generated at
地政学
地理的な条件に注目して、軍事や外交といった国家戦略、また国同士の関係などを分析、考察する学問。
1916年にスウェーデンの政治学者、ルドルフ・チェーレンによって提唱された。
現代においても地政学は、国際政治やグローバル経済における国家の行動を説明するものとして重視されている

アメリカの軍人でありアルフレッド・マハンが1890年に最初に提唱
国境線の多くが海に接している海洋国家(あるいは海洋国家が持つ力)
周りを海に囲まれているため、他国から攻められにくい
交易によって利益を得ようとする傾向が強い
陸続きで他国と接している大陸国家(あるいは大陸国家が持つ力)
他国から侵略されやすく他国を侵略しやすいのが特徴
イギリスの地理学者ハルフォード・マッキンダーが、「シーパワー」と「ランドパワー」についての概念を提唱
「シーパワー」と「ランドパワー」の国は対立しやすい
冷戦時代のアメリカとソ連
一つの国で「シーパワー」と「ランドパワー」は両立しない

ハルフォード・マッキンダーマッキンダー)が、ハートランドの概念を提唱した
ユーラシア大陸の中心部、主に現在のロシアがあるエリア
「シーパワー」の攻撃が届かない位置にある
「ハートランド」の周縁(リム)のこと
ユーラシア大陸の海岸線に沿ったエリアを指す
温暖で作物を育てやすく、経済活動が盛んという特徴
「リムランド」は「ハートランド」と衝突しやすい
リムランドの方が豊かだから
「リムランド」は国際紛争の起こりやすい地域
アメリカ人の政治学者で地政学者でもあるニコラス・スパイクマンが、「リムランド」の重要性を説いた
>「ユーラシアのリムランドを制する者が、世界の運命を制する」
マッキンダーは、ハートランドの脅威論を唱えた
>「東欧を支配するものはハートランドを制し、ハートランドを支配する者は世界島を制し、世界島を支配する者は世界を制する」と、ハートランドの脅威を強く主張した。

地政学リスク
地理的な位置関係が地域にもたらす政治的、社会的、軍事的な緊張が高まるリスクのこと

ナチスドイツと地政学
ドイツで地政学の中心となったのが、カール・ハウスホーファーハウスホーファー)だった
ドイツ人であるハウスホーファーはドイツロシアソ連)の同盟の必要性を訴えた
>ソ連・日本との密接な協力により、ユーラシア大陸を横断する政治的ブロックを作り上げることこそが、大国としてのドイツを再興するための最良の手段であると主張した
アドルフ・ヒトラーは、ハウスホーファーの思想から「生存圏」の概念を援用し、第三帝国が領土を拡張することの理論的根拠とした
ハウスホーファー自体は、人種差別的なことは主張していなかったため、ナチスドイツに「生存圏」の概念だけを利用された形となった
地政学とナチスドイツとの結びつきが強いため、地政学自体が問題を孕んでいると見なされるようになった