何を向上させるべきか明確にわかっていないために、時間を無駄にしているだけ」の人がほとんどである、とエリクソンは私に語った。
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ミスを書き出す、つまり、フィードバック・システムを作ることによって、チームのミスは大幅に減った。効果は即効性があり、バーンスタインのチームの手術中の過失率は最初の一年で激減し
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モニタリングとは要するに気づきの一形態であるという。結果を記録するためには何が起きているかに気づかざるをえ
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自分のパフォーマンスにほとんど注意を払わない人が多いものだが、自分のパフォーマンスを記録していると、向上に意識が
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意外にも患者数が増えると概してミスの数は増えるより減ることもわかった。さらに、チームに新しいスタッフが入ってもミスの数が目立って増えはしないことも証明され
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頭蓋骨の一部を、手術中に床に落としたことがある。「痛恨のミスだった」とはその経験を語るバーンスタインの言葉だ。  それでも、このように意識の焦点を絞ると成果は向上
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少なくとも週に一回は体重計に乗り、毎食の摂取カロリーを記録して
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最も効果の高いフィードバックは、まず答えが間違っていることを示し、それから軽いヒントを与える(「雄鶏を意味する正しいスペイン語は〈g〉から始まります」)。相手がそれでも正しい答えを考えつかなければ、ヒントを順に与えていき(「ga」など)、正しい答え(gallo) に
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ミスの後のフィードバックであろうとなかろうと、単に事実や概念を繰り返し提示するのは、学習者に情報を『創出』させるのと比べるとはるかに効果が低いのです」と認知心理学者のボブ・ビョーク
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フィードバックの役割を考えると、なぜカリキュラムが重要なのか、教科書やワークシートなどの練習手段が学習に大きな影響を与えるのかが
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質の高いカリキュラムには質の高い教師と同等の効果が
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では質の悪いカリキュラムとはどんなものか。フィードバックがお粗末で、練習問題と教科書は生徒に単純に答えを与えてしまい、思考を組み立てることを促さない。質の低い教科書はテーマの扱いが広く浅くになりがちで、一つのテーマでみっちりと練習を積むことができ
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人は説明を必要とすることだ。学習するためにはなぜ自分が間違っているのかを理解し、自分の考え方へのフィードバックをもらう必要が
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フィードバックの効用は正しい情報を得ることだけでは
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フィードバックが最大の効果を上げたと言えるのは、学習者が新しい推論法を獲得したとき、あるテーマについての考え方が変化したときだと主張している。ハッティが書いているように、フィードバックは「誤った理解に働きかけるときに最も威力を発揮
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良いフィードバックには必ず「先行予測」の要素が含まれているという。つまり学習で次にどこに進めばよいか、見当をつけさせてくれるの
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クラインはこのような思考法の転換をマインドセットの変化と呼んでいるが、考え方としてはほぼ同じだ。結局、私たちが学習するのは思考を変えるため
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私たちは思考の技を磨くために学習
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スキルの伸びがフィードバックから始まるとすれば、次に向かう先には苦労が待ち受けている。人は必ず失敗する。フィードバックとは自分の間違いを知ることに尽きる。
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研究者のロバート・ゴールドストーンが先日ソフトウェアを検証したが、このアプリで身につく代数の基礎力は「ギターで言えばチューニング程度」ではないかと話してくれた。  
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スキルを伸ばすためには、大変な思いをし、気を張りつめ、多少なりとも自分を追い込むことも
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心理学者のダニエル・ウィリングハムは、思考とは難しい行為なのだから学生は苦労して当たり前だと書いている。認知心理学者のボブ・ビョークは知識の習得とは「望んでする苦労」だと述べて
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学習は頭を働かせる「活動」だ。加えて、ジャネット・メトカルフェが述べたように、優れた学習にコンフォートゾーンはない。本章では、フィードバックを受ける気まずさに触れた。
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だがさらにもう一つ理由がある。専門分野を身につけるには反復が必要だということだ。専門分野の力を伸ばすためには、その専門分野に何度も、できれば何通りもの方法で取り組む必要がある。これはスポーツの世界を見ればある程度わかる。テニスのサーブを一回でマスターする人はいない。半日で棒高跳びの技術を習得する人はい
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検索練習と呼ばれるこの方法は、記憶に関する最近の文献によく取り上げられ、時には他の学習法を五〇パーセントほども上回る効果を上げて
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具体的に言うと、検索練習は選択肢から答えを選ぶ問題とは異なる。むしろ頭の中で三つの文からなるエッセイを書くのに
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記憶から情報を取り出す行為は効果の高い学習法」なので
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検索練習事実情報の記憶だけでなく、概念の理解を深める方法にも応用
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その一つとして、まず事実情報を記したカードの束を作る。次に「実生活での例を挙げなさい」とか「この概念を図に描きなさい」などのお題を書いたカードの束を
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ここには、人間がどのようにスキルを伸ばすかについての重要な示唆が多数含まれている。その一つとして、頭の良し悪しの決定要因は一般に考えられているよりもはるかに少ない。は生まれた時点で確定してはい
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しかしこの分野の研究で最も重要なのは、が新しい構造を作っていく具体的なメカニズムだ。はどうやら知的な苦労に対処しようとするときに白質を作るらしい。自分が知っていることとできることの間に大きなギャップがあると、脳はそれに対処しようと構造を変化さ
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思考よりも表面的な行動だけに注目する消極的な学習モデルでは、ミスはミス以外の何物でもない。ミスは正しく学んでいないことの証明、失敗はやっていることが間違っているしるし
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試合に向けた練習をしていれば、間違うことはよくある。  大事なのは、間違いが意味を創り出してくれること
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えっ、ちょっと待って、本当? キャンベラがオーストラリアの首都?」という反応になるのではないだろうか。  しかしこの「ガーン」という感覚が学びだ理解に変化が起きた合図なの
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もちろんここに問題があることは否めない。ミスが好きな人などいない。間違うと強烈に痛い思いをし、恥ずかしく、自信をなくす。言い間違いをしたり、頼まれごとをしそびれたなど、ごくささいな失敗でさえ、何年も頭を離れなかったり
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しかしもちろん時として、ジョーダン・エレンバーグのような、知能の正規分布曲線から逸脱した、突出した天才は現れる。だがここには裏がある。天才とて苦労しなければならないのだ。天才たちもスキルを伸ばすために間違いをおかし、悩み、手探りする時間を
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だが それ以上に、間違いは思考の本質である間違いは概念形成の核心だ。学び、専門知識を育てる際に間違いをおかすのは、それが理解するために必要だから
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間違いを禁じることは疑うことを禁じるのに等しく、深い思考を奪うと説いている。ミスは真剣な思考に欠かせない、まさに人の常だと彼女は
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避けられない一部であるなら、それに対する備えが必要だ。これは学習の世界では新しい考えだが、スポーツの世界では何百年も前から常識で
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オリンピックの試合前、ブルックス監督は選手を集めて、心のレジリエンス〔困難に耐える心の弾力性〕 を説い
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お前たちはこの試合のためにここにいるんだ」  これは若い選手たちの心に確実に響いた。試合の立ち上がりで早くもソ連代表にゴールを奪われるが、アメリカ代表は盛り返し、最後は四対三で強豪ソ連に勝つのである。氷上の奇跡として知られる試合
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公園の滑り台を滑り降りる程度の何でもないことまで一様に「すごいね」と褒める。  忍耐が学問の対象となってからまだ日が浅いが、人が間違いや挫折、損失や失望の情動的な側面と付き合う手だてを必要としているのは明らか
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心のレジリエンスのようなものが必要なのだ。その点で、学習のプロセスは情動コントロールのプロセスとも
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友人との口論でも、マシュマロを食べたいという願望でも、ラベルづけすることをブラケットは勧める。「自分は今、友達に腹が立っている」とか「自分はあのマシュマロがおいしそうだと思っている」などと自分に語りかけるので
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このような情動への対処にはしばしば自分への励ましが求め
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自分への語りかけには二人称の「あなた」のほうが一人称の「私」より効果があることが研究で証明されている。なぜか。二人称のほうが信頼がおけそうだ
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情動のレジリエンスは社会とつながっている感覚、集団的な連帯感に負うところが大きいと
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子どもたちがマシュマロの誘惑になかなか抵抗できなかったのは、友達と一緒ではなく一人で部屋に招き入れられたから支えてくれる人がいなかったためだ
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例えば体重を減らそうとしているなら、マシュマロは「ごほうび」ではなく「毒」とみなすべきだ。そうすればマシュマロの魅力は激減
note⇒あるいは
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勉強はあとでやろう」と考えるのではなく、「今勉強したら後で出かけられる」と考えるので
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努力の要る自制から努力を
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挫折が本当に役に立つと信じられるか、で
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ミスをした後、あなたは心の中で「よし。どうすればこれから良くできるか考えよう」と思っただろうか。それとも「あーあ、自分はいつもここがだめなんだ」と思っただろうか。
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人にはひそかな決定論者、いうなれば「生まれ派」の人々がいることを示した。このタイプの人は、遺伝子などの生まれが成功の決定要因だと考える。この考え方では頭の良し悪し、強さ弱さ、善悪は生まれながらに決まっているため、失敗すれば「あーあ、自分はいつもここがだめなんだ」
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言葉が「生まれ派」が「育ち派」に変わるきっかけになると語っ
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親が子どもの努力を褒めても、それが必ずしも子どもに「育ち派」の思考態度を促すわけではなかった。  もっと大事なのは子どもが失敗したときの親の実際の反応だった。親が失敗を「生まれ派」のように能力が足りないせいだと言う

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一方で、成果にこだわり、一定のレベルの達成をめざす場合もある。自分にはできるのだと周りに証明せずにはいられない。成果に本気でこだわる人は、勝者にならないと気がすまない。こういう人は究極の「生まれ派」だ。自分は遺伝子で当たりくじを引いた、大きな試合で勝つのだと証明し
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問題は、成果中心アプローチに偏ると危険だということだ。そうするとタスクが脅威に感じられてしまう。成果至上主義ではタスクに成功しさえすればすべてよしとなる。成功すれば自分は頭が良い、強い、タフだと考える。だが成果至上主義で失敗すると、取り返しがつかない。自分は頭が悪い、弱い、ひよわだと考えて
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シュートを打つプロセスに心のエネルギーを注いだ。練習を成長の手段ととらえるようにした。ジャンプシュートを外すと自分に質問する。「足はゴールに向いていたか?」、「ちゃんと脚を使ったか?」、「手がフォロースルーできていた
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ミスにも同じ姿勢で臨んだ。相手にドリブルで抜かれると、その失敗を課題としてとらえた。「どうして抜かれたのか?」、「次からどうすれば止められるか?」
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一方、自分にラベルづけをしないように努め
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例えばエアボール〔リングをかすりもせずに外したシュート〕 を打ってしまったとき、私はプロだってリングにすら当てられないことがあるんだと思い出すようにし
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練習分解して一問一答式クイズ風、検索練習風にもしてみた。週一回コートに出るのではなく、毎日コートに入ってスキルの向上に取り組んだ。雨が降ろうが寒かろうが関係ない。たった十五分でもかまわ
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フリースローはまったく同じ動きで反復練習した。ドリブルを二回して一拍置き、深く膝をかがめてから高く弧を描くように
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もっとリバウンドがうまくなる方法を学ぶ。毎試合、必ず得点できるよう
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さらには自分への語りかけを改善し、特に出来が悪かった夜には「たかが試合じゃないか」と自分に言い聞かせた。
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ドリッピング技法の実験を行ったのはポロックだけではない」と美術評論家のレベッカ・スミスは『ニューヨーク・タイムズ』で論じている。「しかし粘り強く、系統的にあらゆる角度からこの手法を試し、可能性を追求したのはポロックただ一人だっ
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前章ではスキルの伸ばし方、すなわちいかに絞り込んだ練習法が可能かを紹介した。しかし専門家になるには、習熟の領域を広げる必要もある。学習とは知識の発展、専門知識の領域の拡大とも
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もっと具体的な例として、要約、つまりある概念を自分の言葉言い換える行為を考えてみよう。学習という活動をしていると、一連の質問を自分に問いかけないわけにはいかない。「重要なのはどこか?」、「この概念をどう言い換えできるか?」。このような問いかけは重要だ。最も大事な概念を要約することによって、その概念への理解が深まり、その概念に意味が生まれる。この行為は成果に明確なプラスの効果をもたらすことがわかっている。
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話を進める前に正直に言っておこう。学習者は、ある分野を発展させたり、新しい概念や分野を生み出したりする専門家とは違う。ほとんどの人はポロックのように、画期的に新しい絵画の形を開拓するわけではない。だがスキルに肉付けをし、専門知識の領域を拡大させれば、すべての人の学習の質が上がる。  
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マイルスは自叙伝でこう書いている。「自分自身の何かを創造していると、限界が取り払われる」
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また連想形成にもトライした。別の言葉や概念を使ってその概念を説明できるかやってみたのだ。「自己説明で行っているのは主につながりの形成です」とロスは話してくれた。「ああわかった、これはあれにつながる
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質問することも知識を発展させるまた別の方法である。なぜか。テーマがわかっている場合、「なぜ」を問う質問はそれほど難しく
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なぜ」を問う質問がとりわけ役に立つのは何かを読んでいるときだ。テキストからの学びを豊かにするために、「なぜ」を問う質問を頻繁に自分に投げかけるべきだ。なぜ著者はこのように主張しているのか? なぜ著者の話を信じるべきなのか? これが大事なのはなぜか?
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だが議論には専門領域の拡大に対して別の角度からの効果もある。議論することによっていやでも推論という思考法に深く関与するからだ。論理に正面から立ち向かわなければなら
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推論は理解を促す。人は判断するとき、つながりを構築している。物事がどう関わり合うのかを理解すると、知識の質が高まる。多少のつまずきが学習に役立つ理由はこれで説明がつく。問題を解決する方法を考えさせてくれるから
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こなせるかどうかを判断するには、紹介状や経歴や筆記試験などの確実なデータのほうがずっと重要である。  問題は面接が「採用活動に適切であると感じられる」ことだとニスベット
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証拠を吟味したからといって正しい結論に至るとは限らない。そこはやはり専門家の仕事だ。しかしさまざまな証拠を慎重に比較検討すれば学びは
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学習アプローチとして模倣効果があるのは具体的だから
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学習は具体的であるほど理解しやすい。学習プロセスに関して言えば、すでに知っていることを、これから知りたいこと理解を助けるために応用できるのである。
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ポロックがロングアイランドの古い納屋のアトリエで二〇世紀を代表する作品のいくつかを制作したことを本で読むのと、アトリエに足を踏み入れて、つい前日の朝まで彼がそこにいたかのように床に残る青い足跡を見るという具体的な体験はまったく
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ハイテック・ハイではビデオゲームで遊んでもかまわない。自分で作ったゲームなら」が標語のようになって
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ハイテック・ハイカリキュラムはあるが、生徒たちは自分たちでプロジェクトを作り上げる。一〇年生の化学の授業では、あるグループが小さな石鹼製造会社を立ち上げ、一万ドル以上も売り上げ
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学習を実際に応用すると、理解の空白に気がつく。例えば凧の設計プロジェクトに取り組んでいるとき、うまくいっていない場合はすぐわかる。凧が揚がらないからだ。すでに見たように、自分に関連性があると思えばモチベーション
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学習を発展させるとき──知識を応用するとき──学習は統合されていく。専門知識がより豊かな知識体系の一部になるのだ。知識を応用すると、そのテーマを全体の一部として理解することが
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生徒は凧の作り方を学びながら物理学、数学、工学を総合的に勉強する。石鹼の製造法と販売法を学べば、化学、ビジネス、マーケティングに取り組むことになる。
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実際に手を動かしてやってみるだけでいいと勧めているわけではない。概念を理解し、基本が身についていなければ、実践の効果も
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人は知識を実行に移すことにしばしばひるむ。第2章で紹介したアルバート・バンデューラ自己効力感という概念がここにも影響している。成功しないのではないかと心配しすぎるの
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シミュレーションが学習に役立つことにははっきりしたエビデンスがある。ある研究者グループが、シミュレーションを使うなど学習者に行動を促すタイプのオンライン学習の授業と、従来型のオンライン学習プログラムを比較したところ、前者の関与型アプローチのほうが約六倍も成果が高くなることがわかった。
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知識を応用する方法は他にもある。人に教えること
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教える人数の規模には関係なく、教えることによってその専門知識の理解は深まる。  研究者の世界では「プロテジェ効果」と呼ばれる
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人に教えることで、私たちはその概念に自分なりの解釈
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これから人に教えると信じ込まされた被験者グループのほうが、これから試験を受けると思った被験者グループよりも学習成果が高かっ
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人に教えるとき、私たちは価値意味、情熱や喜びについて考える。生徒に車両管理局〔車両登録や自動車税の納付など自動車関連の手続きを行う州政府機関〕 の長蛇の列に並んでいるようなげんなりした気持ちで机に向かってほしい人などい
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どうすれば概念やスキルに生徒との関連性を持たせられるかを
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さらに人に教えることは繰り返しをともなう。相手がぽかんとしていたら、その概念をもう一度説明
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前提となる知識でつまずいていたら、そこをおさらい
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しばらくすると、サイトで質問に答えていたおかげで新しいテクニックや視点が身についてきたのに気づい
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スキルを増やすために「少しだけ難しい質問背伸びして回答するようにしているんです」と
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それはおかしいです」、「こうしたら可能かもしれません」など。  言い換えれば、ファインマンボーアに、教えることを通じて理解を深めるよう促したのだ。
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これは不思議な偶然などではない。知識領域の拡大にはある種の創造性が求められるのだ。はっきりと定義されないものや不確実性を受け入れる感性が必要である。実際に、専門知識の領域を不確定であいまいな、発見探求の余地があるものだと考えている人ほどよく学べるという研究結果も
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学習とは単に情報を集めること、確固とした手順を確立することだという思い込みがあったら、考えをより深め、習熟していく理由はなくなって
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ある分野の権威にとって、あいまいな部分はあって当然である。専門知識はたえず変化しているの
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複数の解き方がある。そのどれ一つとして唯一絶対に正しいわけではない。  このような姿勢は単なる習熟の手段というだけではない。実は目的なのだ、と物理学教育に携わるアンドリュー・エルビーは私に語ってくれ
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専門知識を学ぶとは究極的には世界と対峙し、複雑さを理解し、思考パターン変化させることなのだ。それは名を知られた専門家でも初心者でも同じである。「学習とは単に正解を知ることではなく、推論説明することなのです」
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知識経済」は「思考経済」に変わった。つまり、成功するには従来よりもつかみどころのない形の知識が必要になっている。決まりきっているように見えるかもしれない学問分野も、実はそれほど決まりきった世界では
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アメリカは第二次世界大戦に勝ったときと同じやり方ではもう戦争に勝てないだろう。戦闘や進軍の方法が決まっていた時代は終わっ
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毎日変化させている。「実のところだんだん難しくなってきました」とランコは語った。「靴紐の結び方のパターンには限りがあるようですね」  このアプローチによって頭がやわらかくなるとランコは主張する。小さな違いを意識するようになるのだと
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自分の思い込みを疑わせるところである。例えばランコは、高速道路を使ったからといって職場に早く着くとは考えない。右利きだが、右手のほうが左手よりうまくひげが剃れるとも考え
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車で最短時間でどこかに行くなら、確実に正解はある。だがその核にある精神は重要だ。効果的な学習には不確実性が必要であるということ。学ぶ者はあいまいさを受け入れなければならないこと。スキルや知識についての考え方が変化するのを前提として、専門知識は成立して
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別の視点を考えると、理解の形に繊細な深みが出るからだ。例えばソビエト連邦崩壊について学ぶ場合
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ソビエトの指導者ミハイル・ゴルバチョフは状況をどのように理解していたのか。アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュはどうだった
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人がこの考えを信じているのはなぜだろうか。間違っているとしたらその理由は何か。別の説明ができるとしたらどういうもの
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問題抽象化すること。そうすると解決しやすくなる。問題を圧縮するとは具体化する
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例えばヨットの操縦に苦労していたら、その行為を引き伸ばしてこう自問することができる。「そもそもなぜ風によってヨットが動くのだろ
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具体化して学ぶ方法もある。「風のある状況で舵をどう操ればよいだろう?」、「スピードの出ているヨットを減速するにはどうすればよいのか?」
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多民族集団の中で人々がどのように思考するかを研究し、民族的背景が違うので人々がよりエビデンスに基づいて考えることを発見
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外見自分と異なる人々が周囲にいると、他人の行動の合理性を無批判に信じなくなります」とレヴィンは語った。「他人の真似をするのではなく、自分の頭で考える傾向が高くなるの
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多様性懐疑心をもたらすことによってクリティカル・シンキングを促す。そして、人は質問を多くするように
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自動車の購入や転職など、何らかの意思決定をする際、彼は多様な背景を持った友人たちに相談するようにして
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問題解決で「ランチルーム」は「ギーク」にたいてい勝つ。「ギーク」のほうが頭は良いかもしれないが、発想の手数が限られている解決法について違う発想ができないのだ。「ギーク」の思考法縛られてしまって
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インターネットのおかげで、まったく異質な人同士がつながるコストがほぼゼロになっ
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多様性は実は好ましいものではない。自分とは違う人々と関わるのは快適ではない。多くの人にとって、自分とは物の見方や経歴が異なる人々と関わるのは社会的な不安を呼び起こす。ある学術論文が端的に結論づけていたように、「多様性は摩擦の増加の要因と
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私が主張してきたのも、より豊かな学びには一種の懐疑主義が必要ということだった。専門知識を習得し、知識を発展させるためには、疑いがなくてはなら
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高度な技術をすべてマスターしようとは思わなかったとポロックは認めて
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戦うべき戦い、先頭に立って立ち向かうべき反逆の対象があった。常にゆるぎない自信にあふれていたわけではない。ポロックは精神を病み、泥酔状態で交通事故を起こして死ん
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少々の野心と大きな反抗心とともに、自分には言うべきことがある、それを言ってみせるという信念があっ
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だから一〇という数字を考えるとつられて低めの数字を発想し、六五という数字を考えると高めの数字を発想
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思考実験は古代ギリシャの時代からあり、一般的にはあるアイデアをじっくりと考える手段である。思考実験は、スキルや専門知識がどのように一つの体系構成するのかを理解させて
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あるテーマの裏に隠れたつながり理解することは、ともすると学習プロセスで最も難しい部分であるが、結局それこそが学習する理由でもある。それが知識習得への道で
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リッチランドは長年にわたり数学から歴史まで幅広い学問分野を調査したすえにこの考えに至り、知識習得とは突き詰めれば知識構造同士のつながり理解することである、と証明した。「高次思考力土台にあるのは結局、関係性推論する力なの
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★Note: ⇒関係性が「ない」かもしれないこともまた、推論しないといけないが。

例として、海についての学習を取り上げよう。水温や海の容積など、個別の事実にこだわる人も
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するだけではいけません」とリッチランドは語った。「効果的な学習を行うためには、原因類似点相違点を探すべき
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関係性を探す最も重要な利点の一つは、おそらくその分野の奥に潜む構造への洞察が得られることだろ
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システムの概念、関係性の概念で
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Note: →システムと関係性って、同義というか類義を持つだろうか。

別のグループは複数の要素混ぜ合わせ複合的アプローチをとり、フリースローだけでなく短い距離のシュートとミドルシュートも練習し
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練習には変化をつけ反復を避けるべきだ。「いちばん良くないのは同じ練習を複数回、連続して行うことです。これは絶対に避けなければなりませ
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論文を混ぜ合わせたほうが洞察が深まる。つまりまず独立戦争の論文、次に南北戦争の論文、そして冷戦の論文、これをもう一巡するのである。なぜか。論文を混ぜれば、個々のテーマ同士のつながりに気づくからである。
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★Note: →こまかい部分の事実情報がごちゃごちゃにならないだろうか? つまりこの方法は、通り一遍の明快すぎるイメージくらいは、あらかじめ学習者の中にある場合にこそ有用なのでは?

木工ならいろいろな道具を試し、オーク材、パイン材、モミ材など多種類の木材で練習するだろう。  だがたいていの人が経験する練習具体例多様性ではとうてい不十分なので
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例えばゴールドストーンの実験では、被験者が深部にある構造をようやく学んだのは六問もの問題に取り組んだ後だっ
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例えばスキーの例で言えば、ある年は新雪の斜面を滑り、翌年凍結した斜面を滑るのでは不十分だ。複合的な学習の利点はある体験の直後に別の体験をするところに
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心理学者のブライアン・ロスは、自分が発見した深部の構造明確にしておくとよいと勧める。ロスの研究では、課題の隣に概念──つまり深部の構造──の名称を書いておくと、問題を解くのがはるかに容易になることがわかった。  
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同様に私が今度、王様と七人の娘と五つの国の問題に出合ったら、「復元抽出」と書きとめておこ
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古代の著作家が仮定的問いかけをした目的は、読者に概念の全体像を考えるよう促すことである。仮定は私たちに体系理解を促してくれるの
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例えば、次の質問を考えてみよう。「これから一生、口が利けなくなったらどうなる?」。単純に「はい、いいえ」で答えられる質問では
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若い恋人たちが死ななかったとしたらどうなるかを考えてみるとよい。キャピュレット家とモンタギュー家の確執は続いただろうか? 恋人たちは結婚できただろう
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研究してパターンを見つけ出し、モデルを探し、他の画家たちがスケッチやイラストレーションをどう構成しているのかを理解しようとして「もし彼らのアプローチを自分がとったらどうだろうか?」、「自分のスケッチはどう見えるだろう?」、「どこが違うだろうか?」と自問していた。
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豊富な背景知識としっかりとしたサポートがなけれ
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細かい部分でつまずいてしまう。認知的負荷がかかりすぎ、貧弱な成果しか出せない。  しかしコンテンツと行き届いたガイダンスというしっかりした基盤があれば、ハッキングによってスキルを
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迅速に行動せよ、破壊
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しかし文章ではこうしたつながりが今一つわかりにくい。文章は一方向に進むという性格上、互いに絡み合った関係が見えにくい。実際、最初に百科事典を読んだとき、私はこの関係にほとんど気づけなかっ
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木が多ければ、森を見るのに何らかの道具が要るということだ。関係性を学ぶべき理由はそこにある。関係性の把握が学習を助けてくれるのである。
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具体的にどう関わり合っているのかを理解する手段が欠けているのだ。その空白を埋めるのがアナロジー類推〕、つまり
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言い換えるなら、関連づけを行う思考の推進力となるのがアナロジーの発想で
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頭の中で対比を行った。過去に経験したマツダ車か同等の車のブレーキ音の問題を考えた。要するに似たようなもののことを考えたので
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アナロジーは、関係づけを行う思考の一種に見えるかもしれない。だが学習という観点から見ると、アナロジーというアプローチはそれだけでは終わらない。アナロジーの本質は比較で
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新しいこと今までと違うことを理解しやすくして
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例えばホリオークは、自分が熟知しているものをアナロジーの対象にするよう勧めている。「ナイフのようによく切れる」という慣用句が成り立つのは、みんながナイフというものをよく知っているからだ。
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つまり、多種多様な果物に出合えば、果物というカテゴリーをよりよく把握できる。多種多様な犬に出合えば、犬というカテゴリーをよりよく理解
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アナロジー異なる概念や事物の違いを際立たせるという点でも役に立つ。学習に比較対照というアプローチをもたらしてくれるの
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クロスレーは授業で間違った内容の本や記事を好んで課題に
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だがこの本を陰謀論単純に一蹴することは許されなかった。クロスレーは学生たちに本の正しい部分と間違っている部分仕分けをさせ
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つまり、アナロジー推論を促す要素なのだ。どんな概念もその中心には比較があり、比較から論理が形成
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過度な一般化はよくある誤りで、弱いアナロジーを過剰に適用したケースである。以前一度だけ事故を起こした道路を通らないというのは過度な一般化であり、アナロジーとしては
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憶測についても考える必要がある。私たちは根拠に乏しい前提から重要な問いを立てたり推論をしたりしがちだ。多くの概念やアナロジーがこの問題の影響を被っている。例えば、いま外が寒いから地球温暖化は作り話
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レンヌ=ル=シャトーの謎』で著者たちは、イエスとマグダラのマリアは互いを知っていたから、結婚して子どもを作ったに違いないと主張している。  だがこの主張では二つのまったく別種の行動──知り合うことと結婚すること──を一緒くたにしてしまって
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対象分野外でこのような推論スキルを教えるのは非常に難しい。関連づけの前にまず知識の習得が必要だからだ。結局のところ、限られた対象分野の中で思考スキルを学ばなければ、本当の学びはできない。
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問題解決とはとどのつまりアナロジーを利用した推論の一種と言えるのだ。
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大きな役割を果たすのはコンテキスト
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診断とは要するにつながりを探すこと、すなわちパターン認識
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診断するには、断片的な情報の統合を試みることもあれば、分割して部分に注目しようとする場合もあります」とダリワルは言った。
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まだ疑っていた。症状をすべて考慮すると、今あるエビデンスでは不十分に思われた。「法廷で弁論する弁護士のようなものです。私には証拠が必要なの
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これで赤血球数、心臓にできた腫瘍、喀血、すべての説明がつく。「診断とは要するにさまざまな事実を組み合わせる能力と言えるでしょう」と彼は述べ
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自分自身に問いかけを行う人のほうがそうしない人よりも問題解決力が高いと示唆する研究結果が出ている。例えば「十分な証拠はあるか? どのような反論があるだろうか?」と自分に問いかけてみよ
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記者はどうやら「どうすれば思考力を高めることができるのでしょうか?」というような質問をしたらしい。 「私が魔法の杖を持っていたら、何を消すかな?」。カーネマンは問い返してから答えた。「それは、過信だよ」
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トイレの仕組みをどれだけよく理解しているか、自分を一から一〇で評価してほしい。  
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Note: ⇒ちょっと、『知ってるつもり』を検索してくる。 →「マークマン」でヒットは無かった。
たちは実際、中途半端な知識に惑わされるのである。そのことは心理学の世界で何十年にもわたって研究され、「専門家の盲点」、「流暢さヒューリスティック〔選択肢の中で自分がよく知っているほうを選びやすいこと〕」、「説明の深さの錯覚〔実際以上に知っていると錯覚すること〕」など目を引く名称をつけられてきた。
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だからあなたは自分のトイレの知識を六と評価するかもしれない。だが実は、おそらく四なの
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自信モチベーションにもつながる。例えば入試面接で自分のGPAを実際より高く申告した大学生は、正直に申告した学生より入学後の成績が向上
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わかりませんと肩をすくめるのはきまりが悪い、ということもある。認めるのは悔しいが、私にも自分を過信して失敗をした過去が
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数年前にカリフォルニア州議会で行った講演は州の方針から外れすぎていて、ある議員から冗談半分に、素手で決闘を申し込みたいと言われてしまっ
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何度も見聞きしたことがある場合──人は実際には知らないのにそのことについて自分はわかっていると思いやすい。トイレについて過信してしまうのはそのため
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教え上手な先生を見分ける能力について過信してしまうのも、長年生徒としてたくさん授業を受けてきたからだ。
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大きな写真つきの記事を読むと、内容が理解できたと思い込みやすい。学生たちを魅了する授業を行う教授を見ると、この先生なら学生の学習成果も高いだろうと考える。実際はそうでなく
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動画の多くは再生回数一〇〇〇万回を超える。  ところがマークマンに言わせると、TEDトークは学習には益より害のほうが
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講演の聴き方が問題なのです。一五分間、流暢にプレゼンされたテーマを聴いたら、すぐ次に移って
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動画の出来の良さがかえって学習の妨げとなるのだ。これを学習の「二重の呪い」と呼ぶ心理学者もいる。つまり自分がわかっているかどうかがわからないとしたら、わかっていない場合もそれがわからないわけで、当然ながら簡単に見えるものを人は勉強しようとしない単純わかりやすく見えるものに対して、人はあまり努力し
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化学のテストで常に優秀な成績をおさめていたら、たとえ次の試験が前の試験よりずっと難しいかもしれなくても、試験勉強をしない可能性が
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過信の問題ばかりではない。注意力が足りないせいでもある。この意味で学んだことを見直す必要があるのは、私たちが人間というよりロボットのようにふるまいがち、自分の意思を働かせるよりも機械的に行動しがちだからである。判断を誤るという問題以前に、そもそも判断すらしないのだ
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私たちは直感的な思考に頼ることが多く、そのアプローチはたいていプラスに働く。時間と努力が少なくてすむ。頭の中で吟味するのにエネルギーを使いたくないから
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注意力を働かせていない間も、直感的な思考は働いている。そして意識を働かせようとしているときでさえ、直感的な思考はすばやく動いている。私たちは事実を本気で考察する機会を得る前に、心の中でわかった気になりがちなのである。
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ゲイツがこのアプローチを取った真意はわからない。だがゲイツのような人々が手元に入ってくる情報を注意深く検証する必要があるのは間違いない。第一に、部下は上司に対してイエスマン的にふるまい、上司が耳に入れたいことばかり報告しがちだからだ。第二に、先に見てきた過信がある。人は本当は何もわかっていないのにわかっていると思い込んでしまう。
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特定のスキルを身につける際、私たちは自分自身に次の問いかけをしなければならない。「よくわからないと思えるところはないか? 不明な点はどこか? 自分がわかっていることはどうすればわかる
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プリントアウトしてで読み直したほうがスペルミスを発見しやすい理由もこれで理解
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フリーランスの編集者を探してみっちりと批評してもらっ
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家の近くのカウンセラーに定期的に通い、マインドフルネスを向上させ、思考をうまく扱う方法をサポートしてもらっ
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専門知識の習得は意識的に行わないと発展しないことは、えてして忘れやすい。私たちはみな自問しなければならない。「自分はどうやってわかったのか? 何をわかっているのか? 知っていることを確認したか?」
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ビル・ゲイツはかつて「最も不満の大きい顧客が最大の学びの源泉だ」と主張し
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彼に小テストを使った授業法問題点はないかとたずねてみた。「質問にみんなが答えたくないとき、しばらく間が空いて気まずくなることかな」と彼は言っ
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だが世間一般では集中学習があいかわらず幅を利かせている。分散アプローチは普及しておら
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長期間練習を分散するかわりに、半日ですべて覚え込もうとし、大事な概念や情報を復習
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それともスピーチを四つのセクションに分割して一日五分、一セクションに集中すべきか(薄いカードの束を四つ使って学習するのに相当する)、である。  実験に参加した被験者たちは薄い束を支持し
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私たちの社会熟慮型ではない。行動が重視される。考えることは弱さの表れとみなされやすい。意思決定に時間をかける人はともすれば怠慢に見えて
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しかし逆の事実を示すエビデンスが多数ある。たいていはテストの答えを修正したほうが得点が高くなる。もう一度答えを考え抜くと、総じて成果は向上
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専門家は常に熟考している。「自分が実行していることについて考えるほうが実行そのものより重要だ」。これは『カー・トーク』のレイ・マリオッツィの机の上に掲げられていた言葉で
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コーチ、ビル・ベリチックも、これまでの試合について何時間もかけて考えをめぐらせる。逃したチャンスはなかったか、チームを向上させる方法はないか、改善策はないかを熟考して
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自分を向上させる方法を考える時間を取っている。ライブが終わるたびに、そのライブについて数ページにわたって書きとめて
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書くという行為は思考を減速させ、熟考を促す。学習の質を上げる一つの方法が日記だ。学習日誌と考えてもよいが、授業や練習でうまくいったことをすべて書きとめるので
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深い思考である必要はない。「今日のホッケーの授業で、腰をもっと使わなければならないことがわかっ
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ある経験をした後で──あるいは経験している最中でも──「次はどうしようか?」あるいは「もう一度解く問題はどれにしようか?」など、内省を促すような自分への語りかけを行うと、学びの質を上げることが
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学生にできるかぎり多くの教材を与えます」  しかし学習はそれではうまくいかない。人にはスキルや知識について、集中して考え抜く時間
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ここにいる間にやりとげたいことは他にないかと考えさせてくれました」とモーガンは語った。「課題を書こうとすると一歩引いて考えなければなりませんでしたから」。それこそが狙いだっ
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無言で書き物をしたり、シャワーを浴びながら考え事をしたりすることはあるだろう。だが集中した熟考に取り組むためには頭の中を落ち着いた状態にすること、静かな内省の時間が必要
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例えばソフトウェアのマニュアルを読む場合、マニュアルを閉じてからのほうが多くの理解が得られる。職場で同僚と議論をした場合も、あのときああ言えばよかったんだということを夜に皿を洗っている最中に思いついたり
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アメリカの中学校の始業時間を一時間遅らせた場合、全国テストの成績がほぼ一段階上がるであろうことを証明した。具体的には、始業時間を六〇分遅らせれば、レベル七の成績がレベル八近くに上昇
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イモーディノ=ヤンは、人は内省に取り組む時間を十分に取らないことが多いと述べた。車の運転やメールのチェックをしながら、完全に集中して取り組んでい
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もっと意味のある形の理解を可能にする感情の落ち着きや心の落ち着きがない。人は「生産的に心を遊ばせる」ことに取り組むべきだと彼女は主張し
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被験者の圧倒的多数が練習を選んだが、「考えて書く」ほうを選択したグループのほうが学習効果が高いという結果が出た。つまり内省のほうが練習を重ねるよりも効果があったのだ。「行動をよしとする先入観は学習には有害である」というのが研究者らの結論だった。
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かなりの集中力を要する学習タスクに取り組む前には、まず不安を追いやる工夫をすべきだ。BAMプログラムにいくつか有効なアドバイスがあるが、例えば呼吸を数えるだけでも
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スナップチャット〔画像アプリ〕 もフェイスブックも、少なくとも数時間はやらないということだ。この考え方をニューポートは「ディープ・ワーク」と
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携帯電話は「あるだけで」集中力を減退させることがわかっている。つまりテーブルに置いたiPhoneが視界に入っているだけで、タスクへの集中力が低下する。
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テクノロジーによる学習支援は控えめなほど効果が高いとしている。概念やスキルはシンプルな形で取り組んだほうが成果は高いことを多数の実験が実証して
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どんなツールを使おうと、理解をものにできるかどうかは、あくなき意味の探求にかかって
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チェックリストの価値を否定する者はいない。自動車修理のようなケースでは、収益を二〇パーセントもアップさせる効果もある。だ
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体系的に理解するよう、自分自身に「もし~だったら」と問いかけることを奨励した。もしこれが作動しなかったら? もしこれが起こらなかったら? もしエンジンが止まってしまったら?
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報告書の結論は、少なくとも何かの習得をめざす大半の人々の行動からすると、画期的だった。小テストの価値を力説し、分散学習の大切さを論じていた。「説明を求める質問」の多用や、別々の事例の間に「つながり」を見いだす重要性を説いてい
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学ぶ人ほど寿命が長く、幸福度も高いのだ。学習についての学びは二一世紀のプラスチックのようなものだと考えてほしい。もはや生活に不可欠なものだ
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期待値を示す。学習は困難をともなう。これは避けようのない事実だ。専門知識の習得には努力を要する。これを親、先生、上司の立場から見ると、学習者には支援と励ましが必要ということ
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相手に期待することを話そう。学習の成功モデルを示すことも大切で、苦労に対処し失敗を克服する上手な方法を教えるようにしよう。ミスしたら自分にも周りにも「すばらしい学びのチャンスだ」と言お
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ミスをサポートする。長らく学習者にとって失敗は忌み嫌われてきた。しかし今日では、失敗があってこそ力が伸びることがわかっている。失敗は、うまくいかなかったと思う部分を理解するのに役に立ち、また、ミスによって記憶に残り学習が
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毎年「ベスト・ニュー・ミステイク」賞を授与し、受賞者に数百ドルの賞金を出して
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不安な状態、答えがわからない状態に慣れさせることです」と研究者のリサ・ソンは言う。「長期的な学習力を最大化するためには、自力で学ぶ必要があるん
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学生の過信を防ぐため、カーネギーメロン大学のマーシャ・ラヴェット教授は講義の後で一問か二問の課題を学生に与えることがよくある。この質問をラヴェットは「仕上げ」と呼んでいる。授業の一環として、学生に「自分は何を学んだか? 理解しづらかったのはどこか? わからないと思えるのはどこ
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