>スクーラー( 28) らが行った実験は、このことをまさに明らかにしている。この実験では、一方のグループにはあるビデオに登場する人の顔を詳細に言語的に記述するように求め、もう一方のグループにはそうしたことをさせなかった。その後に何人もの人の顔を見せ、その中にビデオに登場した人物がいるかを尋ねた(つまり、再認実験を行った)。すると言語的に記述したグループの成績は、もう一方のグループの成績よりも悪くなったのである。こうした現象は、言語隠蔽効果と呼ばれている。つまり、ここで言語的に記述したグループは、顔の記憶や再生には不適当な言語化しやすい特徴に焦点化してしまったために、再生が劣化してしまったのだ。