generated at
インターネットの歴史におけるコピーの話

インターネットの始まりARPAnet から、というのが通説になっているけど、われわれが「これがインターネットだ」と思っている「場」の文化がどこから来ているのかというとその始まりUsenet に求めることが出来る。Usenet は ARPAnet の外側で起こった。
そもそも ARPAnet はアメリカの国防省の管理下にあって誰もが接続出来るわけではなかった。インターネットの歴史で謳われる創始の頃、ARPAnet に接続可能であった人たちは特定の分野に属するわずか200人、300人の人たちに過ぎなかった。
Usenet は Unix 7th Edition に組み込まれた UUCP (Unix-to-Unix Copy) により生まれた。UUCP は話を端折ると、ただの copy コマンドにすぎない。シリアルラインで接続されたマシン間でのデータコピーだ。
基本的には2台のマシンをシリアルライン(RS-232C)で一対一に接続するものだった
uucp(1): uucp [ options ] source-file destination-file
source-file destination-file はローカルな path 名か system!path という形式で指定された
system1, system2, ...snip... を経由して systemN にあるファイルに対しアクセスする場合には system1!system2!...snip...!system(N-1)!systemN!path という形式で指定する
つまり、コピーを介した「バケツリレー」
そのただの copy コマンドを使って、日本でいうところの掲示板を作ったのが NetNews だ。最初はシェルスクリプトの寄せ集めだった。
Usenet は2台のマシン間の接続から始まった
> 1979年に初めて NetNews の実験は行われた。デューク大学の Tom Truscott と Jim Ellis は地元のアナウンスプログラムの代わりとしてこのアイデアを思いつき、Steve Bellovin によって書かれたシェルスクリプトを使って近くのノースカロライナ大学とのリンクを確立した /heisei-internet-hisotry/日本のインターネット創世記
ARPAnet はあとから Usenet に接続された。「場」として考えたとき ARPAnet は、そのころ Usenet に次々と接続された小さなネットワークの一つに過ぎなかった
> 1980年、Usenetはカリフォルニア大学バークレー校を通して ARPAnet に接続された。カリフォルニア大学バークレー校はUsenetとARPANETの両方に接続していた。 接続を設定した大学院生のMark Hortonは、 fa "From ARPANET" 識別子を付けて ARPANETからUsenetへのメーリングリストのフィードを始めた /heisei-internet-hisotry/日本のインターネット創世記
Usenet はまたたく間にその規模を拡大していく
> 1983年までに、500を超えるホスト、大学やベル研究所のサイトだけでなく、ますます多くのUnix関連企業からも何千人もの人々が参加した。1984年には、ホスト数は940にほぼ倍増しました /heisei-internet-hisotry/日本のインターネット創世記
まさに蜘蛛の巣のように世界に広がった
世界中に生まれつつあった小さなネットワークを次々と巻き込みながら、
そのうちの一つが日本の Junet (WIDE network) だった
Usenet こそが、われわれが「これがインターネットだ」と思っている「」の、その始まりである
NetNews は UUCP の仕組みに基づいている。その本質はコピーである。つまりすべての行為はコピーだ